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“女神の子は悪魔だった”熊川哲也が新作「カルミナ・ブラーナ」の構想語る

ナタリー

19/3/14(木) 21:00

熊川哲也

「Bunkamura30周年記念 フランチャイズ特別企画 K-BALLET COMPANY / 東京フィルハーモニー交響楽団 熊川版 新作『カルミナ・ブラーナ』世界初演」が、9月4・5日に東京・Bunkamura オーチャードホールで実施される。上演に向けて本日3月14日に記者懇談会が行われ、熊川哲也が出席した。

本作はカール・オルフのカンタータ(交声曲)「カルミナ・ブラーナ」をもとに、構成・演出・振付を熊川が手がける新作バレエ。本作には、いずれもBunkamura オーチャードホールとフランチャイズ契約を締結しているKバレエと東京フィルハーモニー交響楽団が出演し、指揮はアンドレア・バッティストーニが担当する。

熊川は会見場に姿を現すと「毎度どうもありがとうございます!」と朗らかに挨拶し、集まった記者たちを和ませる。「カルミナ・ブラーナ」について「素晴らしい楽曲。これを無視する芸術家はいないのではないか」と話す熊川は、同楽曲を用いてのバレエ創作について「いつかは着手するだろうと思っていた。昨今は振付に力を入れていましたし、Kバレエのオリジナル演目を残していくために見過ごしてはいけない作品」と語った。

今回の熊川版・バレエ「カルミナ・ブラーナ」では、“女神フォルトゥーナの子は悪魔であった”という発想のもとに物語が展開。熊川はストーリーのアイデアについて「斜に構えて生きているので(笑)、少しひねりを入れて物語を作りたかった」と述べ、「歌詞を読むと、よく見かけるようなエピソードが多かった。その歌詞を具現化しても偉大な音楽家には勝てない」と思いを明かす。また本作の構想を「1時間かからずにまとめた」と話す熊川は、「テーマを思い付いてからは興奮状態で……『第九』や『クレオパトラ』を作ったときもそうでしたが、頭の中で形ができて『成功だな』と思った」と自信をのぞかせた。

本公演にはオーケストラのほかにもコーラスが参加する。これに関連して記者から「人の声が入った楽曲に振りを付けるのは、楽器だけの曲に振り付ける際と感覚は違うのか」と尋ねられると「声も音楽なので、さほど変わらない」と回答。合唱団を含めたステージングについては「コーラスが舞台上を移動するのは大変かもしれませんが、作品の中に調和してもらえたらと。ときにコーラスが卵の殻になったり、ベルリンの壁になったり、そういうことができないかと想像しています」と演出プランを語った。

また熊川は、指揮のバッティストーニが過去に手がけた「カルミナ・ブラーナ」の演奏音源を聴いたと言い、「素晴らしい指揮者だと思う」と称賛。さらに「Kバレエには専属のオーケストラが付いているので、こういった機会でもなければ外部のアーティストとコラボできない。今回はいいチャンスだと思います」と期待を寄せた。

Kバレエは9月4・5日の「カルミナ・ブラーナ」ののち、9月27日から新作「マダム・バタフライ」世界初演を控える。熊川は「日本からオリジナル作品を発信することが、我々のプライドにつながっている」と言葉に力を込めつつ、タイトなスケジュールに言及して「今年1月と3月にはひさびさに舞台に立ちましたし、忙しい年」と苦笑いを漏らす。その後改めて「でも、頼れる右腕たちが育っています。渡辺レイは素晴らしいセンスを持っていますし、宮尾俊太郎は振付家、演出家として成長している。僕1人だけでなくチームで乗り切れたらと思っていますので、どうぞ皆さんいらしてください」とメッセージを送った。

熊川版「カルミナ・ブラーナ」では、悪魔と女神の間に生まれた子・アドルフを中心とした物語が繰り広げられる。母を失脚させたアドルフが人間の世に紛れ込むと、世界にはあらゆる悪が蔓延していき……。チケットの一般販売は3月31日にスタート。

Bunkamura30周年記念 フランチャイズ特別企画 K-BALLET COMPANY / 東京フィルハーモニー交響楽団 熊川版 新作「カルミナ・ブラーナ」世界初演

2019年9月4日(水)・5日(木)
東京都 Bunkamura オーチャードホール

構成・演出・振付:熊川哲也
音楽:カール・オルフ
衣装・美術デザイン:ジャン=マルク・ピュイッソン
出演:K-BALLET COMPANY
指揮:アンドレア・バッティストーニ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

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