みうらじゅんの映画チラシ放談
『アリータ:バトル・エンジェル』『アクアマン』
月2回連載
第12回
─── 今回の1本目は『アリータ:バトル・エンジェル』ですね。日本のSFコミック『銃夢』をロバート・ロドリゲス監督で映画化した作品ですが、元々は『タイタニック』『アバター』のジェームズ・キャメロンが長年温めていた企画でした。
これは、ロバート・ロドリゲス監督の映画だから観たいんですよね。ちょっとひっかかるのはキャメロンのことですね。
─── ジェームズ・キャメロンはダメですか?
ダメというか、なんででしょうね? やっぱり心のジージャンを脱いでメジャー路線に行っちゃったからなぁ。どうですか、お好きですか?
─── 好きも嫌いも『アバター』以来、新作を観ていないんで、今どんな映画を作るんだろうというところから、分からなくなっています。
こないだ『アリータ』の予告編を観たんですけど、やっぱり問題はヒロインの目のデカさですよね。今、プリクラとかで目をデカくするじゃないですか。あれってイケてるんですか? 昭和の人間としてはその時点で怖いですよ。目がデカくていいのは猫娘と、猫目小僧だけでしょう(笑)。
─── 確かに(笑)。
でも、平成になってからの人は違うのかもしれないですよね。ああやってわざわざ加工して見せるわけだから、本人たちは気に入ってるんでしょうね。キャメロンが「これは万人にウケるぞ!」って思ってるような気がしてどうもね。
でも、もうこれ以上デカくなると目玉おやじの範疇に入ってきますよ。『ジャイアントロボ』に出てきたガンガーっていう怪獣知りません? あとホラ! 『帰ってきたウルトラマン』にガンQっていう、卑猥な割りの眼をした怪獣がいるんですけど、もはやアリータも僕の中ではモンスター側ですよね。
当然、弱点は目を刺されることなんじゃないですか? アリータは最強って言われてるから、眼球を狙って刺すしかないですよね。弱点は絶対に目です!
─── 作品を観ずして攻略法まで分かっちゃいましたね(笑)。
いろいろ武器は持ってるようだけど、目を狙われるのが弱点なんだろうなとは思いました。それに、これだけ大きいとすぐに乾きますよね。ドライアイですよ。敵が熱風とか送り込んできたら、目が乾いてしょうがない。アメリカでは花粉症がないから安心してますがね。シリーズ化の暁にはスギの木をいっぱい植えればアリータには勝てますね!