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HiHi Jets&美 少年の『少年たち』開幕、伝統の“桶ダンス”に並ぶパフォーマンス誕生?

ぴあ

『少年たち 君にこの歌を』初日前会見より HiHi Jets(左)、美 少年(右)

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HiHi Jetsと美 少年が主演を務める『少年たち 君にこの歌を』が、9月5日に開幕。前日に行われたゲネプロと初日前会見の様子をレポートする。

1969年の初演以降、上演のたびに進化を遂げてきた『少年たち』シリーズは、少年刑務所の入所者らによる友情が描かれるエンタテインメント作品。2010年に復活してからKis-My-Ft2、A.B.C-Z、ジャニーズWEST、SixTONES、Snow ManのメンバーらがジャニーズJr.時代に出演していたことから“若手の登竜門”的な演目として位置づけられ、2019年には故・ジャニー喜多川が製作総指揮を務めた映画も公開された。シリーズ史上初めて東京・新橋演舞場で上演される今回はEternal Producerとしてジャニー氏、そして演出に滝沢秀明がクレジットされた。

オープニングを飾ったのは、新曲の「Over Again」。さまざまな事情を抱えて罪を犯し、青(HiHi Jets)と赤(美 少年)の2つの房に収監されていた“少年たち”は作業着をまとい、激しいロックチューンに乗せたダンスで客席を圧倒する。鬱屈した想いに身を任せるように、互いの房をライバル視しては日夜ケンカに明け暮れる彼ら。入所の顛末や犯罪に手を染めたことへの罪悪感、脱獄を決意するまでの経緯はグループの垣根を超えた説得力ある演技で展開された。

ゲネプロ後に実施された初日前会見には、HiHi Jetsの高橋優斗、井上瑞稀、橋本涼、猪狩蒼弥、作間龍斗、美 少年の岩崎大昇、佐藤龍我、那須雄登、浮所飛貴、藤井直樹、金指一世の11人が参加。代表して高橋が「全員で2部のショータイムまで通したのは初めてでしたが、ワクワクしました」「早くみなさんにお届けしたい」とゲネプロを終えた手応えを口にした。新橋演舞場での主演に、井上も「これまで『滝沢歌舞伎』出演で立っていましたが、座長として劇場入りすると責任感も変わりますし、身が引き締まりますね」と背筋を伸ばす。

これまで『少年たち』を経験したジャニーズ事務所の先輩グループは、CDデビューを果たしていることが多い。「非常に縁起のいい作品ですよね」とリポーターから水を向けられると、岩﨑は「劇場入りして『いよいよデビュー決まりだな』って」と満面の笑みで悪ノリ。隣の浮所がすかさず「まだ決まってませんから!」と訂正を入れると、その後も「気持ち先走りすぎ」「(本作が)成功してから言ってくれる?」「コイツ(岩﨑)だけ!」と10人から次々に総ツッコミが入った。

製作発表から話題だったのが、キャストの肉体美をアピールする『少年たち』名物の“桶ダンス”。入所者たちの集団入浴シーンで、桶ひとつで局部を隠しながら舞い踊る伝統パフォーマンスだ。かつてこれに臨んだA.B.C-Zの河合郁人から「ジャニーさんの強いこだわりで生まれた」と誕生の経緯を聞いた高橋は「世代を超えて受け継がれているのは嬉しい」「僕たちも全力で取り組んで後輩にやらせたい」と伝統の担い手を自負した。

ミラーボールが回る薄灯の中で行われた桶ダンスを指して、リポーターから「(局部を)隠し切れていませんでしたよ?」と指摘された猪狩は慌てつつ、しまいには「ポロリもあるよ!」と冗談めかす。高橋は「お前これでニュースの見出しが『ポロリあるよ』だったら最悪だわ!」と冷静に叱り、場内の爆笑をさらった。

今回の新たな見どころとして挙がったのが、後半30分のSHOW TIMEで繰り広げられる「Crash Beat」だ。各キャストが打ち鳴らす太鼓を目がけて、ステージ上から一筋の水が降り注ぐ趣向のパフォーマンスは演出を手がける滝沢の“肝入り”らしく、高橋は「これができなきゃ芝居させない、と滝沢さんが……」と苦笑いしながら証言。「ジャニーさんでいう桶ダンスの位置づけかもしれないね」という言葉に、新たな伝統誕生を予感させた。

上演時間は約120分(休憩なし)。公演は9月27日(月)まで。

取材・文:岡山朋代

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