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第69回ベルリン国際映画祭観客賞&CICAE賞W受賞 『サーティセブンセカンズ』来年2月公開決定

リアルサウンド

19/8/23(金) 18:00

 第69回ベルリン国際映画祭で観客賞とCICAE(国際アートシアター連盟)賞をW受賞した『37 Seconds(原題)』が、『サーティセブンセカンズ』の邦題で2020年2⽉より新宿ピカデリーほか全国にて公開されることが決定した。

参考:『火口のふたり』柄本佑×瀧内公美が語る、荒井晴彦への挑戦 「“身体の言い分”に正直に生きること」

 本作は、⾃⼰表現を模索しようともがく中で、様々な⼈たちと出会い、思いもよらない展開で成長していくひとりの⼥性を描いた物語。⽣まれた時にたった37秒間呼吸が⽌まっていたことが原因で、⼿⾜が⾃由に動かない脳性⿇痺となった主⼈公・貴⽥ユマ(佳⼭明)。漫画家である親友のもとでゴーストライターとして働き、作品を⾃分のものとして出せないことへの寂しさや⻭がゆさ、そしてシングルマザーでユマに対して過保護になってしまう⺟・恭⼦(神野三鈴)との⽣活に息苦しさを感じていた。⾃分にハンディ・キャップがあることをつきつけられるが、それでも“23歳の⼥性として望んでいいことだってあるはず”という思いの狭間で揺れる⽇々。そんな時、ある出来事をきっかけに、ユマの⼈⽣は⼤きく変わり、⾃らの⼒で“新しい世界”を切り開いていくことになる。

 監督を務めたのは、⼤阪市出⾝で、現在はLA在住のHIKARI。本作が⻑編映画デビュー作となった。主⼈公ユマを演じる佳⼭明は、本作が演技初挑戦となる。「健常者の俳優が障害者のヒロインを演じることには違和感がある。ユマはきっとどこかにいる」と信じたHIKARI監督が、実際に⾝体に障害を持ちながら本作のヒロインに挑戦してくれるキャストを探し出すため、1000に及ぶ⽇本の施設や教育機関、ネット掲⽰板などあらゆる⼿段を講じて、本作のヒロインを募集。最終的に100⼈近い候補者と⾯談し、佳⼭と巡り会った。

 主⼈公ユマの⺟・恭⼦役を神野三鈴、ユマの⼈⽣を変えるきっかけとなるデリヘル嬢・舞役を渡辺真起⼦、舞と共に⾏動を共にし、ヘルパーの資格を持つ俊哉役を⼤東駿介が務めた。そのほか、板⾕由夏、萩原みのり、芋⽣悠、渋川清彦、宇野祥平、奥野瑛太、⽯橋静河、尾美としのりら、多彩な俳優陣が出演する。

【コメント】
・HIKARI監督
ある⼀つのインタビューからインスパイアされて⽣まれたこの作品は、実在するたくさんの⼈たちから刺激を受け、2年余りの時間をかけて脚本の開発をしました。
また、主⼈公を演じる佳⼭明さんとの出会いによって、私⾃⾝が想像していたストーリーから⼤きく⾶躍しました。そして、私たち映画制作者だけではなく、ユマというある⼀⼈の⼥性の可能性を信じてくれた⽅々のおかげで、映画作品として新しい命をいただけた事に感謝の気持ちでいっぱいです。
2019年2⽉に開催されたベルリン国際映画祭では世界中から集まった何⼗万⼈もの映画ファンの⽅々に作品を観ていただく事が出来ました。その時感じた事は、⾔語や⽣活環境が全く違おうとも、映画に詰め込んだ私たちの想いは、それぞれにきちんと伝わるんだと。
私たちは、劇中での「障害があろうがなかろうが、あなた次第よ」というセリフに込めた「前向きに⽣きる事の⼤切さ」というメッセージが、『サーティセブンセカンズ』を通して、世界中の⼈たちに届く事を⼼から願っています。

・佳⼭明(貴⽥ユマ役)
みなさん、こんにちは。
佳⼭明です。少し⾃⼰紹介させてください。わたしは、24歳で、ラーメンが好きです。
脳性⿇痺で、簡易電動⾞いすユーザーです。そんなわたしは、ヘルパー制度で、ヘルパーさんにきてもらいながら⼀⼈暮らしをしています。
いろんな思いがあってうまく⾔葉にしきれませんが……。
まず、このような貴重な機会をいただけたことにとても感謝しています。
正直、悩みながらの⽇々でしたし、今もそうですが、様々な⼈に⽀えていただき、教えていただき過ごしてきました。
みなさんに観ていただくことにとてもドキドキしていますし、どんなふうに感じられるか不安な気持ちでいっぱいです。わたしは、この作品づくりを通して、いろいろなことを教えていただきました。⾃分⾃⾝を⾒つめ、以前より、知ることができました。今まで知らなかった映画製作のことを知りました。改めて様々なことを考えました。
わたし⾃⾝がそうであるように、この映画が障害者のこと、いろんな⼈のことを知ったり、「障害」って何か、物事の背景や社会のあり⽅を考えるきっかけになったらと思っています。
みなさん、本当にありがとうございます!

・神野三鈴(貴⽥ユマの⺟・恭⼦役)
この脚本を初めて読んだとき これはきっとすてきな作品になる!
この映画の細胞のひとつになりたいと、強く願いました。
現場にはやはりそう感じた熱い思いのスタッフ、キャストのみなさんが集まっていて、HIKARI監督を筆頭にとにかく何が起きても あきらめないタフなチームでした。
時には激しくぶつかったりもしましたがそれはこの作品のテーマと同じ。
主⼈公のユマの⾃⽴だけではなく 彼⼥の周りの⼈間達の精神的⾃⽴や再⽣。
多様性を認めること ⼈と関わること、ぶつかることを恐れないこと、その先にある理解や思いやり、想像してみること……そのすべてが最初に渡された招待状監督の脚本に書かれていたのですから……。
最後までそれぞれの場所で⾛り抜いたと思います。
しんどかったこともいとおかし、愛おしさに変わりつつあります。
記録的な猛暑の中での撮影。⾞椅⼦は地⾯に近いので暑さもひとしお。
熱中症を⼼配した私達はスタッフ総出でユマ役の佳⼭明ちゃんをあおいだり氷嚢で冷やしたり扇⾵機を当てたり。すると明ちゃんが申し訳なさそうに「あの……寒いです」。みんな汗だくで⼤笑いしたあの夏の⽇。明ちゃん、ごめんね。
初めてベルリン映画祭で観客の皆さんとこの作品を観たとき 登場⼈物のもがく姿に笑ったり涙したりしてくださったとき、あぁささやかな祈りが届いたような気がしました。繋がっていく……と。

・⼤東駿介(俊哉役)
この映画の主⼈公ユマ、それを演じた明(めい)ちゃん。
この 2 ⼈の⼥性の⼈⽣の⼤きな⼤きな決断と挑戦、覚悟を、介助者として役者としてひとりの⼈間としてそばで⾒てきました。その過酷で壮絶で希望に満ちた時間は⼀⽣ものの財産です。
この作品が、⼈と⼈とを妨げる⾒えない壁がなくなるきっかけになればと思います。

・渡辺真起⼦(舞役)
『サーティセブンセカンズ』。この作品との出会いは、引⼒のようなものが働いたというか、説明しようがないのですが、HIKARI監督の何か特別な⼒が働いたのではないかと思っています。引き寄せられた結果、今回の役柄は私にとって、挑戦的な役柄になりました。物語の中で、その役割りをちゃんと引き受ける覚悟ができるまで、少し時間がかかりました。引き受けたくても、⾃信が持てなくて。それでも、HIKARI監督のある種の⺟性的な眼差しと、主演の佳⼭明さんの美しく、まっすぐと未来を⾒つめている眼差しや、⽣きることに向き合う誠実さ。キャスト、スタッフ、とにかく皆が、前に突き進むんだ!という強い思いを持っていて、私も触発されたというか、⼀緒に進んで⾏きたいという気持ちを持ちました。精⼀杯、頑張りたいなと。真夏の撮影状況は皆さんにとって過酷だったと思います。⾃分の撮影部分が終わっても、全体の撮影が無事に終わるまでの⽇々、とにかく撮影が無事に成功しますようにと、祈るような気持ちで過ごしていました。よくぞ、海まで超えてやりきったと思います。そして出来上がった作品には、強い、強い、情熱、命を感じています。この作品が、たくさんの⽅々へ届くことを願っています。

(リアルサウンド編集部)

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