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いま、最高の一本に出会える

BLUE ENCOUNTとKEYTALKが築いてきた信頼関係 お互いの楽曲もカバーした『ANN』を聞いて

リアルサウンド

19/8/27(火) 7:00

 BLUE ENCOUNTとKEYTALKがパーソナリティを務める番組『BLUE ENCOUNTとKEYTALKのオールナイトニッポンGOLD』(ニッポン放送)が、8月23日にオンエアされた。彼らが『オールナイトニッポン』のパーソナリティーを担当するのは今回が初めて。BLUE ENCOUNTからは田邊駿一(Vo/Gt)と江口雄也(Gt)が、KEYTALKからは寺中友将(Vo/Gt)と八木優樹(Dr/Cho)が出演した。

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 今回の放送は“バンドマンの夏休み”がテーマだったこともあり、メンバーは終始リラックスしたような状態で、まるで楽屋の裏でオフトークをするような雰囲気で番組を進行していく。事務所も違えば、レコード会社も違う。デビュー時期も違えば、活動歴も違う。BLUE ENCOUNTは熊本で結成されてキャリアを積んだバンドであり、KEYTALKは寺中こそ熊本出身であるが、基本的には東京の下北沢でキャリアを積んできたバンドである。影響を受けたバンドも違うし、最新曲の方向性もまったく異なる二組であるが、番組での二組のやり取りは絶妙というほかなかった。

 メインで進行していくのはBLUE ENCOUNTの田邉。田邉が他のメンバーに話を振っていくと、他のメンバー(特にKEYTALKの二人)は自由気ままな対応をしてみせ、場合によっては田邉がツッコむという流れで進んでいく。脱線に次ぐ脱線をするため、終始、番組スタッフから「巻き」を要求されていたようだが、それでも構わずに番組は進む。寺中は田邉のフリに対してボケをかますし、八木は自分の野球チームの話をするときも、視聴者からのお便りを読むときも常に甘噛をするし、江口は番組の企画であることをお構いなしに(番組中の企画にあった)パワプロのゲームにガチンコで挑むしで、とにかくマイペースに番組は進んでいった。そして、これはBLUE ENCOUNTとKEYTALKという関係性だからこそできることなのだろうなと、番組を聞いていて改めて感じた。BLUE ENCOUNTとKEYTALKの共通点は少ないものの、活動の中での接点は多い。対バンツアーがあれば、高い確率でお互いのツアーにお互いのバンド名があった。BLUE ENCOUNTが1stフルアルバム『BAND OF DESTINATION』をリリースしたときのツアー『DESTINATION IS “PLACE”』の追加公演では、KEYTALKと6カ所で共にライブを行っている。

 BLUE ENCOUNTのエモーショナルな音楽性に対し、KEYTALKは変調や複雑なリズムパターンを得意とするオルタナティブロックを中心としている。ライブスタンスで言っても、BLUE ENCOUNTはエモーショナルなパフォーマンスが大きなウリとなっているが、KEYTALKはステージ上でもユーモアを大事にしながら、オーディエンスを沸かせるタイプだ。だが、タイプが違うバンドだからこそ、お互いをリスペクトするのだろうし、オフの場面で意気投合することもあるのだろう。そういう側面がラジオ番組の中では随所に感じられた。

 『オールナイトニッポン』で象徴的だったのは、番組終盤で行われたお互いのカバー曲の披露である。ここでは、BLUE ENCOUNTはKEYTALKの「パラレル」を、KEYTALKはBLUE ENCOUNTの「もっと光を」をカバーした。両曲ともお互いのメジャー1stアルバムに収録されている曲であり、どちらもファンに人気の高い楽曲である。アコースティックギターの弾き語りで楽曲を披露するというシンプルなアレンジながら、お互いそれぞれの楽曲を完全に自分のものにしていた。KEYTALKの楽曲はアレンジの妙で魅せることが多いが、田邉が歌うことで、普段はなかなか見えづらいKEYTALKのメロディそのものの美しさを際立たせていた。しかも、田邉は綺麗な声で力強く歌うのが持ち味であるため、なおのこと、弾き語りというスタイルが映える。番組の空気を見事に変えてみせていた。一方、「もっと光を」も普段はアップテンポなバンドサウンドで披露されることが多い楽曲のため、寺中が哀愁を漂わせながら伸びやかに歌うことで、普段とは違う魅力を持った楽曲に生まれ変わっていた。

 番組全体としては、ちょっとヤンチャな友達同士がワイワイと盛り上がるようなテンションだった『オールナイトニッポン』。萎縮することなく、相手の表情を伺うわけでもなく、時にボケて、時に無茶振りをしながら、リスペクトするべきところはきちんとリスペクトして番組を進行していく。デビュー初期から、自分たちがかっこいいと思うサウンドを鳴らして、一緒にライブをして信頼関係を築いてきた二組だからこその番組だった。若手から中堅に差し掛かろうとしているこの二組は、今後も互いに切磋琢磨しながら、きっとシーンに新たな風を吹かせるのだろう。そんな期待すら感じた。(ロッキン・ライフの中の人)

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