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音楽を視覚的に表現する「絵字幕版」上映も 記録映画『うたのはじまり』

CINRA.NET

20/2/13(木) 13:10

©2020 hiroki kawai SPACE SHOWER FILMS

映画『うたのはじまり』のバリアフリー上映が決定した。

2月22日から公開される同作は窪田正孝の写真集やMr.Children、クラムボン、森山直太朗などのアーティスト写真を撮影してきた「ろう」の写真家・齋藤陽道が自身の子育てを通じて、嫌いだった「うた」に出会うまでを記録したドキュメンタリー。

聴覚障害を持つ齋藤陽道は、20歳で補聴器を捨て、カメラを持つようになったという経歴の持ち主。同じく「ろう」の写真家である妻・盛山麻奈美との間に、聴者の息子を授かった。映画では、幼少期から対話の難しさや音楽教育への疑問にぶち当たってきた齋藤陽道が、自身の口からふとこぼれた子守歌をきっかけに変化していく様を捉えている。

バリアフリー上映では、「Score Drawing」という手法を採用した絵字幕版を上映。聴覚障害を持つ人にも「音楽」を伝えるべく、画面下部に音楽を絵で表現している。絵字幕版は齋藤陽道の発案のもと制作され、「Score Drawing」は小林紗織(小指)が担当した。齋藤は「完成した絵字幕版を観て感動した。まったく新しい形による“うた”の表現となっているのではないかと思う」と述べている。通常版と同じく2月22日からシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開。聴者が絵字幕版を鑑賞することも可能だ。

出演者は齋藤陽道、盛山麻奈美をはじめ、盛山樹、七尾旅人、CANTUS、飴屋法水、ころすけ、くるみ、齋藤美津子、北原倫子、藤本孟夫ら。監督は古川日出男らによる朗読劇『銀河鉄道の夜』の活動を捉えた映画『ほんとうのうた』や、七尾旅人のライブ映像作品『兵士A』を手掛けた河合宏樹。

齋藤陽道のコメント

絵字幕版の完成と劇場での上映について
絵がつむいでいる色やリズムを追いかけるうちに、自分のなかで、なにかが解き放たれる感じがありました。「うた」や「音楽」のもっているであろう生々しさに触れたのかも、と思いました。

小林紗織(小指)のコメント

鑑賞した方が少しでも音楽の手がかりを得られるよう、色彩や造形の表現を工夫して“伝える”ことに注力して作りました。
観るまでは、自分の勝手な解釈をろう者の方に押し付けているような気がして、とんでもなくおこがましいことをしているんじゃないかと不安がありました。でも、いざ観てみたら「しっかりと定義があるわけじゃないんだし、私も鑑賞する方々も監督たちも齋藤さんも、お互い手探りで歩み寄って、それで良いんじゃないか」と思えるようになりました。この絵字幕が、少しでも音を生んでくれるように祈っています。

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