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杉原邦生が思い語る、「僕にとっての演劇の原点でもある『更地』をいま、もう一度」

ナタリー

KUNIO10「更地」チラシビジュアル

KUNIO10「更地」のチラシビジュアルが公開。KUNIOの公式サイトには、演出・美術を手がける杉原邦生のコメントが掲載された。

「更地」は、杉原の大学時代の恩師である太田省吾の代表作の1つ。かつて自分たちの家があった場所へとやって来た夫婦の姿が描かれる。1992年に太田自身の演出により初演され、KUNIOでは2012年に初めて上演された。KUNIOにとって約9年ぶりの上演となる今回は、南沢奈央、「オレステスとピュラデス」で杉原とタッグを組んだ濱田龍臣が出演する。

上演に向け、杉原は公式サイトでコメントを発表。劇中で夫婦が屋根のない場所に立って頭上の月に気が付くシーンに触れ、「いま僕たちは、ふたたび〈月〉の存在に気付かされ、〈屋根〉の意味を考え直さなければならない時代を生きています。でも、もっと大切なのは、〈月〉の存在そのものだけでなく、〈月〉を輝かせる光のみなもとが別のところに在るという事実です。そのみなもとに立ち返ることでしか、僕たちがつくるべき〈屋根〉の本当のかたちは見えてこないと思うからです。だからこそ、僕にとっての演劇の原点でもある『更地』をいま、もう一度演りたい、そう思っています」と思いを語った。

京都公演のチケットは販売中。新潟公演は明日9月15日、東京公演は25日にチケット販売が開始される。

杉原邦生コメント

「更地」はある夜、かつて自分たちの家があった場所へとやってきた初老の夫婦の物語です。二人は屋根のなくなったその場所に立ってふと、頭上に浮かぶ月に気がつきます。それまでは見えていなかった、もしくは見ようとしてこなかった、けれど、屋根の上にいつも当たり前にあった月───。僕たちはいつの時も、このことを忘れてしまっているのかもしれません。〈屋根〉がなくならないと気がつけなかった〈月〉の光を。

いま僕たちは、ふたたび〈月〉の存在に気付かされ、〈屋根〉の意味を考え直さなければならない時代を生きています。でも、もっと大切なのは、〈月〉の存在そのものだけでなく、〈月〉を輝かせる光のみなもとが別のところに在るという事実です。そのみなもとに立ち返ることでしか、僕たちがつくるべき〈屋根〉の本当のかたちは見えてこないと思うからです。

だからこそ、僕にとっての演劇の原点でもある「更地」をいま、もう一度演りたい、そう思っています。

KUNIO10「更地」

2021年10月9日(土)・10日(日)
京都府 京都芸術劇場 春秋座

2021年10月30日(土)
新潟県 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場

2021年11月7日~14日(日)
東京都 世田谷パブリックシアター

作:太田省吾
演出・美術:杉原邦生
出演:南沢奈央、濱田龍臣

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