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『親バカ青春白書』笑いの裏側にある重要なメッセージ 新垣結衣の母性も毎回の見どころに

リアルサウンド

20/8/10(月) 14:50

 ムロツヨシが主演を務めるドラマ『親バカ青春白書』(日本テレビ系)が、8月9日に第2話を迎えた。

 娘を溺愛する親バカなガタロー(ムロツヨシ)と天然で純真無垢な箱入り娘のさくら(永野芽郁)を中心に、メインキャスト6名の人物紹介も兼ねた物語だった前回。第2話では、さくらが思いを寄せるもののガタローのことが好きなハタケ(中川大志)に焦点が当たる。

 格安物件に住むハタケの部屋に幽霊が出るという話から、さくらたちは彼の家で肝試しを企画。そこに待ち受けていたのは、明らかな事故物件とガタローの小説がコレクションとして並べられたハタケの部屋だった。ハタケは大学に入学する前からガタローのファンであり、同級生となった娘のさくらに「ガタローさんが大好き」と打ち明けていたのだ。気分が良さそうなガタローと誤解が解けて嬉しそうなさくら、小説の文節を暗唱し「ここ(胸)が勝手に覚えちゃうんだ」と好きを超えて愛を爆発させるハタケ。そんなハタケは勢いからガタローに弟子入りを頼み込む。

 この弟子入りが、まるでアンジャッシュのコントのようにガタローとさくらの間ですれ違いが起き、一悶着へと発展していく。ハタケがガタローに弟子入りを志願したのは、成績も運動神経も普通だと悩む自分を変えたかったから。さくらもそれを知って彼を後押しするのだが、「すごく真剣なの。私もお父さんにちゃんと認めてほしい」という娘の言葉から、ガタローは弟子入りが2人の交際に直結していると勘違い。

 結果、男の約束として試練となった野菜作りに挑戦したことで、ハタケは炎天下の中で倒れてしまい病院へ。やっと父娘の勘違いが解けたと思いきや、あろうことかさくらのハタケへの好意をガタローが勢い余って口を滑らしてしまうのだ。目に入れても痛くないさくらに「なにしてんの! クソ親父!」と言われ、ガタローはあまりのショックに膝から崩れ落ち陰キャに。しかし、元気になったハタケから「俺が俺自身を肯定できる答えを与えてくれた」と言われ、無事精気を取り戻すこととなる。

 第1話と第2話に共通しているのは、普通か普通じゃないかという登場人物たちの悩み。さくらは自身を溺愛するガタローの存在が普通じゃないと大学に入学して気付き、逆にハタケは普通であることに悩み、ガタローに弟子入りを志願した。ガタローは「普通ってすげぇんだぞ。どんな時でもどんな状況でも普通でいられるやつが一番すごい」とハタケを諭すが、結局、同級生たち6名は全然普通ではない、変わり者だらけだ。

 普通とは「いつ、どこにでもあるような、ありふれたものであること」を指す。例えば、その小説が普通であるかは大衆の第三者が決めること。世間には認められていなくても、ハタケのように人生を変えるほどの刺激を与えているのかもしれない。ハタケが出した答えにあるように、自分が自分を肯定すること。みんな普通なんかじゃなくていいということ。そんなメッセージを『親バカ青春白書』は我々に教えてくれている。

 おおよそのドラマのフォーマットが見えてきた第2話。そのフォーマットの一つの要素となるのが、毎週ガタローの回想の中で登場すると思われる亡き妻・幸子(新垣結衣)の存在だ。

 「さくらの方が惚れちゃってる場合」と悩むガタローは、驚くべきことにそのケースを想定して生前の幸子に相談していた。「今からそんな心配? そんなのさくらを信じるしかないんじゃない?」とガタローの目を見て答える幸子。第1話に引き続き、ガタロー視点でのどアップである。心配性なガタローに呆れ顔の幸子は、一休さんのトンチのように「さくらはバカなんかじゃない」(ガタロー)、「ほら安心だ」(幸子)と話を導いていく。

 第1話と合わせても、数分と短い出演時間ながら、母性溢れる太陽のようなその性格が見えてくる。何より、物語を全てかっさらっていくほどの可愛さのインパクトを残す新垣結衣、恐るべしだ。また、ガタローと霊媒師の会話の中で、幸子はさくらが7歳の時に病気で亡くなっていること。温かな守護霊としてさくらに憑いていることも明らかになった。ベビーベッドで眠るさくらは、第3話の予告では幼稚園児ほどに大きくなっており、回を重ねる毎にさくらが成長し、そして幸子の死に近づいていくこととなるのだろう。

 また、毎話恒例となる『今日から俺は!!』(日本テレビ系)からのゲストとして、天文部の先輩役で鈴木伸之、先述した霊媒師役でじろう(シソンヌ)、医者役で長谷川忍(シソンヌ)が登場した。特に、どデカイ声量で知られるじろうの駄々っ子満載のアドリブは、中川大志も下を向いて笑ってしまうほどの爆笑シーンに。福田雄一の演出が色濃く表れた場面となった。

 第3話では、さくらと寛子(今田美桜)が学園祭で開催されるミスコンに挑戦。底辺YouTuberの根来(戸塚純貴)が、まさかのさくらに告白。「私でよければ」と受け入れるさくら、「俺じゃなかったんだ」と呆然とするハタケ。何か、大どんでん返しが起こりそうな予感がする。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
『親バカ青春白書』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送
出演:ムロツヨシ、永野芽郁、中川大志、今田美桜、戸塚純貴、小野花梨、谷口翔太、野間口徹、新垣結衣ほか
脚本統括・演出:福田雄一
脚本:穴吹一朗ほか
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:高明希、鈴木大造(クレデウス)
協力プロデューサー:白石香織(AX-ON)
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/oyabaka/
公式Twitter:@oyabaka_ntv

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