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いま、最高の一本に出会える

堂本剛、なぜ少ない出番にも関わらず『銀魂2』で圧倒的存在感を残せたのか?

リアルサウンド

18/9/12(水) 10:00

 2017年の実写邦画No.1ヒットという功績を出した『銀魂』。早くも2018年8月17日に『銀魂2 掟は破るためにこそある』が公開され、9月4日時点で興行収入25億円を突破、シリーズ累計動員数は485万人を超える大ヒットとなっている。

 そんな『銀魂2 掟は破るためにこそある』は、銀魂ファンに人気の「真選組動乱篇」がストーリーの軸となっている。主人公の坂田銀時と人気を二分する土方十四郎、沖田総悟が属する真選組にフォーカスされている長編とあり、原作ファン、アニメファン両方からの支持が高い。プロデューサーの松橋真三氏いわく、もともとはギャグ回の「将軍接待篇」のみの内容になるはずだったという。しかし、福田雄一監督のTwitterに「真選組動乱篇をやってほしい」というツイート、リプライが多く寄せられ、真選組動乱篇が採用されたという裏話があるそうだ。(参考:ファンからの投稿が“真選組動乱篇”実写化の後押し!『銀魂2』プロデューサーが語る!(1/2) | NewsWalker

 真選組動乱篇とは、前作の原作となった「紅桜篇」に続き人気の高いシリアス長編。鬼の副長と恐れられた真選組副長・土方十四郎(柳楽優弥)が第2の人格・ヘタレオタクのトッシーに体を乗っ取られ、真選組をクビになってしまったことが物語の始まりだ。そこに真選組を乗っ取ろうと企てる参謀の伊東鴨太郎(三浦春馬)が局長・近藤勲(中村勘九郎)の暗殺を企てる。しかし実は、高杉晋助(堂本剛)率いる鬼兵隊が将軍・徳川茂茂(勝地涼)を暗殺するために伊東を操っていたのである。列車の中で伊東派に寝返った同志たちを次々と斬っていく沖田総悟(吉沢亮)、ヘタレオタクに体を乗っ取られながらも近藤を助けようと己を奮い立たせる土方、土方とは犬猿の仲でありつつもそれをサポートする銀時(小栗旬)、とにかく見どころが多々詰まっている。

 一方、「将軍接待篇」は完全なるギャグ回。生真面目な将軍・徳川茂茂を万事屋の面々が四苦八苦しながら接待する話である。無礼があれば打ち首必至であるにも関わらず、頑張れば頑張るほど無礼を働いてしまう。そのギャップが絶妙に面白い。この正反対のストーリーである「将軍接待篇」を『銀魂2 掟は破るためにこそある』では「真選組動乱篇」に見事に組み込んでいる。映画オリジナルの設定がありつつも、非常に自然な流れで物語が構築されており、まさに「笑いあり、涙あり」のストーリー展開。前作を超える傑作になっているのではないだろうか。

 そして同作品は、なんと言っても俳優陣の演技力がとてつもなく良い。実写映画にありがちな「コスプレ映画」になるかと思いきや、それぞれのキャラクターの中身までもが原作に忠実だ。しかも、主役の小栗旬は言わずもがな、菅田将暉、橋本環奈、柳楽優弥、吉沢亮、三浦春馬、窪田正孝と主役を張れる役者が揃っているゆえ、存在感があり一つひとつのキャラクターが埋もれない。それは高杉晋助役の堂本剛も然りだ。

 高杉が出てくるシーンは3〜4シーンのみ。しかもセリフもほとんど無い。正直、堂本剛目当てで見た観客は「少ない」と感じるかもしれない。それでありながら堂本剛は、紛うことなき高杉晋助なのである。例えば、表情。気だるそうな表情でありながら、目には「攘夷志士の中で最も過激で最も危険な男」と称される危うさがしっかりと灯っている。そして、仕草。煙管を持つ指はどこか艶っぽい。屋形船の縁に腰を掛け、着流しから伸びた足。前作で「18禁」と話題になっていた艶めかしさも健在だ。最後は、セリフの言い回し。相手を直接的に責めるようなことは言わないが、有無を言わさない圧力を感じる物言い、腹の底が見えないゆったりとした喋り方……。イメージにピッタリだ。まさに、どこを切り取っても「高杉晋助」である。そして、その圧倒的存在感で場面が切り替わるとストーリーの空気すら変えてしまっているのである。

 前作についてのコラムにも書かせてもらったが、筆者は原作『銀魂』のファン、高杉晋助ファンだ。今回、名台詞「万斉、俺の歌にはノれねーか」も飛び出し、原作ファンも納得の“高杉剛”になっていたはずだ。前作を超える成果が出ることは間違いないだろう。原作である漫画もそろそろ最終話。『銀魂3』の実現、そして高杉が暴れる「烙陽決戦篇」、「銀ノ魂篇」の実写化で“高杉剛”をじっくり堪能できることに期待を込めたい。

(文=高橋梓)

■公開情報
『銀魂2 掟は破るためにこそある』
全国公開中
出演:小栗旬、菅田将暉、橋本環奈、柳楽優弥、三浦春馬、窪田正孝、吉沢亮、勝地涼、夏菜、戸塚純貴、長澤まさみ、岡田将生、ムロツヨシ、キムラ緑子、佐藤二朗、堤真一、中村勘九郎、堂本剛
原作:『銀魂』空知英秋(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)
脚本・監督:福田雄一
音楽:瀬川英史
主題歌:back number「大不正解」(ユニバーサル シグマ)
製作:映画「銀魂2」製作委員会
制作プロダクション:プラスディー
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)空知英秋/集英社 (c)2018 映画「銀魂2」製作委員会
公式サイト:gintama-film.com
公式Twitter:@gintama_film
公式インスタグラム:@gintamafilm

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