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超特急、FCツアー『Toooooo 8』最終公演で伝えた8号車への愛とグループとしての未来

リアルサウンド

20/2/25(火) 19:00

 2月23日、超特急が全国で約2万人を動員したFCツアー『Toooooo 8』の最終公演をZepp Tokyoで行った。かねてより休養していた6号車・ユースケの2月末での脱退が先ごろ発表されており、この日がメンバーとして在籍する最後のライブとなる。“6人の超特急”はこの日、ファンでありメンバーの一員でもある8号車に何を伝えるのか――。

(関連:超特急が語る、『サヨナラは雪のあとで』の“温故知新”な表現と春ツアーへの意気込み

 2号車・カイのプロデュースによる、胸にメンバーカラーの花をあしらった黒のセットアップ姿のメンバーが会場を沸かせる中、放たれたオープニングナンバーは、7号車・タカシのハイトーンが映える「Fashion」。しっとりとしたサウンドに負けないセクシーなパフォーマンスが肝といえる楽曲だが、この曲を1曲目に、そしてオラオラ感&セクシー感の合わせ技で魅せる「Booster」を2曲目に持ってきたことに、現在の超特急と8号車がどのようなモードにあるのかを感じとることができる。

 今回のツアーで総合演出を担う5号車・ユーキが「ツアーファイナル、楽しんでいこうぜ!」と煽りを入れて、ライブの定番曲「Kiss Me Baby」へ。メンバー全員の名前を続けるコールがおなじみの同曲では、いつもに増して8号車の声が大きく響いた。ユースケの休養後、楽曲によってはユースケの立ち位置を空けた状態でパフォーマンスを展開してきた彼ら。この曲でもユーキとユースケがシンメでソリッドに踊るパートをユーキが1人で展開し、ユースケのパフォーマンスを思い起こせるような形でライブが進んでいく。「今日が最後だから、悔いのないようにいくぜ!」と4号車・タクヤが叫びスタートした「SAY NO」では、ユースケが考案したインパクト大なサビの振りや、3号車・リョウガが鬼軍曹(?)役を務める小芝居パートなども含め、ハイテンションなパフォーマンスを展開。タカシが時折、野獣のようなシャウトを放ち、さらに会場をヒートアップさせていく。

 MCではリーダーのリョウガが改めてユースケの脱退について触れ「8号車のみなさんを驚かせ、辛い思いをさせてしまったことについて、申し訳ない気持ちでいっぱいです。僕たちメンバーとしてはユースケを笑顔で見送ってあげたいと思っておりまして、ぜひとも今日乗車してくださったみなさんにも、それを叶えてほしいと思っております。もちろん泣いていただいて全然いいです、でも最後は笑顔で終われるライブにできたら」と、会場の8号車を見回しながらコメント。メンバーの自己紹介ではユースケの口上を全員で元気いっぱいに叫んだり、スタッフからユースケの好物・スティックパンを抱えた黄色の超特熊(注:PansonWorksとのコラボキャラクター)のぬいぐるみが手渡され、5人がそのパンを食べながら彼の思い出話に花を咲かせるひと幕も。今回のツアーについて「ツアータイトルを含めて超特急から8号車のみなさんに愛を届けたいという思いを込めて、ライブを作らせていただいて。ユースケの発表があってからの東京公演では、僕たちから愛を届けると言いつつも8号車のみなさんからたくさんの力をいただいていると思います。ときにはみなさんの力をある意味頼りにしつつ、僕たちもそれに甘えることなく、もっとみんなを驚かせたり楽しくさせたり、元気になってもらえるようなライブにしたいと思います」というユーキの解説を挟みつつ、ステージは初期からの人気曲「No.1」へ。

 6人体制になってからのツアーでは毎回のように感じていたことだが、最年少のタカシのボーカリスト&ダンサーとしての成長が著しい。この曲でも自然なセクシーさを滲ませつつ、どこか包容力をも感じさせるステージングに目を奪われた。間奏でのメンバー紹介部分ラストの〈8号車!〉を力強いロングトーンで響かせ、曲の終盤で「大事にするぜ」とアドリブでキメ台詞を盛り込んでくる末っ子担当に頼もしさを感じずにはいられなかった。

 スマートに会場を魅了したあとには、タクヤとユーキ、カイとリョウガがアツアツのカップル(?)を演じる「Pretty Girl」でコントばりの小芝居を展開。付き合いたてのタクヤ&ユーキに横恋慕するタカシ、温泉に行きたいカイに「(触られるのが苦手な)鎖骨まで洗ってやる!」と迫るリョウガ。なぜかボーカルのタカシを差し置いて、タクヤとユーキが密着しつつ落ちサビを歌い上げる……という変化球オチでも会場を盛り上げた。

 そしてここで、年始に行われたツアー『Revolución viva』東京公演を悲鳴の渦に巻き込んだ超セクシーなナンバー「Body Rock」を投下。メンバーがジャケットを脱ぎ、胸元のボタンを外したりする姿にも盛大な悲鳴が巻き起こる。エネルギッシュなダンスで魅了するカイがセンターに立つなど5人がタイトなフォーメーションを作りつつも、緻密に計算された“隙”を感じさせるパフォーマンスにしばし会場が酔いしれた。同じくセクシー感の漂う楽曲でも熱量の高い「We Can Do It!」からは、今回のツアーの隠し玉の一つである客演ダンサー4人が参加。メインダンサーのソロパフォーマンスを客演ダンサーたちが絶妙にアシストし、リョウガが女性ダンサーとセクシーに絡むシーンも“大人超特急”的インパクトを放っていた。

 サラリーマン風のジャケット姿でメンバーが登場する「Rush Hour」からは、客演ダンサーズとともにストーリー仕立ての構成で魅せていく。パントマイムのような動きを交えた同ツアー用の新たな振付には、ボーカルのタカシもダンサーとして参加。満員電車に乗りそこね転んだリョウガに、ハンカチを差し出すヒロインが登場。彼は告白を決意するのだが、続く「Jesus」でなぜかそのヒロインが女装したタカシに入れ替わっており、ビンタを食らうというかわいそうな展開に。そこからメインダンサーのソロを交えた「EBiDAY EBiNAI」へと楽曲が移り、巡り巡ってハンカチは持ち主のヒロインの元へと届く……という流れ。コーナーのラストには、同ツアーで初披露となった最新シングル「サヨナラは雪のあとで」をドロップ。スケール感のあるサウンドにぴったりなタカシの伸びやかな歌声が響き、曲の世界観を表現するダンサー1人1人の表情をスクリーンがつぶさに捉えていく。タクヤをはじめ役者としての顔も持つメインダンサーたちの、こういった場面での見せ方には目を見張るものがあった。

 映像コーナーでは「Billion Beats」をバックに、デビュー当初のストリートライブをはじめ過去ツアーの模様や、メンバーのプライベートの姿を捉えた映像、写真などが次々と登場。懐かしい気分に浸っている間に、タクヤプロデュースのチェックのセットアップに着替えたメンバーが登場し、別れを描いた初期のナンバー「refrain」をパフォーマンス。〈-1の明日もきっと キミのカケラ 探してるよ〉など、同曲でのタカシの熱の入った歌い回しには胸に込み上げるものがあった。続く「Synchronism」でも、やはりユースケの立ち位置を空けたままで、彼らなりのメッセージを発信していく。

 終盤MCではカイが「みなさん、いったん涙を拭いていただいて……」と、8号車をフォロー。リョウガは「(顔を拭くなら)ぜひ公式タオルで」と笑わせ、それぞれ違う方向性で8号車への気遣いを見せていた。セットや照明を含め、ユーキを中心に作り上げた今回のツアーについて「超特急らしく電車のモチーフにしたセットにしてもらったり。僕が演出でかかわるのであれば、超特急らしいものじゃなくちゃいけないと思っていて……でも何よりもユースケの休養があった中のFCツアーだったので、メンバー愛や超特急の絆というものを感じてもらいたかった。いろんな愛の伝え方があると思うんですけど、メンバーも8号車もみんなつながっているという思いと、超特急としての新しい見せ方を、これまでずっと演出でかかわってくださったSHIGEさんと培ってきたものを僕なりに表現したいなと思って。僕は言葉で伝えることに関しては不器用だけど、このライブで観たものを、それぞれの感じ方でいいので感じていただければ」と本人が涙ながらに語った。そんなユーキにタカシが「泣きゃええねん」と優しく声をかけたり、涙で言葉が出なくなってしまったタイミングでカイが「ハイみんな、ここの記憶消してください!」とフォローしたりと、MCも絶妙なコンビネーションで進んでいく。今回、ストーリー仕立てのコーナーで「リョウガが慣れない女性ダンサーとの絡みで苦労していたんですよ。いつもリハのあと、リョウガだけ残ってもらって」(ユーキ)、「“もっとちゃんと絡んで!”って怒られたけど、リハでは無理だったので、本番で違うキャラクターを宿してなんとかしました!」(リョウガ)と“らしい”裏話などでも8号車を笑わせていた。

 8号車のコールが炸裂する「Drawイッパツ!」からは、まさに“超特急節”といえる勢いのある楽曲を連投。新たなライブの定番曲となりつつある、変幻自在な世界へと8号車を誘う「Don’t Stop 恋」を挟み、「全員、悔いのないように腹から声出してください!」というカイの煽りで本編ラストの「Burn!」へ。エンディング近くのリョウガ&タクヤが小芝居を繰り広げる箇所で、ユースケの口上をもじって「たくちゃんポー」「りょうちゃんポー」を2人が言い合うくだりにも愛を感じた。

 アンコールは、久々の披露となる「Love again」(globeのカバー)からスタート。激しいキック音を核としたサウンドと、腕でハートを作る振りも印象的な同曲。6人体制最初のライブとなった『PERFECT VALENTINE』(2018年2月)でも披露されていたことを思い出し、新たなハードルを前にした超特急が一貫して8号車へ伝えてきたメッセージに思いを馳せた。タカシの「みんな、思い切り叫べ!」のシャウトから始まったラストナンバーは、ユースケ作詞・作曲の「超特急です!!!!!!!!」。ユーキが〈8号車のことが、好きだから!〉と歌詞を変えて歌い、落ちサビのユースケのパートを8号車が合唱したりと熱狂のエンディングとなった。

 最後のMCでは、メンバーそれぞれから8号車へのメッセージが伝えられた。

「今日この場にいる方、来られなかった方々を含め、こういう日々を乗り越えた僕たちは誰よりも強く優しくて、愛にあふれた人たちだと僕は思っています。この先僕たちがどうなるかはわからないけれど、僕たちと8号車のみなさんが一緒なら怖いものはないですし、奇跡も起こせるかなと思うので、みなさんと一緒に進んでいきたい。僕は超特急の先頭車両なので、リーダーはリョウガですけれど、別の形で超特急という列車を東京ドームのもっと先の未来まで引っ張っていけるような先頭車両でありたいです」(カイ)

「ユーキも言っていましたが、すごく8号車のみなさんに支えられたライブだったと心の底から思います。ライブをしていて一番楽しいと思うのが一人一人の笑顔を見れたときなので、これから先何があるかはわからないですけど、8号車のみなさんとよりたくさんの笑顔を共有して、幸せな日々を過ごせることを楽しみに。これからも笑顔で頑張っていきたい」(タクヤ)

「ここで、いったん区切りがつくと思うんですけども。自分の中では“これが超特急だ”という信念のようなものが見えていて、それについてメンバー、スタッフともいっぱい話し合って、そこに誰一人置いていかずに連れて行けたらと思っています。時々“何だよ”と思われるようなこともあると思いますが、みなさんが悲しくなるような“何だよ”をなくして、明るい未来を作っていけるようにしたい」(ユーキ)

「今日で区切りをつけて、3月から5人体制になります。人によって理解するのに時間がかかることもあると思います。泣きたい人は泣いていいと思うし、俺たちと一緒に笑っていきたいと思っていてくれるならそれはもちろんうれしいし。一つ言いたいのは、絶対、ユースケと超特急は僕が守りますから。それだけは本当に信じてください。この先も諦めきれないことがたくさんあるんですよ。僕も末っ子担当やけど、ボーカルとしてもっと胸張って、これからいろんなところに出ていこうと思っているから。絶対にみなさんのことを守りますから」(タカシ)

「ユースケも含めた僕たちの一番の願いは、8号車のみなさんが幸せになってほしいということです。みなさんがそれをどう決めるのかはわからないですが、もし幸せだと思う道に僕たち超特急と歩む未来があるのなら、これからもどこまでも一緒に歩む……というより、走っていけたらと思っております。何が起こるかわからない未来でも、存在する8号車のすべての思いがあればどんな道も、山も海も空も走っていけるなと思っていますので。これからも同じメンバーとして、みなさんと走っていけたら」(リョウガ)

 特にタカシの挨拶の辺りですすり泣く8号車が多く見られたが、8号車への愛、ユースケへの愛を込めて展開されたツアーはこうやって幕を閉じた。FCツアーという性質ももちろんあると思うのだが、個人的にこれほどまでにステージと客席との気持ちのシンクロ感を感じたライブはなかったように思う。このツアーでメンバーが何度も口にしていた憧れの東京ドーム、そしてその先の未来へ向けて、同じ悲しみと笑顔を共有した超特急と8号車はどう走っていくのだろうか。(古知屋ジュン)

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