【問題】
ある日、突然、世界中で停電が起こります。そのとき、あなたはたまたま自転車事故で意識を失っていました。目覚めると世界から、とても大切なある映画のジャンルが忘れられていました。あなたにとっては絶対に忘れて欲しくない映画です。さて、それは何ですか?
この心理テストで分かること。それはズバリ、アナタの“ルーツ”と、アナタの中にずっと潜んでいる“少年少女の心”です。
A:音楽映画を選んだアナタは
音楽が心の支えの個性派
音楽に救われ、音楽からヤル気を貰ってきたアナタ。思ったことをすぐ口にするというよりは、相手に対しての発言はよっぽどのことがない限りしないという思いやり溢れる人です。自分の思いを代弁してくれる音楽は心の支え。
こだわり屋なので、ときどき、頑固と言われてしまうことも。でもそれが個性であり、アナタが趣味を存分に楽しめる秘訣なのです。
“変わってる”という言葉が意外と好き。人と違うことを好むのが特徴。そんなアナタには、ビートルズが世界から消えたらどうなるかを考える音楽映画『イエスタデイ』がオススメ。意外な展開に涙するはず!
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B:ミュージカル映画を選んだアナタは
感覚派のロマンチスト
心踊ることが大好きなアナタ。感情表現が豊かで、感情を大事にして、心の声に耳を傾けながら人と語らうので、頭脳派というより感覚派。映画の好みもファンタジー要素の強いものを好むロマンチストです。
順応性も高いので、突飛なことが起こっても、しばらくすると身を委ねることができる素直な人です。ドラマチックな出会いに弱いので、“運命”という言葉を使われるとその気になってしまうので要注意。
そんなアナタには、心にムーブメントを起こすインド映画『ガリーボーイ』オススメ。ラップミュージックを知った青年の感動する姿に一喜一憂。
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C:黒澤明映画を選んだアナタは
礼儀を重んじる人情派
古き良きものを大事にし、礼儀を重んじるアナタ。目上の人へのリスペクトも忘れないので、かわいがられる年上キラーでもあります。自分のルーツである日本全体にも興味を持っていて、世界から見た日本というワールドワイドな物の見方をする人です。
映画や本をとおして、歴史に残る偉人たちから学んだことも多く、物知りなのも特徴。人と人との繋がりも大切にし、“忠義”な振る舞いをする人情派です。
そんなアナタには、実話の映画化『エンテベ空港の7日間』がオススメ。ハイジャック事件が題材で、人質側と加害者の感情をしっかりと捉えたヒューマンドラマ。
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D:ジャパニメーションを選んだアナタは
独創的で好奇心旺盛な凝り性
客観的に自分や世界を見ることができる独創的なアナタ。仕事とプライベートは、ハッキリ区切りをつけたいタイプで、自分ひとりの時間を大切にしています。
目に見えない世界への憧れだったり、自分の知らない世界への好奇心が強く、何かに没入するのも得意。まさに一旦、凝り始めると止まらなくなる凝り性であり、想像力にも長けています。
人があまり知らない“知識”を持っているのもアナタの長所。そんなアナタには、次世代のクリエイターとして注目されている長井龍雪監督のアニメ『空の青さを知る人よ』がオススメ。ラブストーリーに酔いしれて。
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E:SF映画を選んだアナタは
正義感が強く情熱的なヒーロー
正義感が強く、情熱的なアナタ。世界平和を願うヒーロー分子が体内に組み込まれている人であり、大人になっても無邪気さを失っていない大人子供です。疑問に思ったことは口にし、ディスカッションすることを好む、人類愛に満ちた人。
そんなアナタを慕う人も多く、特に年下から好かれるので、責任を負うポジションに立たされることも。自分の“使命”とは何か?を問いながら生きるアナタこそヒーローです。
そんなアナタには、自分のクローンに命を狙われ、運命が翻弄されるSF大作『ジェミニマン』がオススメ。体内に溜まったアドレナリンをどんどん放出!
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伊藤さとりの今月のオススメ心理映画
恋か仕事か。『イエスタデイ』から見えてくる本当の幸せの形とは?
人間の心理を題材にした夢見る人への応援歌
あの名曲が世界から消えたら? あのビートルズが世界から消えたら?
人によっては一大事で、人によっては何の打撃もないこのお題ですが、この映画が面白いのは、じゃあひとりだけビートルズを覚えていて、しかも彼がミュージシャンを目指していたとしたらどうなると思う?という人間の心理に迫るテーマが描かれているからなのですよね。
世界中の人を魅了したビートルズの数々の名曲を弾き語りしたら、メジャーデビューの道が開けちゃうんだから、それはそれはやめられない甘い誘惑なわけです。
利用できるものは何でも利用し、のし上がっていく、したたかさも時には大事なスターへの道。
そんな芸能界あるあるを思いついたダニー・ボイル監督の遊び心溢れる映像マジックと人間の心理ドラマに、心の弱さと愛情深さが人という生き物の魅力なんだと実感したり。
とにかく、チャーミングな映画でありました。
恋愛パートに見る恋と仕事の両立とは?
さて、この映画のもうひとつ注目すべき点は、恋愛パートにあります。
メジャーデビューを夢見る主人公ジャックをずっと支えているマネージャーというのは、彼の幼なじみであるエリーなんです。
チャーミングなルックスのエリーは、ジャックの理解者であり、ジャックの一番のファンという最高のパートナー。このふたりつき合ってるんじゃないの?と思いきや、ジャックは"仕事仲間には手を出さない"というポリシーの持ち主でした。
よくありますよね、この手の話題。"仕事仲間とは恋に落ちない"というルール。
恋愛においてこんなルールをなぜ作るのか?
それは仕事と恋は別物という考えからなのでしょうが、その裏には、恋が仕事の邪魔をするという当人の思い込みがあるからなんですよね。「もしフラれたら、今後、仕事がしづらくなる」という恐れも生じて生まれたルールなんでしょうが、果たしてそれだけでしょうか?
仕事とプライベートは分けたい、という人の特徴のひとつに、“失敗はできない”という生真面目さがあります。自分に厳しい人で、ストイックな性格だから、「仕事が成功するまで恋なんてしていられない」と言いそうなのもこのタイプ。
裏を返すと、仕事=アイデンティティの考えを持っているから、仕事での失敗は、自分自身にとっては相当の打撃に繋がってしまうんです。
この考えを持つ仕事絡みの人を好きになってしまったら、その考えを切り崩すのは至難の技。
決めつけを外すことで夢は叶う
ただし、このタイプは、間違いなく仕事熱心であり、真面目な人なので、恋に落ちれば、あなたを大切にしてくれるはず。ジャックとエリーの関係がどう進展していくのかは、映画を観てのお楽しみということで。
でも本来、仕事を成功へと導く人は、人とのコミュニケーションも上手であり、フラれたって、人間関係の構築を図ろうとする人。仮に仕事が忙しくても、本当に自分としっくりくる相手が目の前にいるなら、つき合う中で、人間関係で学ぶべきことや、人として成長することができるんですが。
何事にも"決めつけを外すこと"が、柔軟な脳みそを育てる第一歩であり、結果、人の言葉を聞き入れ、“まずは、やってみること”で自分の可能性を伸ばす、と心理学でも言われております。
だけど本当に大切なものは何なのでしょうね?
仕事ひと筋もそれはそれでありかもしれませんが、仕事のために恋愛は妥協するとなったら、それはお互いにとって幸せな時間を構築できる相手なのでしょうか? 何かを犠牲にして得る幸せとは何なのでしょうか?
ダニー・ボイル監督は、そんな問いに対しても、彼なりの答えを映画をとおして提示していましたよ。
(C)Universal Pictures .
プロフィール
伊藤さとり(いとう・さとり)
邦画&洋画の記者会見や舞台挨拶を週5回は担当する映画MCであり、年間500本以上は映画を見る映画コメンテーター。TSUTAYA店内放送「WAVE-C3」で新作DVD紹介のDJ、ケーブルテレビ無料放送チャンネル×ぴあ映画生活×Youtube:動画番組(俳優と対談)「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、雑誌「シネマスクエア」コラムや、デイリースポーツでスターの魅力コラム連載、スターチャンネルで映画紹介他、TV、ラジオ、雑誌、WEBなどで映画紹介のレギュラーを持つ。心理カウンセリングも学んだことから映画で恋愛心理分析や心理テストも作成。