高校生になって、映画通の友達が出来たんです。僕の映画にもその後出てもらったんですが、絵がむちゃくちゃ上手くて、顔が黒澤映画にも出ていた伊藤雄之助にそっくりで。彼は映画のことをよく知っていて、すごくいいアイディアを出してくれたりして、僕も結構影響を受けたと思います。その彼が黒澤映画のことを教えてくれたんです。映画をやっているんだったら黒澤明を観なきゃダメよって言われて、そこから銀座の並木座に行くようになります。並木座で黒澤映画やATG作品などをどんどん浴びるように観ていくんですね。その頃、ちょうどテアトル東京っていう巨大なシネラマの映画館があって、ビルぐらいでっかい画面で『七人の侍』が上映されて、映画の素晴らしさを堪能することになります。