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チャットモンチーはガールズロックをどう変えた? デビュー時から新体制への音楽的変化を辿る

リアルサウンド

14/8/11(月) 19:30

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 チャットモンチーが8月9日に行われた『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014』のライブにて、恒岡章(Dr. / Hi-STANDARD、CUBISMO GRAFICO FIVE)、下村亮介(Key.& Gt. / the chef cooks me)をサポートに迎えた4人編成で活動再開することを発表した。

 『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014』では、オーディエンスの大歓声の中、橋本絵莉子、福岡晃子、サポートメンバーが登場して「ハテナ」を披露。続いて「シャングリラ」「風吹けば恋」と立て続けに代表曲を演奏した。(参考:チャットモンチー、恒岡章と下村亮介を迎えた新体制で再始動 10月には約2年ぶりのリリースも

 チャットモンチーは2011年、ドラムの高橋久美子が脱退して3人体制から2人体制になり、橋本絵莉子と福岡晃子が曲ごとにパートチェンジするという独自のスタイルで活動してきた。今回、サポートを加えた4人体制となったことで、その音楽性はどのように変化していくのだろうか。音楽ライターの柴那典氏は、これまでのチャットモンチーの活動を振り返り、次のように語る。

「チャットモンチーの3人時代は、“シンプルなギターロックの中でどこまでアイディア勝負ができるのか”という点に注力しており、ギターフレーズとメロディの絡み合いやアンサンブルでそれを表現していました。彼女たちの代表曲である『シャングリラ』は、変拍子を入れながらもキャッチーな楽曲に仕上がっており、2000年代を代表するガールズバンドとしての地位を確かなものにした1曲です。この時期の盛り上がりを特に象徴するのは、ガールズバンドとしてはプリンセスプリンセス以来、およそ10年ぶりに行われたという武道館2daysではないでしょうか。以前はガールズバンドといえば、プリンセスプリンセスやZONEなどが挙げられてきましたが、彼女たちはそのイメージに捉えられないような楽曲や振る舞いで活躍し、世間的なガールズバンドのイメージを変えたといえます」

 高橋久美子の脱退も、チャットモンチーというバンドを見つめ直すにはいい機会だったと、同氏は指摘する。

「バンドはキャリアを重ねてくると、長く続けていくため、自分たちのアイデンティティと向き合うときが来ると言います。チャットモンチーの場合は、3人から2人になった時に『2人で音楽をやること』そのものがアイデンティティであることを見つけ、2012年にはアルバム『変身』をリリースします。同作は『たとえ何人になってもチャットモンチーは自分たちらしさを失わない』と言わんばかりのアイディアに満ち溢れたもので、これを2人で作ることができたのは大きな自信に繋がったのではないでしょうか」

 同氏はまた、この2人体制の時代に出したシングル『きらきらひかれ』がバンドにとって大きな転換点であり、現体制への布石となっているという。

「『きらきらひかれ』はASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文がプロデュースを務めた楽曲であり、2011年以降セルフプロデュースでリリースを続けた彼女たちにとって、他者のクリエイティビティを受け入れてどう変わるかを実証した一つの作品でした。また、今回サポートとして加入した下村は後藤の運営するレーベル『only in dreams』からアルバム『回転体』をリリースしており、恒岡章は磯部正文BANDのドラマーとして、アジカン主催のフェス『NANO-MUGEN FES.』に出演しています。今回の加入劇の背景には、後藤の影響があったのかもしれませんね。また、下村は様々なバンドのサポートを多く務めるほか、自身が所属するthe chef cooks meもフレキシブルに編成が変わるバンドなため、チャットモンチーにもすぐに馴染むことができるでしょう。恒岡は、橋本絵莉子がMCで『最初にコピーしたバンド』と語っていたHi-STANDARDのメンバーであり、現在もCUBISMO GRAFICO FIVEやCurly Giraffeなどのサポートで活躍しています。その演奏力の高さで彼女たちをしっかりと支えていくはずです」

 さらに、現在公式サイトで視聴可能となっている新曲「こころとあたま」「いたちごっこ」の2曲は、チャットモンチーの“これまでとこれから”を象徴していると、同氏は続ける。

「『こころとあたま』は、疾走感のある楽曲で『きらきらひかれ』と共通したものを感じます。下村のキーボードも楽曲全面にわたってフィーチャーされており、『変身』の制作時に掴んだものが反映されている印象です。また、『いたちごっこ』は“これからも二人でやっていく”という意思が込められた楽曲で、橋本絵莉子と福岡晃子の掛け合いはどこか初期のころを思い出させます。この2曲を聴いて、チャットモンチーがこれまで以上に、アイディアに満ちたガールズロックの文化を作ってくれると確信しました」

 チャットモンチーに憧れて楽器を手にした女性たちが、徐々にシーンを賑わし始めており、その影響力の大きさを実感させられる昨今。新体制での活動再開により、さらにスケールを増したバンドへと成長していきそうだ。

(文=編集部)

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