1981年3月にリリースされた大滝詠一のアルバム「A LONG VACATION」の発売40周年を記念して、同作とわたせせいぞうのコラボレーションポスターが本日3月21日の読売新聞内で公開された。

このコラボは大滝や「A LONG VACATION」とゆかりのあるイラストレーター、マンガ家がアルバムのジャケットをモチーフにイラストを描くプロジェクトの第4弾。これまでに本秀康、久米田康治、江口寿史が参加してきたが、今回はわたせとのコラボレーションが実現した。読売新聞内の広告にはこの作品とともにキャッチコピーとして、「想い出はモノクローム 色を点けてくれ」という大滝の代表曲「君は天然色」の歌詞が書かれている。

「A LONG VACATION」のジャケットのイラストを担当した永井博らとともに、1980年代を象徴する数々の作品

を世に送り出し、永井と対談したこともあるわたせ。彼は「君は天然色」が劇中歌として使用された映画「私をくいとめて」の原作小説が新聞に連載されていた際のイラスト、そしてこの小説が書籍化されたときの表紙を手がけている。

なお「A LONG VACATION」が発売40周年を迎えた本日3月21日、同アルバムを新たなマスターテープからリマスターした最新音源を収めた作品「A LONG VACATION 40th Anniversary Edition」がリリースされ、大滝の全楽曲のストリーミング配信がスタートした。

わたせせいぞう コメント

「大滝詠一さんを感じます！」
とボクのコミック、ハートカクテルの読者から言われたことがある。
ボクにとってそれは、大変嬉しい最大級の褒め言葉であった。
A LONG VACATIONがリリースされた1981年3月21日は、ボクはまだサラリーマンと漫画家の二足のワラジ時代だった。
夜遅く帰る電車の車窓から見える夜空に、夢を描いていた頃だ。

あのレコードジャケットを銀座の楽器店で見た時は、衝撃的であった。
絵を描くボクにとって、永井博さんのイラストは遥か彼方の憧れの作家であった。
「いいな、かっこいいな」何度も心で呟いた。
今をときめくシンガー大滝詠一さんと永井博さんのコラボに、感動しつつ、嫉妬していた。

イラストレーターという言葉は多分、永井博さんの頃から使われ始めたと記憶している。
あの時代は日本のクリエーターたちはアメリカ、ウエストコーストを意識していたと思う。

ボクの主人公のカレとカノジョの背景が永井博さんの描くプールサイドや街だったら、どんなに素敵だろう！

そんな思いで描き始めたハートカクテル、いつしかその背景は日本のようで日本でない、無国籍と言われたのはこの所為でもある。

後年、ボクもレコードジャケットの絵を描くことになった。
松岡直也さんやTUBEの絵の依頼だった。よし素敵な絵を描くぞ！
と奮い立たせたのは、憧れのA LONG VACATIONのジャケットが大滝詠一さんの歌声と共にボクのハートにあったからだ。

今回メモリアルイヤーの絵は、ボクの好きな「夢で逢えたら」を聴きながら（時には歌いながら）
楽しく描かせて頂きました。
大滝詠一さん永井博さんありがとうございます！