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三浦春馬が語る、『TWO WEEKS』主演を後押しした『キンキーブーツ』での経験

リアルサウンド

19/9/3(火) 10:00

 三浦春馬が主演を務めているドラマ『TWO WEEKS』(カンテレ・フジテレビ系)。彼が演じる主人公は、殺人の濡れ衣を着せられた男・結城大地。存在すら知らなかった自分の娘が白血病で、さらには自分がドナーとして適合したと告げられた彼が、娘の命を救うために手術が行われるまでの2週間、逃亡劇を繰り広げるタイムリミットサスペンスだ。

 先ごろ放送された第7話では、結城が自分の無実を証明するために必要だったデジタルカメラを手に入れたものの、そこには結城を陥れた柴崎(高嶋政伸)と、結城の無実を確信した検事・月島楓(芳根京子)を娘のようにかわいがっていた国会議員・久我早穂子(黒木瞳)の姿が……。

 ドラマ放送前のコメントで「徐々に芽生える娘への父性愛や、結城が抱える過去への後悔や痛みを演じていくことが今回の大きな挑戦」と語っていた三浦。ここまでの撮影を終えて改めて感じた思いや共演者とのエピソード、そして自身が主題歌を歌うことについても語ってくれた。

【写真】取材中に微笑む三浦春馬

■「来泉に会えるからがんばらないと」

ーーここまで結城大地を演じてこられて、最初の印象と変わったところはありますか?

三浦春馬(以下、三浦):先にオリジナル(韓国ドラマ)を観させていただいていたので、そんなに印象が大きく変わることはなかったです。

ーーでは、結城をどういう男だと捉えていましたか?

三浦:人生をあきらめて退廃的に生きていた男。でも、その根底には優しさがあるんですよね。これまでのいろいろ(母親との別れや8年前の事件)があって、彼は人を信じられなくなっていたけれども、娘のはな(稲垣来泉)との出会いによって変わっていく。役の印象に変化はありませんでしたが、演じていくうちに自分の中にこんなにも父性が目覚めるものなのかと。そこに関しての驚きはありました。

ーーそれは結城の心の変化と通じるところがありますね。

三浦:疑似の親子関係ではありますけど、来泉を目の前にすると、すごく心が穏やかになるし、プライベートの部分でも明日は来泉に会えるからがんばらないといけないなと思えるんです。責任感みたいなものが自然と生まれてきて、支えられている感じはありますね。

ーーInstagramに上げられている来泉ちゃんとの動画も癒し効果バツグンです(笑)。

三浦:彼女も僕のことを受け入れてくれているので、それはうれしいですね(笑)。とても子供らしい子で、こちらも気を使わずに過ごせているので、とても助かっています。

ーーひとりの女優さんとしてはいかがですか?

三浦:自分が8歳のときに、あんな芝居ができていたかなと考えると、きっとできていなかっただろうなと。とても演技が自然だし、愛嬌もあるので、すばらしい女優さんだと思います。

■「『キンキーブーツ』の存在はとても大きかった」

ーー結城は逃亡者ということで、走る(逃げる)シーンが多くて大変だと思います。しかも、この夏の酷暑の中での撮影は、相当体力を消耗するのではないでしょうか?

三浦:たしかに大変です。でも、このドラマに入る前に『キンキーブーツ』という舞台をやっていて、そこで体を動かしていたのがよかったなと。舞台のおかげで体力もついていましたし、ベストの状態で『TWO WEEKS』の撮影に臨めたと思います。

ーー家に帰ってからのリラックス方法はありますか?

三浦:僕、あまり家にいないんですよね。空き時間にはジムに行ったり、自分のやりたいことをやっているのと、この先に必要になるであろう殺陣の練習に通ったりしているので。でも、そういう意味で息抜きとして挙げるなら、ドラマの共演者さんと食事に行くことですかね。

ーー例えばどなたと?

三浦:(結城を追いつめる刑事・有馬役の)三浦貴大くん、芳根京子ちゃん、(結城の元恋人・すみれ役の)比嘉愛未さん。あと、この前20歳になった(刑事・乾役)の鈴木仁くんとも行きました。本当は高嶋政伸さんともご一緒したいんですけど、それはまだ実現してないんですよね。

ーーみなさん初共演だと思いますが、それぞれの印象を教えてください。まずは、今後、結城にとって大きな力になっていきそうな楓役の芳根さんから。

三浦:京子ちゃんは、とても実直な女優さんだと思います。第2話(過去に因縁のある柴崎に食って掛かろうとするシーン)を観たときに、爆発力のある芝居がとても上手な女優さんだなと改めて思いました。と同時に、検事として凛としたクールな雰囲気がよく出ているので、ご本人がそれをしっかり考えて現場でチャレンジされているんだなと思います。

ーー元恋人ではなの母親、今では結城の協力者となっているすみれを演じられている比嘉さんはいかがでしょうか?

三浦:最初とは関係が変わってきて、結城にとってすみれは大きな存在となってきています。協力者というだけでなく、ふたりの絆が修復されていく場面も多く出てくるので、比嘉さんとはそこを楽しみながら演じさせてもらっています。比嘉さん自身は、とても“陽”な方なので、僕たち役者を含めスタッフさんも、いい風をもらえているというか。すごく正義感が強い方だと思いますし、とても頼りになる女優さんのひとりだと思います。

ーーでは、結城にとっては宿敵となる柴崎役の高嶋さんの印象は? ドラマを拝見すると、とても憎々しいヒール役を嬉々として演じてらっしゃるように感じました。

三浦:本当に楽しんでこの役を引き受けてくださったんだなというのが、現場でも伝わってきます。それでいて撮影の合間にお話ししていると、高嶋さんなりに考えられている役の観点や役者としてのメソッドがとても面白くて。僕が主題歌を歌うことに関しても興味を持ってくださったらしく、歌詞のつけ方に関してもお話させていただいて、高嶋さんの独創的なアイデアや考え方はとても興味深く、勉強させていただきました。

ーーその主題歌「Fight for your heart」を、三浦さんご自身が歌われることでも話題を集めました。最初にその話を聞かれたときに驚きはなかったのでしょうか?

三浦:驚きというよりも、普段ドラマを観ない方々が、このサウンドや自分が主題歌を歌うというニュースをきっかけに、『TWO WEEKS』というドラマに興味を持ってくださるのであればうれしいなと思いました。あと、自分が『キンキーブーツ』などで培ってきたものを表現できるという意味では、おもしろいトライアルになるのではないかとも思いました。

ーー先ほど『キンキーブーツ』の舞台を経験したからこそ、ドラマの撮影も体力的に乗り越えられているというお話がありましたが、三浦さんの中で『キンキーブーツ』はとても大きな存在になっているんですね。

三浦:『キンキーブーツ』がなければ主題歌に挑戦したいと思える経験とスキルを得ることはなかったでしょうし、歌を歌うことの鍛錬もしてこなかったと思います。もちろん、これまでに参加させていただいた作品のすべてが自分の糧になっていますが、『キンキーブーツ』の存在はとても大きかったですね。

ーーでは最後に、結城は大切な人を守ることで生きる意味を見出していきますが、ご自身的に共感を得るところはありますか?

三浦:さすがに普通に生きていて、“この人のために生きる”とまで思うことはないですが、この人のためにがんばろうと思うことはあります。僕には昔からの友人で双子の兄弟がいるのですが、彼らにはとても助けられていますし、もし自分の働きが彼らの原動力になるのであれば、僕にできることであれば何でもすると思います。そういう存在がいてくれることはとてもありがたく、感謝しているので、結城が娘のはなのために何としても生きようとする気持ちには大いに共感できます。

(馬場英美)

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