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スターサンズ映画祭初日に河村光庸が登場、「自由がなくなれば映画作りはやめる」

ナタリー

河村光庸

8月27日に初日を迎えた「スターサンズ映画祭byプレチケ」内で「あゝ、荒野 前篇」が上映され、東京・角川シネマ有楽町で行われた舞台挨拶にプロデューサーの河村光庸が登壇した。

新作「空白」の公開を記念して開催されている同映画祭は、スターサンズが手がけた作品を上映するもの。寺山修司が1966年に発表した長編小説をもとに、岸善幸が監督を務めた「あゝ、荒野」2部作では、菅田将暉演じる人生の挫折を味わった少年院上がりの新次とヤン・イクチュン扮する吃音と赤面対人恐怖症に苦しむ“バリカン”こと建二が、もがきながらもボクサーの道を進む姿が描かれた。

イベントでは、MCからスターサンズの作品は現代社会を物語の中に映し出すという特徴があり、本作がその契機になった映画であるとの意見が飛び出す。河村は「まさしくそうで、私は社会をどう切り取っていくかを1つのテーマとして企画の柱にしています」と述べ、「現代社会という“今”をどう描くかは、作品作りのうえで大切にしている点で、何十年も前に書かれた寺山修司の原作を現代風にアレンジした理由はそこにあります」と述懐する。

またヤン・イクチュンのキャスティング経緯に話が及ぶと河村は「彼の主演・監督作『息もできない』を買い付け、配給してから大変親しくしていたんです。ヤン・イクチュンをイメージしてプロットを進めていきました」と回想。前後篇合わせて5時間を超える作品になったことについては「もとは6話ぐらいの配信作品として考えていたんですが、やっているうちにすさまじく長くなってしまいました」と苦笑した。

「映画は自由であるべき」というテーマを掲げているという河村。「制約そのものを取っ払わないと、新しい映画はできないんじゃないかと思っています」と言い、「戦前、映画はテレビの代わりでもありましたが、戦時下では規制されたり国策映画が作られたりして自由が失われた。現代でも、テレビだとスポンサーへの気遣いなどがあり、本当の意味で自由なのは映画だけ。自由がなくなれば、映画作りはやめます」と力説した。

「スターサンズ映画祭byプレチケ」は9月1日まで角川シネマ有楽町で開催。吉田恵輔監督作「空白」は9月23日に全国で公開される。

※吉田恵輔の吉はつちよしが正式表記

スターサンズ映画祭byプレチケ

2021年8月27日(金)~9月1日(水)東京都 角川シネマ有楽町
料金:1600円(税込)

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