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「ハウ・トゥー・サクシード」開幕に増田貴久「ジャニーズ歴を振り返りながら」

ナタリー

20/9/4(金) 18:23

ミュージカル「ハウ・トゥー・サクシード」取材会より。左から、春野寿美礼、林愛夏、松下優也、ブラザートム、増田貴久、雛形あきこ、笹本玲奈、鈴木壮麻、今井清隆。(撮影:田中亜紀)

NEWS・増田貴久主演のミュージカル「ハウ・トゥー・サクシード」が、本日9月4日に東京・東急シアターオーブで開幕。これに先駆けて同日、フォトコールと取材会が行われた。

1961年にブロードウェイで初演された「ハウ・トゥー・サクシード」は、翌62年のトニー賞で最優秀ミュージカル作品賞ほか7冠を獲得したコメディミュージカル。今回の上演では、2011年にダニエル・ラドクリフ主演でリバイバル上演された際のクリエイティブチームの1人であるクリス・ベイリーが演出・振付を担当する。

フォトコールでは、まず1幕の冒頭シーンが披露された。サクセスストーリーの始まりを予感させる陽気なオーバーチュアで幕が上がると、高層ビルのたくさんの窓を抽象化したような舞台美術が目に飛び込んでくる。増田扮する清掃員フィンチは、ビルの窓拭きのゴンドラに乗って登場。黄色の作業着を着たフィンチは「努力しないで出世する方法」という本を熱心に読み込み、出世を意識し始める。「入るべきは大企業」という本の教えに従い、ワールドワイド・ウィケット社に“アポなし”で忍び込んだフィンチは、そこで個性豊かな社員たちに出会い……。

増田は、何事もポジティブ思考で乗り切るフィンチの向上心を明るい笑顔の中にのぞかせ、最初のソロナンバー「努力しないで出世する方法」では、その高い歌唱力で観客を物語の世界に引き込む。作業着からグレーのスーツへの早替えも披露した増田は、フィンチがトントン拍子に出世街道を邁進するさまを小気味良いセリフ回しで体現していった。

笹本玲奈は、出会った瞬間からフィンチに惹かれ、彼との結婚までをも夢想してしまう秘書ローズマリーの胸の高鳴りを愛らしく表現。林愛夏は、そんなローズマリーの友人であるスミティを冷静な“ツッコミ役”としてコミカルに立ち上げた。

この場面では、今井清隆扮する威厳たっぷりな社長ビグリー、鈴木壮麻扮する人事部長ブラットら会社の上層部を演じるキャストも登場。社長の甥でありフィンチをライバル視するバド役の松下優也は、上から目線で高飛車な態度を取る彼の野心家な部分を細かな表情の変化を用いて巧みに演じた。

続いて公開された2幕終盤の場面では、増田が歌うソロ曲「世界は一つ」に乗せ、フィンチをはじめとする社員たちが全員でダンスを披露。増田は軽快なステップと豊かな身体表現で、ブラザートム扮する会長のウォンバーたちを巻き込み、堅苦しい印象だった社内を多幸感ある空間に作り替えていった。このシーンでは、社長秘書ミス・ジョーンズを演じる春野寿美礼のハイトーンな美声や、アンサンブル陣と増田がシンクロしたアクロバティックな振付にも注目したい。

フォトコール後の取材会には、増田ほかメインキャストが出席。今作で、初の海外ミュージカルに挑戦する増田は「長く愛されてきた作品なので、もちろんプレッシャーはありますが、小さい頃からミュージカルをやるのが夢だったのでうれしいです」と率直に心境を明かす。また2011年版の振付が踏襲された本作について「踊っているだけでワクワクして楽しくなっちゃうダンスで、振付にもパワーを感じます。実際、踊りながら歌ってみると疲れますけどね(笑)」とはにかんだ表情を浮かべた。

増田と初共演の笹本は、レポーターから増田の印象を聞かれると「フィンチそのものだと思います!」と即答。続けて笹本が「脚本の通りに淡々と出世していくだけだったら、“ちょっと嫌な男”で終わってしまいますが、増田さんのお人柄の良さや、人を引き込むカリスマ性が、フィンチという役を豊かにしている気がします。私自身もフィンチを見ていて心から応援したくなりますね」と話すと、増田は「ありがとうございます!」と深々とお辞儀し、記者たちを笑わせた。

フィンチのライバルであるバドを演じる松下は「増田くんは、どんなに大変な稽古でも涼しそうな顔でやられていて、すごいなと思います。バドとしてはどんどんフィンチの邪魔をしていかなといけないなと思いました」と増田に視線を送る。約4年ぶりの舞台出演で、ミュージカル初挑戦となる雛形は「増田さんはじめ、皆さんがとても優しくて、自由な空気を作ってくださるので、初めてのミュージカルがこのカンパニーでよかったなと思います」と感慨を述べた。

そんなカンパニーのチームワークについて、鈴木は「結束力は抜群です!」と言い、「増田さんが何事もポジティブに捉えてくださるので、その波及効果でみんなで『がんばろう!』と励まし合っています」とエピソードを明かす。続く春野は「メインキャストだけでなく、アンサンブルの方々も頼りになるメンバーなので、安心して身を委ねられます」と信頼を寄せた。

コロナ禍の稽古期間を振り返った林は「密なコミュニケーションを取りづらい中での稽古でしたが、皆さんと団結して、毎日がすごく充実していたので、その中にいられて幸せだなと思います」と笑顔。ブラザートムは「共演者の皆様のファンの方々がいらっしゃるおかげで、私はこうして出演させていただいているので、これこそまさに“努力しないで出世する方法”だなと思います(笑)」と発言し、会場を笑いで包んだ。

「稽古中もマスクをして踊っていたので、苦しくて……」と回想した今井は、「とにかく増田くんが明るくて、セリフも踊りもたくさんあるのにケロっとやっているので、すごいなと思います。彼に引っ張ってもらっています」と増田を絶賛する。これを受けた増田は「スタッフもキャストもマスクを付けて稽古していたので、通し稽古のときに急にマスクを外すと『ああ、そんな口してたのね!』みたいな気持ちになって(笑)。みんなが(感染予防に対する)意識を高く持って、たっぷりお稽古させてもらったので不安もなく本番に臨めます」と稽古の充実ぶりを語った。

コロナの影響で、今回来日できなかった演出・振付のクリス・ベイリーとは「リモートでやりとりしていた」と言う増田は「クリスさんから『君がジャニーズに入ったときから今に至るまで、いろんな階段を上ってきて、ステージに応じて周りの状況も変わったでしょ? 自分のステージが変わったときのことを思い出してフィンチを作っていったら?』とアドバイスを受けました。これまでは自分が経験してきたことに役を重ねるということを考えてこなかったのですが、今回は自分のジャニーズ歴、これまでやってきたことを振り返りながら役について考えています」と言葉に力を込める。

最後に増田は「世の中が大変な状況の中、大きなステージに立たせていただけることをうれしく思いますし、責任は重大です。少しでも多くの方を笑顔にできるようにがんばります!」と取材会を締めくくった。

本作の上演時間は、途中休憩15分を含む約2時間50分を予定。東京公演は9月20日まで行われ、大阪公演は10月3日から9日まで大阪・オリックス劇場にて。

ミュージカル「ハウ・トゥー・サクシード」

2020年9月4日(金)~20日(日)
東京都 東急シアターオーブ

2020年10月3日(土)~9日(金)
大阪府 オリックス劇場

原作:シェパード・ミード
脚本:エイブ・バローズ、ジャック・ウェインストック、ウィリー・ギルバート
作詞・作曲:フランク・レッサー
演出・振付:クリス・ベイリー
翻訳・訳詞:高橋亜子
音楽監督:荻野清子
演出補:荻田浩一

出演:増田貴久、笹本玲奈、松下優也、雛形あきこ、鈴木壮麻、林愛夏、ブラザートム / 春野寿美礼、今井清隆 / 三井聡、風間由次郎、木内健人、大村真佑、小原和彦、東間一貴、藤浦功一、MAOTO、松本和宜、りんたろう、咲良、田口恵那、堤梨菜、笘篠ひとみ、花岡麻里名、米島史子

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