バニシング
20/1/20(月)
見るから寒々しい北大西洋はアイルランドの孤島を舞台に繰り広げられる、むさ苦しい男たちのヒリヒリする心理劇。
前半は孤島にやってきた三人の灯台守たちの日常と、彼らが情を通わせていく様が描かれる。決して劇的ではない淡々としたタッチだが、厳しい自然環境にたたずむ男たちの横顔を見ているだけで、十分に満ち足りた気になる。
もちろん、それだけでは終わらない。金塊の入った木箱が重傷の男と共に漂着したことで、彼らの日常を不穏が覆い始める。
自らプロデューサーも務めたジェラルド・バトラーが、いつもの「頼りになるヒーロー」とは真逆の、脆い人間心理をリアルに熱演。
鉛色の空と海があいまって、ひたすら重苦しい緊張感を味わった。
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