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「老人ハイスクールDX」開幕、菅原直樹「人生と舞台って深いつながりがある」

ナタリー

19/9/28(土) 10:06

老いのプレーパーク 発表公演「老人ハイスクールDX」ゲネプロの様子。(撮影:松原豊)

老いのプレーパーク 発表公演「老人ハイスクールDX」が本日9月28日に開幕。それに先がけて昨日27日にゲネプロが行われた。

OiBokkeShi×三重県文化会館「介護を楽しむ」「明るく老いる」アートプロジェクトは、俳優・介護福祉士で「老いと演劇」OiBokkeShi主宰の菅原直樹と、三重・三重県文化会館により2017年にスタートした3年にわたる企画。その柱の1つが、公募メンバーによって2018年に結成された“老いのプレーパーク”だ。今回はその老いのプレーパークの発表公演として、2015年のOiBokkeShiにて初演、2018年12月に老いのプレーパークでも上演された「老人ハイスクール」の“完全版”である「老人ハイスクールDX」が上演される。

前日の通し稽古に比べると、衣装やメイクも“本番仕様”となった出演者たちは、開演と同時に生き生きと役を演じ始めた。通し稽古のときは、まだ時折ふっと役が抜けて、素の状態が見え隠れしていた面々も、物語の一員として舞台の熱を上げていく。また通し稽古ではさらっと聞こえたセリフが、ゲネプロでは深く染み入る言葉として響き、そのためか、セリフを言いながら涙が止まらなくなる人や、それまでより細やかな仕草でシーンを膨らませる人が続出し、作品の密度がぐっと高まった。その熱に当てられたのか、アドリブが“効きすぎ”なシーンもあり、楽しそうに演じる出演者たちの様子を、菅原は笑顔で、ときに笑いで体を震わせながら見守っていた。

ゲネプロ終了後、出演者の今井亜子と井早照彦、そして菅原に話を聞いた。今井は「今年は昨年に比べると、より細かい演技指導がありました。それを受けて、私たちはそれぞれに役を消化してきたと思います」と話す。「シナリオ通りに演じるのはなかなか難しい。セリフもなかなか頭に入ってこなくてね」と井早が苦笑いすると、「でも小屋入りしてから、かなり(セリフが)入ってきたんじゃないですか」と菅原が続け、井早は「うん。だいぶノってきたんじゃないかな(笑)」とうなずいた。

今井と井早に、脚本・演出家としての菅原の印象について尋ねると、今井は「菅原さんは誰1人として否定しない。まず褒めてくださるので、こちらとしてもすごく気持ちよく、『こういうことをやってもいいんだ!』と思いながら演技できました」と言い、井早も「亜子さんが今言われた通り、菅原さんが先生だったらすごくいい先生。“褒めてやらせる”っていうのがすごくうまいですね」と続けた。

初日に向けて今井は「ゲネプロを観ていて、皆さん、役が自分のものになっているなって。覚えたセリフをただ言うのではない、セリフから中身が出てきたからこそ、演じながら涙を流している人もいたのだと思いますし、その姿を見てこちらのセリフも変わってくる。初日が楽しみです」と語り、笑顔を見せる。井早は劇中のセリフに自分の家族のことを重ね合わせていると言い、「ああいうときはそう言ってあげたほうがよかったのかな、と思いながら毎回演じています」と話す。菅原は「ゲネプロで完成しましたね」と笑顔を見せつつ、「この公演は“老いのプレーパーク 発表公演”となってますけど、発表公演じゃない、れっきとした公演だと思います。やっぱり人生と舞台って深いつながりがあると言うか、皆さんそれだけ長く生きてきたので、すでにベテラン俳優なんですよ」と語った。

老いのプレーパーク 発表公演「老人ハイスクールDX」は明日9月29日まで、三重・三重県文化会館 小ホールにて。なお各回の終演後に菅原のトークが行われるほか、会場ロビーでは、両日13:00より老いや介護に関する展示やイベントが開催される。

老いのプレーパーク 発表公演「老人ハイスクールDX」

2019年9月28日(土)・29日(日)
三重県 三重県文化会館 小ホール

作・演出:菅原直樹
メンバー:池田由美、伊野廣美、井早照彦、今井亜子、近江容子、柄山加代子、木曽原友美、倉田美智子、くるぶし、佐脇柚、鈴木夢眠、高山鎮、辻屋康子、TSUぶ☆あん子、中尾法子、鳴海美穂子、柊木繁雄、前川香代子、丸井典子、水谷祐哉、水野慶子、宮木きみゑ、宮村紘実

※高山鎮の「高」ははしごだかが正式表記。

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