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木村拓哉主演『教場II』北村匠海登場の“エンドロールの後”に騒然 明らかになった風間教官の過去

リアルサウンド

21/1/5(火) 11:45

 風間教場の第200期の生徒たちが引き起こす事件とともに、昨年放送された前作『教場』(フジテレビ系)に登場した第198期の宮坂(工藤阿須加)の突然の死というショッキングな出来事が描かれた1月3日放送の「前編」。1月4日にフジテレビ系で放送された『教場II』「後編」では、生徒と副教官の関係や警察一家の生まれである生徒同士の恋愛模様、休学を経て復学した石上(上白石萌歌)によって語られる第199期で起きた事故の真相。そして風間公親(木村拓哉)の右目の秘密が描かれることとなった。

 かつて先輩刑事から責任をなすりつけられた恨みを、現在の上司である風間を貶めることで晴らそうとする副教官の田澤(松本まりか)は、第200期の生徒である比嘉(杉野遥亮)に言い寄る。一方、母親が警察幹部で嫌々ながら警察学校に入った杣(目黒蓮)は、わざと問題を起こそうと校内の備品を盗み爆弾製造を企てるが風間に見破られてしまう。また杣は、自分と同じような境遇にあった優等生の伊佐木(岡崎紗絵)に惹かれ、伊佐木は杣との間に子供を宿すことに。そんな伊佐木に休学という方法を勧めた石上は、第199期で起きた事故のトラウマを引きずっており、それを見抜いた風間はこのまま卒業させるわけにはいかないと、真相を石上自身に語らせるのである。

 「ここを卒業したら、私は市民の命を背負うことになります」と何度も何度も石上に繰り返させる風間。そこに重ねられていくのは、石上を心配して集まった生徒たち。石上は自分の目の前で飛び降り障害を負ってしまった元同期の出馬(重岡大毅)を背負い、鳥羽(濱田岳)は裏切ってしまった稲辺(眞栄田郷敦)を、忍野(福原遥)は堂本(高月彩良)を、漆原(矢本悠馬)は宮坂の死を背負う。そして比嘉は救命講習で田澤の手を離してしまったという後悔を背負い、杣は伊佐木と新しく生まれてくる命を背負っていきながら、それぞれが警察官としてのスタートラインに立つというわけだ。

 入校式から始まり、ふるいにかけられる試練と厳しい訓練を重ねていきながら成長し、卒業が近付くなかで与えられる課題を通して生徒たち自らが自分たちの弱さや変化を言葉にして見つめ直す。夕陽の差し込む教室で、最後まで心の内を明かせずにいた生徒が築いていた壁が取り払われ、やがて卒業を迎える。そして風間教場に新たな生徒たちがやってくる。前作と今作、基本的にその物語の流れは同じであるが、こうした反復はある意味で警察官という職業の持つ厳格で機械的な側面を表しているようでもあり、またその一方で、この教場で教えられることが極めて普遍的なものであることを物語っているようにも思える。

 クライマックスで登場した、第198期の生徒だった岸川(葵わかな)と枝元(富田望生)は、警察官になることを諦めた2人だ。その2人が、「前編」に登場した警察官になった同期の5人と同じように宮坂を弔う。人の命を守り、それを敬うということは警察官にのみ与えられた使命ではないということ。また劇中で石上が語る、警察官にとって一番大事なこととして風間が言ったという「見てみぬふりをしない人間になること」。そして、今回の生徒たちの物語がそれぞれ繋がりを持っていると同時に、過去の代の生徒たちの物語ともしっかりと繋がっていること。この濃厚な前・後編5時間の中に、いくつもの教えとメッセージが確かに込められていたのである。

 エンドロールの後に突如として描かれた、風間の過去と右目の秘密。後輩刑事の遠野(北村匠海)と張り込みをし、凶器を持った犯人に襲撃される。この一連のシーンは、風間の右目の秘密以外にもいくつもの伏線を回収していた。前編のオープニングシーンであったということはもちろん、犯人と建物の中でぶつかるのがバイク便のバイトをしていた鳥羽であり、卒業式の後に風間が鳥羽にかけた言葉とも結びつく。そして前編の最初の授業で風間が教えた、「持っているものを決めつけない」「事態が悪化する」という言葉も、このラストに繋がっていたようだ。

※初出時、一部表記に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『教場II』
フジテレビ系にて、1月3日(日)、4日(月)21:00〜2夜連続放送
出演:木村拓哉、濱田岳、上白石萌歌、福原遥、矢本悠馬、杉野遥亮、目黒蓮(Snow Man)、眞栄田郷敦、岡崎紗絵、戸塚純貴、高月彩良、樋口日奈(乃木坂46)、重岡大毅(ジャニーズWEST)、三浦貴大、佐久間由衣、嘉島陸、工藤阿須加、川口春奈、葵わかな、富田望生、味方良介、村井良大、大島優子、三浦翔平、佐藤仁美、和田正人、高橋ひとみ、松本まりか、小日向文世ほか
原作:長岡弘樹『教場』シリーズ(小学館)
脚本:君塚良一
演出:中江功
プロデュース:中江功、渡辺恒也、宋ハナ、遠藤光貴(SWITCH)
制作協力:SWITCH
制作著作:フジテレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/kyojo/
公式Twitter:@kazamakyojo
公式Instagram:@kazamakyojo

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