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「天気の子」インドで上映、新海誠が熱烈な歓迎受け「また再会しましょう!」

ナタリー

19/9/30(月) 5:00

新海誠(中央)とインドのファン。

「天気の子」のインドプレミアが現地時間9月27日に開催され、監督の新海誠が出席した。

10月11日から、ムンバイやデリーなどインド全国30都市で上映される「天気の子」。インドでは新海の前作「君の名は。」が人気を博し、「天気の子」のインドでの上映を求める活動に5万人を超えるファンの署名が集まったことをきっかけに、このたび公開が決定した。

初めてインドを訪れた新海は「インドの若者たちが日本の映画から何を得てくれるか、彼らの反応を楽しみにしています」とコメント。首都ニューデリーにある劇場内の複数のスクリーンで行われた上映にはファン約1000人が集まり、開映前の会場は“新海コール”で満たされた。

歓迎の拍手と喝采に迎えられた新海は「皆さんの署名活動のおかげでインドに来ることができて、心から幸せです。本当にありがとう」とファンに感謝を伝え、「日本からとても離れた国で、文化も異なり、さまざまな価値観を持つ皆さんに『天気の子』をどんなふうに楽しんでいただけるのか。心から楽しみにしてきました」と挨拶する。上映時には観客たちが大声で笑い、肩を組み泣き、腕を高く上げ大きな声援を送る姿も見られた。

Q&Aでは、ファンから「日本とハリウッドにおけるアニメーション映画の違いは?」と質問が寄せられた。新海は日本は宮崎駿の影響もあり“作家主義”が強く、ハリウッドは分業が進んでいると自身の考えを述べ、「ハリウッドから学び、優れたスタッフと分業していく必要姓を感じると同時に、ハリウッドと同じ作り方をしても敵うわけではなく、宮崎監督や僕のように従来の作り方を続けていくことにも意味があるような気もしていて、迷いますね」と真摯に答える。そして新海は「できれば3年後くらいにまたインドに帰ってきて、皆さんに新しい映画を見せたいです。また再会しましょう!」とメッセージを送った。

インドプレミアの翌日には、署名活動を始めた現地の男子高校生・パンチョーリくんと新海が対面を果たした。「君の名は。」を観て人生が変わり、多くの人に新海作品を観てほしいと署名活動を始めたパンチョーリくん。新海は「署名活動をしてくれて本当にありがとう!」と彼に声を掛けて本作を観た感想や将来の夢などを次々と質問していき、東京で再会して自らが映画の舞台を案内することを約束した。対面を終えた新海は「これをきっかけに、アニメーション映画の形が少し変わるかもしれないし、日本の映画産業の形が少し変わるかもしれない。パンチョーリくんの熱意と行動力がまさに『世界の形を変えてしまう』ようで、心からすごいことだと思います」と感慨深げに語った。

「天気の子」は全国の劇場で上映中。

新海誠 コメント

インドプレミアを終えて

インドの観客の熱量に、本当に驚きました。国民性のようなものかもしれませんが、インドの観客は全力で「自分はとにかく楽しむんだ!」という非常に前のめりの姿勢で映画を観ているのが印象的でした。あんなふうに映画を観ながら笑って泣いて、僕の名前を呼び大歓迎をしてくれて、一緒に鑑賞していて逆に感動をもらいました。映画を作っていてよかったと思わせてもらえるような瞬間を、インドでいただけたような気がします。日本のアニメーション映画がインドで劇場公開されることはほとんどないことですが、今回それが1人の若者の署名から実現しました。これをきっかけに、アニメーション映画の形が少し変わるかもしれないし、日本の映画産業の形が少し変わるかもしれない。パンチョーリくんの熱意と行動力がまさに「世界の形を変えてしまう」ようで、心からすごいことだと思います。

パンチョーリくん コメント

「君の名は。」を観て僕の人生は変わりました。もっとたくさんの人に新海監督の作品を観てほしくて、署名活動を始めました。新海監督が描く物語は、インド人にもなじみやすく、世界の若者が誰でも共感できるのが魅力だと思います。それと美しい東京の街並み。ボリウッド映画にも撮影の舞台を巡るツアーがよくあるのですが、僕もいつか東京へ行って新海作品で何度も見ている場所を巡ってみたいです。インドでは、今後ますますアニメーション映画に人気が集まると思います。もっとインド人にアニメーション映画を好きなってもらい、ボリウッド映画やハリウッド映画と同じように、アニメーション映画をインド人が楽しめることを期待しています。

「天気の子」インド配給Vkaao CEO バベル氏コメント

「天気の子」で描かれている壮大なラブストーリーは、インドでも特に10~20代の若者に共感を得て、人気が出ると思っています。配給が決まった一番の決め手はもちろん署名活動。署名の数が募り、新海監督の過去作をリサーチしたところ、これは署名をした人たちだけではなく、きっとその先のインドの観客たちにも絶対届くはずだと確信を持ち、配給を決めました。「天気の子」は、インドと日本の配給がタッグを組み初めて公開を迎えるアニメーション映画なので、思い入れもありとても期待しています。

(c)2019「天気の子」製作委員会

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