押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?
ズバリ、『スター・ウォーズ』はお好きですか!?
月2回連載
第19回
Q.
年末に『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を観ました。賛否両論あるようですが、僕は大変楽しめました。そこで、押井さんが『スター・ウォーズ』について語っているのをあまり聞いたことがないことに気づき、こんな質問をしてみたくなりました。押井さん、ズバリ『スター・ウォーズ』はお好きなんですか!?
── 今回の質問は『スター・ウォーズ』(以下『SW』)についてです。確かに押井さんから『SW』のタイトルを聞いたことがないかもしれません。
押井 あんまり話してないのは、好きじゃないからですよ(笑)。観てないことはなくて、昔は年末年始には必ず、BSやCSでオンエアしていたから観ていたんだけど、そう言われれば最近はやってないなあ──まあ、そういうわけなので、私にとっても『SW』はお正月映画です。
── もちろん『スカイウォーカーの夜明け』は観てませんよね?
押井 うん。でも、他のは観てる。スピンオフも。ハン・ソロの若い頃(『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(18))とか、若い連中が頑張る話(『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16))とか。でも、どちらも小粒だった。
『SW』はキャストが弱い。俳優の身体(しんたい)に依存せずに作ったから仕方ないんですよ。彼らにキャラクター以上のことを求めなかったから役者が育たないんです。
── 確かに、役者としてその後、活躍したのはハン・ソロを演じたハリソン・フォードくらいですね。ルーク役のマーク・ハミルも、レイア役のキャリー・フィッシャーも、このシリーズしか代表作がないというか、そのキャラクターのイメージから抜け出せなかった。
押井 最初の『SW』(『エピソード4/新たなる希望』(77))はアレック・ギネス(オビ=ワン・ケノービ役)がいたことで成立していた部分もある。ハリウッドの遺産を使って役者の薄さを補填したんです。『SW』は、世界の設定を語ることでドラマでありえたというSFの典型。帝国がいて、それと戦うレジスタンスがいるという設定によって成立していた。
── 『スカイウォーカーの夜明け』はちょっと変化球してますけどね。
押井 とはいえ、今のシリーズの女の子は頑張ってるよね。演技がエネルギッシュでパトス(情念、情動)を感じる。
── レイを演じているデイジー・リドリーですね。
押井 そういう名前なの? 彼女はいいですよ。でも、悪サイドは全然ダメ。あのすぐキレる子、チンピラにしか見えないって。
── それはカイロ・レンのことですか? 確かに『フォースの覚醒(エピソード7)』と『最後のジェダイ(エピソード8)』は中二病のような、すぐキレるおばか男子でしたけど、今回の彼はいいですよ。演じているのはアダム・ドライバーで、とても上手かったのでびっくりしました。
押井 そうなの?
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