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豪州代表主将とNZ代表前主将が強力タッグ、トヨタ悲願のトップリーグ初優勝へ

ぴあ

21/2/17(水) 18:00

キアラン・リード(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)

ターゲットは22年ぶりの日本一だ。トヨタ自動車ヴェルブリッツが栄冠に輝いたのは1998年度までさかのぼらなければならない。前身の『全国社会人ラグビーフットボール大会』の時である。

2004年度にスタートした『ジャパンラグビー トップリーグ』では2007年度の3位が最高位。4位はじつに6回を数える。『トップリーグカップ2018-2019』こそ優勝したものの、この大会は日本代表を除いたメンバーで行われた短期集中のカップ戦であった。

トヨタ自動車はサントリーサンゴリアスやパナソニック ワイルドナイツ、東芝ブレイブルーパス、神戸製鋼コベルコスティーラーズまたはヤマハ発動機ジュビロなどとともに4強の一角に挙げられることはあったが、あくまで4番手。社会人ラグビー時代の強豪は『トップリーグ』では4強の壁を突破できずにいた。

(写真左より)サイモン・クロンヘッドコーチ(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)、スティーブ・ハンセンディレクター・オブ・ラグビー(同)

タイトルが遠いトヨタ自動車だが18年目、最後の『トップリーグ』で目指すのは悲願の初優勝である。2月15日にサイモン・クロンヘッドコーチ(HC)、スクラムハーフ(SH)茂野海人とナンバーエイト(NO8)キアラン・リードの共同キャプテンが会見を実施。指揮官と共同主将は今週末に迫った東芝との開幕戦へ向けて、意気込みを語った。

「自分たちのラグビーをより良くすることにフォーカスしてきた。(開幕戦の相手は)サントリー(サンゴリアス)から東芝(ブレイブルーパス)へ相手は変わったが、トヨタのラグビーをすることが大事。とにかくゲインラインを切っていくこと。これは戦争だ。いろんなアイデアを練って開幕戦に臨みたい」(クロンHC)

「目の前のことをやるのが大事。まずは東芝戦での1勝。全員が同じ方向を見て、同じ絵を描いて勝利へ向かっていきたい。そこで勝てば次につながる」(茂野主将)

「『トップリーグ』は競争が激しい。シーズンが短く負けられない、キーモーメントの試合もある。フォーカスすべきは勝つこと、今の仕事に集中すること。今週末の試合に勝つ、すべてはトヨタ自動車ヴェルブリッツのためだ」(リード主将)

茂野海人(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)

さらに3人は『トップリーグ』初制覇への思いを口にした。

「2位になるために『トップリーグ』にいるわけではない。私たちの仕事は勝つこと。最初の7節からノックアウト方式のトーナメントまで1試合1試合成長していくことが大事。自分たちの武器をより磨くとともに、ラグビーをしながら修正点は必ず直していかなければならない。フィールドに立ち、毎分毎秒成長していくことが重要だ」(クロンHC)

「チームは去年より良くなっていると言うより、昨季から詳細を詰めて肉付けしていっている。個人としては常にベストを尽くしたい。見ていて楽しい、元気を与えるようなプレーを見せたい」(茂野主将)

「チームをサポートし、優勝に導いていきたい。そのためにたくさんのチャレンジがあるが、優勝を目指していきたい。自分としてもチームに対してたくさんのインパクトを与えたい」(リード主将)

ウィリー・ルルー(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)

日本代表のSHは、初優勝のキーマンに南アフリカ代表61キャップを誇るフルバック(FB)ウィリー・ルルーを挙げた。
「キープレーヤーのひとりは、ウィリー・ルルー選手かなと思う。ただ、ウィリーひとりが活躍してもチームプレーにはならない。ウィリーのやりたいことやチームのやりたいことを理解して、全員が1枚の絵を見ていくことが大事」

クロンHCも茂野のコメントに同意する。
「相乗効果が大事。ウィリーひとりががんばっても意味がない。ウィリーがいることによって周りのプレーが良くならないといけない。ウィリーはパス・キック・ラン、すべてでレベルが高い。プレーの幅は間違いなく広がる。スタンドオフ(SO)ライオネル・クロニエ、センター(CTB)ロブ・トンプソンらをうまく使うことがかなり大事になってくる」

マイケル・フーバー(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)

また今季、トヨタ自動車にはオーストラリア代表103キャップを数える超大物フランカー(FL)マイケル・フーパーが新加入した。豪州代表主将のフーパーとニュージーランド代表主将として幾度となく対峙してきたリードは次のようにコメントした。

「一緒のチームでやるとは本当に不思議な感じ。今まで敵だったので、みんなにいじられている。彼はプロフェッショナル。トヨタの価値を高めている。ひとつ残念なのはこのコロナ禍で彼と食事や飲みに行けないこと」

そのフーパーは2月16日に入団会見を行い、まずは入団の経緯を説明した。

「移籍するチャンスがある中、トヨタが一番最初にコンタクトしてきたくれた。元々サイモン・クロンとの関係があった中(スーパーラグビー・ワラターズでアシスタントコーチとキャプテンの間柄)、敵ながらよく知っている(元NZ代表HC)スティーブ・ハンセン(ディレクター・オブ・ラグビー)やキアラン・リードがいて、茂野、姫野(和樹)が作ろうとしているチーム、環境がグッドよりもグレイトだと感じ、一緒にやろうと思った」

姫野はスーパーラグビー・ハイランダーズへ移籍し、残念ながらともにプレーすることは叶わないが、リードとのコンビを楽しみにしている。 「一緒にプレーできるのを非常に楽しみにしているし、彼から学ぶことはたくさんある。彼はいいプレーヤーだし、数々の成功を収めて来たチームの一員だった。リードとの時間を楽しみにしていきたい」

リーチマイケル(東芝ブレイブルーパス)

フーパーは開幕戦の相手・東芝にも言及した。

「タフなゲームになる。どのチームにもいい外国人、いい日本人がいる。どのようにすれば80分間通していいプレーができるかチャレンジになる。リーチ(マイケル)については個人的にはよく知らないが、いいプレーヤーなのは知っている。リードとは何度も対戦し、たくさんの負けを経験しているが、今回は同じチームでプレーするのを楽しみにしている」

日本のファンにどんなプレーを見せたいか問われたフーパーは、こう答えた。

「FLはあらゆるプレーが求められる。特定のプレーには限られていない。ディフェンスならタックル、ジャッカル、アタックならアシストやBKとのリンクプレー、スペースへ走り込んだり、フィジカルのところではピック&ゴーのバトルもある。ゲームの中でボールプレーヤーになりたいし、将来的にはキックもうまくなりたい。フォーカスを絞るのではなく、なんでもやってトヨタに貢献したい」

マイケル・フーバー(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)

フーパーは開幕が待ちきれないと語る。

「勝つことがプランであるのはほかのチームと一緒。いかに大会を通じて成長するかが大事。今週開幕することを非常に楽しみ、エキサイティングなプレーを見せたい」

『ジャパンラグビー トップリーグ2021』開幕戦・東芝戦は2月20日(土)・パロマ瑞穂ラグビー場にてキックオフ。チケットは予定枚数終了。2月28日(日)・ユアテックスタジアム仙台での第2節・NTTコミュニケーションズシャイニング戦のチケットは2月20日(土)午前10時より一般発売。3月6日(土)・パロ瑞穂での第3節・Honda HEAT戦のチケットは2 月21(日)午前10時~22日(月)午後11時59分まで先行抽選プレリザーブ、2月27日(土)午前10時より一般発売。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

チケット情報
https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=11027035

トップリーグ特設ページ
https://t.pia.jp/pia/events/rugby-topleague/

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