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是枝裕和が城真也の監督作「アボカドの固さ」にコメント「チクリと胸を刺しました」

ナタリー

20/8/14(金) 12:00

「アボカドの固さ」コメントチラシビジュアル

「アボカドの固さ」が9月19日より東京・ユーロスペース、10月10日より大阪のシネ・ヌーヴォ、10月23日より京都・出町座で上映されることが決定。中村桃子の描き下ろしイラストを用いたビジュアルが解禁された。

俵万智の短歌「アボカドの固さをそっと確かめるように抱きしめられるキッチン」から着想を得て、アボカドを映画のモチーフとした本作。5年間付き合った彼女から別れを告げられた俳優の前原瑞樹が、彼女とよりを戻したい一心で過ごす“愛と執着”の30日間が描かれる。劇団・青年団所属の俳優である前原瑞樹本人が前原を演じ、城真也が監督を務めた。前原が実際に経験した失恋をもとに、城と山口慎太朗が脚本を執筆している。

このたび是枝裕和らのコメントが到着。是枝は「劇中、お姉さんが主人公に、あんたの孤独なんて本当の孤独じゃない、と言うんだけど、そんな半端な!鬱屈とした感情が、それでも本人には人生の一大事なのがまた、青春のリアルなんだろうと、遥か昔を思い出しながら、チクリと胸を刺しました」とつづり、山内ケンジは「成長も克服も、あるいは劇的な絶望さえない。うじうじと未練だけなのだ。これは新しい。斬新だ。大げさでなく、必見の名作である」と述べた。藤井道人も「城監督の人の描き方はとてもユニークで毒があり、否定も肯定もしないその眼差しに並々ならぬ才気を感じました」とコメントを寄せている。

是枝裕和(映画監督)コメント

普段の城さんからは想像できないような、真っ当な青春映画でした。劇中、お姉さんが主人公に、あんたの孤独なんて本当の孤独じゃない、と言うんだけど、そんな半端な!鬱屈とした感情が、それでも本人には人生の一大事なのがまた、青春のリアルなんだろうと、遥か昔を思い出しながら、チクリと胸を刺しました。

山内ケンジ(劇作家・映画作家)コメント

前原瑞樹という無名の俳優が、本人を演じているのだが、これが素晴らしい映画だ!
前原瑞樹(無名)が、つきあっていた彼女にふられ、その後ただただ、うじうじと未練がましい、情けない生態を描くだけの100分。成長も克服も、あるいは劇的な絶望さえない。うじうじと未練だけなのだ。これは新しい。斬新だ。大げさでなく、必見の名作である。

藤井道人(映画監督)コメント

いる、いるよなあ。こういうやつ。
面倒くさいやつだなぁ。
生きるのが下手だなぁ。
でも、僕は誰かにとっての前原だったのかもな。
城監督の人の描き方はとてもユニークで毒があり、否定も肯定もしないその眼差しに並々ならぬ才気を感じました。

松本花奈(映像監督)コメント

「明日もこの人の恋人でいたいですか?」という見えない問いに対して、2人中2人が賛成して、それを毎日続ける。
たったそれだけのことがこんなにも難しいなんて。

前原さん、
本当は次の元号が何になるかなんて全く興味がないのはバレバレでした。
あれから月日は経って、今は2020年7月です。もう寒くはないです。
前原さんの心からあの時よりは少しだけ、寂しさが消えていますように。

金子遊(批評家・映像作家)コメント

大胆に望遠と広角を使いわける、城真也監督のキレのいい切り返しショットが印象的。ロングテイクを使った独特の空間構築に、ハッと息を飲む。若者が集う居酒屋のシーンや、元カノの母親との気まずい対話など、じっと見詰めるような長まわしで俳優陣の素の部分を引きだしている。気づいたら、ダメ青年の鈍感で勘違いな恋愛模様に引きこまれているが、ビターでアーティスティックな後味を残す要注目作だ。

ゆっきゅん コメント

映画館で友達と観たあとに前原くんのどこが無理だったか話して盛り上がりたかった。私たちはそんな話題で盛り上がる。お前の気持ちなど誰にでもわかるわって言いたい。でもなんか、この映画を作らないといけなかった人々も、恥ずかしくてこの映画を見ていられない人も、可愛いと思えてきてしまった。

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