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『アングリーバード2』竹達彩奈が明かす、30歳で迎えた穏やかな気持ち 「楽しまないと損」

リアルサウンド

20/3/3(火) 12:00

 大人気ゲームアプリを映画化した『アングリーバード』の続編、『アングリーバード2』のBlu-ray&DVDが3月4日にリリースされる。1作目がアメリカで初登場No.1を獲得した『アングリーバード』シリーズは、怒りんぼうのヒーローのトリ、レッドが、仲間たちと共に大奮闘する物語。第2弾となる本作では、バード・アイランドとピギー・アイランド、2つの島を揺るがす大ピンチに、トリとブタがついにタッグを組む。前作に引き続き、坂上忍が主人公レッドの日本語吹き替えを担当。勝杏⾥、乃村健次、岩崎ひろし、⼭寺宏⼀、くじらなど実⼒派キャストが集結し、竹達彩奈が本作から声の出演を果たした。

 今回リアルサウンド映画部では、Blu-ray&DVDのリリースを記念して、新キャラクターのシルヴァー役を務めた竹達彩奈にインタビュー。前作に続き『アングリーバード』の世界観を作り上げるキャラクターたちの魅力をはじめ、洋画アニメの吹き替え初挑戦など声優業へのこだわりについても語ってもらった。

【動画】『アングリーバード2』本編冒頭映像

■「レッドがカッコよく男らしくなっていく姿が愛らしい」

ーー『2』から参加することが決まった時はどんな気持ちでしたか?

竹達彩奈(以下、竹達):とても嬉しかったです。続編に新キャラクターとして、しかも重要な立ち位置に入ることへの緊張感はすごくありました。『アングリーバード』は本当に世界中に愛されている作品なので、その作品に携われたことがすごく誇りだなと思っています。

ーー個性豊かなキャラクターが登場しますが、竹達さんのお気に入りは?

竹達:レッドがすごく好きです。なんだかとても人間臭いんですよね、鳥なのに(笑)。卑屈な部分とか、ヒーローになりきれてなくて葛藤してる部分が人間らしいんですよ。坂上(忍)さんのお芝居の息や言葉の1つ1つに、レッドのネガティブな一面の重みを感じます。観ていてすごくレッドに共感してしまいますし。あとは、小っちゃいベイビーバード! ストーリーとは別の軸で、このおちびちゃんたちが頑張ってる姿がとても可愛らしくて。ブラックジョークが途中で入ってきたりするのもコミカルで、ほっこりします。

ーー今回演じたシルヴァーはどうですか?

竹達:シルヴァーには憧れを抱きました。頭の回転が早くてチャキチャキとしていて。頭がいい人って正論を言うけど、それが時に傷つけてしまう部分もあって、シルヴァーにも人間らしさを感じました。どうやって皮肉づいてやろうかと考えるのも楽しくて、私も実際こんな風に言えたらいいのになと思いながらやっていました(笑)。

ーーレッドとシルヴァーの関係性がどんどん変化していくのが面白かったです。

竹達:最初は「なんて相性の悪い2人なんだ!」と感じていましたし、最悪の出会い方で、喋ってるシーンの時も絶対合わないだろうなと思っていたんです。でも、だんだんと心が打ち解けて、シルヴァーもすごく思いやりのある子だなと。レッドが独りになろうとすればするほど、シルヴァーは放っておけなくて、私がなんとかしてあげなきゃと世話を焼いちゃう。その優しい気持ちがレッドにも伝わったと思うし、レッドも最初は苦手で嫌いだった人を潔く認められる姿は、カッコいいし素敵だなと思いました。今回の冒険で、レッドがちょっとずつカッコよく、男らしくなっていく姿が、すごく愛らしかったです。

ーーこのメンバーみんなが家族のように見える瞬間もありましたよね。

竹達:みんなで力を合わせているのを見ていて、とてもワクワクしますし、すごく憧れがありました。それぞれが強いキャラクターたちじゃないからこそ、工夫して頑張ったり、時に失敗しながら乗り越えていく感じとか……というかなんでバレないんだろうとか思いながら観てたんですけど(笑)。そんな凸凹チームのバランスがすごく良くて、そこにシルヴァーも仲間に入ることができて嬉しいですしね。私も力を合わせて何かに挑むようなことをちょっとやってみたいなって思いました。謎解きとか脱出ゲームとかを、友達と力を合わせてクリアするみたいな(笑)。

ーーこの作品を通して、竹達さんが感じたことはありますか?

竹達:映画のもう1つの見どころが、ゼータとマイティ・イーグルの恋だと思うんです。人生って何が起きるか分からないし、その瞬間瞬間をみんなが一生懸命生きていて、なるようになるというか、最後はみんなハッピーエンドだねという感じが私はすごく好きで。この作品を観て、とても友達に会いたくなりました。普段は一人でいることが好きなんですけど、映画を観終わった後は仲間が恋しくなったし、友達とご飯食べたいなとか、一人がちょっと寂しくなるような気持ちになりましたね。

■「30歳を迎えてもこんなに緊張することがまだまだある」

ーー舞台挨拶にはたくさんの親子連れや子どもたちがたくさん来ていましたね。

竹達:子供の頃に観たものって特別というか、やっぱり宝物のように記憶の中に残っていくものだと思うので、この作品を選んでくれて嬉しいですし、間違いないと思います。観にきてくださった方も、パッケージを買ってくださった方も、大人になった時に楽しんでもらえる作品だと思うし、愛してもらえる作品であり続けたら嬉しいです。

ーー今作で洋画アニメの吹き替えが初挑戦だったそうですね。

竹達:一度はやってみたいなとずっと思っていたので、今回はその夢が叶ってとても嬉しかったです。以前、海外ドラマの吹き替えをやった時も難しかったんですが、やっぱり今回もお芝居の仕方が全く違いましたね。アニメやドラマCDとか、自分で1から作れるキャラクターは自由度が高いんですよ。でも、先に海外の方が演じていると、その役者さんの息遣いやお芝居の雰囲気に寄せなければいけなかったりするので、普段のアニメのアフレコとはまた違うスキルを求められるんです。

ーー実際やってみて、やる前にイメージしたものとどうでしたか?

竹達:どうしても自分の息遣いになってしまうので、その癖をなくすのに苦労しました。息を合わせるのがとにかく難しくて。それと、シルヴァーの海外で声をやられている方がすごくハスキーで、カッコいい女性の声だったので、寄せるべきか悩んだんです。でも、見た目がとても可愛らしいキャラクターですし、「私にそのハスキーさ求めてるかな?」と思ったので。私のやりやすいように役は作らせていただけて、現場でアフレコが始まった時も、「竹達さんが作ってきてくれた役で大丈夫です」と言ってもらえたので、安心しました。

ーー今回挑戦してみて、今後の自分の新しいスキルに繋がったものはありましたか?

竹達:まだまだ自信はなくて、どの作品にも「これでいいのかな?」という気持ちなんですが、みんなが楽しんでくれたり、私が演じたキャラクターを好きだな、良いなと言ってもらえて、ようやく安心できるというか。皆さんが楽しいと思ってもらえるように頑張ったつもりではあるので、感想を楽しみに待ってます。

ーー歌手を含め色んなお仕事をされている中で、声優業でのこだわりは何でしょうか?

竹達:ひとつひとつのキャラクターが生きている世界観や見た目とか、その子の人生を考えながら役を作っていきたいという気持ちで毎回作品には関わらせていただいています。それと、なるべく声を作ろうとは意識しすぎないようにしています。地声が甲高い声というか、子供っぽい声だなと思っているので、それを補おうとして、大人のお姉さんっぽくとか意識してしまうことも多いのですが、大人の声だからこうだという先入観はなるべく持たないようにとは気をつけています。

ーー30歳を迎えて、声優のお仕事に対する考え方の変化はありますか?

竹達:なんだかとても穏やかな気持ちになりました(笑)。20代はこうあるべき、こうすべきという先入観があって、そればかりを追い求めていたし、そうじゃなきゃいけないと自分で思い込んでいて。20代後半に向けて、そういう風に自分が勝手に思っていただけで、「別にそうじゃなくてもいいんだ、それが良い訳でも悪いわけでもないし」と広い視野を持って、色んなことに目を向けられるようになれた気がしています。もともと10代のときは裏方の仕事だと思って目指していたので、「なんで私グラビア撮ってるんだろう、歌やってるんだろう」と最初はそういう気持ちが大きくて……。けど、実際にお仕事を始めて、歌をやってもいいし、声優だからといってアニメだけじゃなくて色んなことやっていいんだなと、デビューしてから今までの中で考えが変わってきました。

ーーそうした考え方の変化は何かの影響を受けてなのでしょうか?

竹達:やっていくなかで考え方が変わった気がします。歌だと先輩方のレールを一生懸命追いかける形なので、歩きやすいというか居心地は良くて、もうすでに“声優は歌う”ということに否定する人がいないし、違和感はありませんでした。でも声優がCMなど表に出ることはあまりイメージがなかったので、最初は違和感があって。いろんな事をやらせてもらえるのはありがたいので、全力で頑張ろうと思うんですけど、「私がこんな大きなお仕事していいのかしら……?」という気持ちが強かったんです。30歳を超えたら、開き直りというか、せっかく任せていただけたんだったら楽しまないと損だなと。私が関わったことで、作品はもちろん、声優を知らない方にも知ってもらえたら嬉しいなと思うようにもなりました。自分ができることは何だろうと、広く考えられるようになったんだと思います。

ーー今まで長い間声優をやっていて、この作品をきっかけに、これから何かやってみたいなという気持ちは芽生えましたか?

竹達:芸能の仕事をしていると、初めての経験が未だに多いです。30歳を迎えてこんなに緊張することがまだまだあって、経験していないことがいっぱいあるんだなと思うと、狭くいるよりも、色んな形で表現できる場所があった方が素敵だと思うんです。今回はアニメの洋画の吹き替えにチャレンジしましたが、また芸を磨いて、もっと色んなことができるような役者になりたいなと思います。

(取材・文=大和田茉椰)

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