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「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」監督が脚本との出会い回想、映画化の決め手も

ナタリー

20/8/13(木) 11:00

「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」メイキング写真

「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」の監督、アグニェシュカ・ホランドが制作を振り返るコメントが到着した。

ヨシフ・スターリン統治下のソ連の闇に迫った実在のジャーナリスト、ガレス・ジョーンズを描いた本作。「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」のジェームズ・ノートンがジョーンズを演じ、ヴァネッサ・カービー、ピーター・サースガードが脇を固めた。

本作の脚本を手がけたアンドレア・チャルーパに映画化の話を持ちかけられたホランド。普段から歴史上の惨状を題材にした脚本が多く届く中、「重要性は評価しますが、あまり気乗りしないものがほとんどです。忠実に再現するのは気が重いし、そういう脚本のほとんどがとても浅薄なのです」と言う理由で本作に対しても当初は気乗りしなかったという。しかし脚本を読み始めると、本作の脚本が今の世の中にも通じること、実在した人物が主人公であり、彼の勇気と誠実さ、ジャーナリズムの義務を深く理解しているという説得力があることに大いに興味を持った。「今回の脚本も読み始める前は途中でやめてしまうだろうと思ったのですが、ストーリーと登場人物、そしてジョージ・オーウェルの『動物農場』と結び付くコンセプトに惹かれました」と映画化の決め手を振り返っている。

またホランドは、実話ものや歴史大作にありがちな堅苦しさを避け、あらゆるシーンに観客が共感できる人間味を出すよう心がけた。「撮影監督のトマシュ・ナウミュクとともに、作品に独自のエネルギーを持たせたいと思っていました。トマシュは若く、とてもオープンでクリエイティブです。『こういうふうにやって』とは言わず、制作側・役者、みんなで協力しながらクリエイティブでいられる環境作りを意識しました」と現場について話している。

撮影監督のナウミュクも、ホランドのことを「とても知的かつ感性が豊かで、ビジネスで映画を作っている感覚がない。だからアグニェシュカの前では決して手を抜けないんだ。彼女は映画における技術や質などを知り尽くしている。常に最高のシーンのために闘わなくてはならないし、妥協は許されない」と評価。ほかにもロンドンのシーンを撮影するときはローアングルの照明を多用し、モスクワのシーンでは照明を上から当てるといった工夫や、ウクライナの場面では質素な雰囲気を出すためにツァイス製の古いタイプのレンズを使ったというエピソードにも言及している。

「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」は8月14日より東京・新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国でロードショー。

Photo by Robert Palka (c)2019 Film Produkcja All rights reserved (c)FILM PRODUKCJA - PARKHURST - KINOROB - JONES BOY FILM - KRAKOW FESTIVAL OFFICE - STUDIO PRODUKCYJNE ORKA - KINO SWIAT - SILESIA FILM INSTITUTE IN KATOWICE

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