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劇団EXILE、9人の異なる個性はどのように交わる? 初の全メンバー出演舞台にかける意気込み

リアルサウンド

20/1/8(水) 6:00

 劇団EXILEによる舞台『勇者のために鐘は鳴る』が、1月24日より東京・TBS赤坂 ACTシアター、続けて2月13日より大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演される。

 本作は、劇団EXILEのメンバーである青柳翔、秋山真太郎、小澤雄太、鈴木伸之、町田啓太、小野塚勇人、SWAY、八木将康、佐藤寛太の9名が初めて全員出演し、自ら原案プロデュースを務める舞台作品。ゲームの中の世界に入ってしまった9人の男たちが、元の世界に戻ろうと勇者になってモンスターを倒していく。彼らは現実の世界でそれぞれ悩みを抱えているが、冒険を通してそれぞれが大切なことに気づくこととなる。

 EXILEパフォーマーを中心に2007年に旗揚げをしたのち、2009年から4回に及ぶオーディションを経て集まった9名。今では個人活動が活発になり、それぞれが映画、ドラマ、舞台、作家活動と活躍の場を広げているが、今回再び9人の力をあわせて、メンバー発信で作品を作り上げていくことになった。劇団EXILEを代表し、青柳翔、秋山真太郎、町田啓太、SWAYの4名に語り合ってもらった。(編集部)

■秋山「メンバーで集まって脚本会議をした」

――舞台の企画はどこからスタートしたのですか?

秋山真太郎(以下、秋山):最初はHIROさんからの提案でした。2020年は『LDH PERFECT YEAR 2020』でもあるので、全員で集まって興行してみたらどうかと言われたのがきっかけです。

SWAY:HIROさんは、食事会とかのときに思っているアイデアを言ってくれるんですけど、わりと何回も繰り返して言うときは、「これは本当に実現するぞ」という感じがあります。舞台もそんな感じで、最初は「やればいいんじゃない?」というところからだんだんと本格的になって行きました。

ーー中身のアイデア出しはどんな感じでやってきましたか?

秋山:みんなでめちゃめちゃディスカッションしました。ゲームの中に入っていくというテーマは全員で決めました。

町田啓太(以下、町田):もともとみんなの意見が強烈すぎて(笑)、全員の意見を汲んだら、「ゲームの世界ならいけるんじゃない?」ということになりました。

秋山:ゲームの世界の中だったら、ショーアップもできるし、いろんなエンタメ要素をつめこめるというのがありました。

――みなさんの意見の中で強烈だったのは?

青柳翔(以下、青柳):俺が言ったのは、毎日、勝敗を賭けて骨肉の争いをするとか(笑)。

町田:自由でしたねー。

秋山:ブリーフィングでは、突拍子もない意見でも良いからまずは言ってみようという感じでした。ほぼ毎週日曜日に集まれるメンバーで集まって脚本会議をして、それを最初のうちは僕がまとめていきました。

■青柳「今のところ俺は、浅田真央ちゃんみたいな感じで……」

――劇団の皆さんそれぞれの、普段のキャラクターは生かされる感じになりそうですか?

秋山:そこは演出の段階になってきたら、また具体的に見えてくると思うんですけど、そこまで自分のキャラとは解離してないものにはなりそうです。

青柳:今のところ俺は、浅田真央ちゃんみたいな感じで……。

町田:マジですか? じゃあ僕は羽生君みたいな感じでいって、ふたりで滑りますか?

SWAY:じゃあ僕はむっちむちのアンパンマンで、アンパンを落として歩いていく。

秋山:俺はそれをひたすら回収していくよ(笑)。

町田:こんな感じで毎週ディスカッションしてたんです(笑)。だから、幕があかないと僕らもわからない部分がまだ多いですね。

青柳:でも、さっき言った浅田真央ちゃんの件、俺はけっこう本気なんです!

秋山:あ、なるほど、そういうことね! ようやく理解できました。

――秋山さんはわかったんですね?

秋山:今の設定上の話なので、変わるかもしれないですけれど。

SWAY・町田:僕らはわからないです!

町田:そこは長年のつきあいがあるからでしょうね。

秋山:このままいけば、わかるかも。

SWAY:そういうことみたいですね! 僕はわからない人の味方ですよ!

■SWAY「ダンスを出していきたいです」

――中身については、アクションやダンスもあるかもということですが。

町田:パフォーマンスはかなり多くやる予定です。

秋山:エンタテインメントというのは第一にあります。とにかく楽しんでもらいたいというのが前提で。

SWAY:僕の希望では、最初はない方向で戦って、ギリギリのところでダンスを出していきたいです。

青柳:俺は『アナ雪』みたいな感じでいこうかなと。

町田:けっこう浅田真央ちゃんとか『アナ雪』とか、そっちなんですね。

青柳:そうそう。もちろん、そのままでやる気はないからね!

――でも、大人数で踊る姿なんかも見てみたいですね。

SWAY:じゃあやりましょうかね!

秋山:俺も昔は舞台の上で踊ってたけど、最近は体も動かしてないんで、息がもつのかも不安だけど(笑)。でも、みんなでやるのって、かなり久しぶりだよね。

町田:全員でパフォーマンスしたのって、『HiGH & LOW THE LIVE』で太鼓叩いたときくらいじゃないですか?

SWAY:あのときですら俺いなかったから。

青柳:9人でやるのは初めてかも。

SWAY:全員でやるのは本気の初めてです。映画の『jam』は全員で出てるんだけど、そのときも、僕以外の8人でご飯食べてましたから……。

町田:まだ根に持ってる(笑)。

SWAY:9人揃った映画だったのに。

青柳:忙しかったからでしょ?

SWAY:そのときは忙しかったかもしれないけれど、調整してくれたらご飯くらいいけたと思います。

町田:でも、あれはたまたまだったんです。約束したというより、勝手に集まってきたみたいな。

SWAY:でも事実としてありますからね!

青柳:あのとき、東京以外での撮影だったので、俺がホテルの下のレストランにいたら、みんなも飯食っていて、「あれ? みんないるじゃない」となって。

秋山:俺が鈴木(伸之)か誰かと食事してたら、どんどん集まってきて。

町田:『jam』は、全員一緒のシーンはなくて、打ち合わせとか読み合わせでも一緒のときがなかったので、ほんとに集まることがなかったんです。

■秋山「ビビるくらいのイケメンが来た」

――そもそも、みなさんが初めて会ったときはどんな感じだったんですか?

青柳:最初のうちは、公演が一か月あって、稽古入ってというのを延々とやっていたので、最初のメンバーとはほとんど毎日一緒にいました。そこから、町田たちのオーディションがあって。

町田:僕と鈴木がそのときに風組に入って、華組、風組で『ろくでなしBLUES』をやりました。その後、風組は風のように解散になりましたが(笑)。

青柳:理由はね、俺が「響組」に入りたいっつったからだよ!

町田:違いますから! 

秋山:そんな話忘れてたよ(笑)。

青柳:それで俺が直談判したことで風組が解散になって……。

町田:青柳さんが言っていることは嘘ですからね(笑)。

秋山:まあ、3つ組を作るかという話はあったんです。でも、町田が入ってくるときのオーディションは俺も覚えてますよ。とんでもないイケメンでしたから。

町田:なんかすみません、こんな感じになっちゃって(笑)。

秋山:あの時は「ビビるくらいのイケメンが来た」って、速攻でHIROさんに言いにいきました。

町田:そう言ってもらえると嬉しいんですけど、そんときのことを思い出すとマジで恥ずかしいです。ぴっちぴちのTシャツにだぼだぼのパンツで、日サロ帰りで、めちゃめちゃ顔も赤くって。

秋山:髪も立っててね。

町田:今の面影もないんです。

秋山:その後、「あたっくNo.1」のときに、小野塚(勇人)、八木(将康)、SWAYが入ってきたんだよね。

SWAY:そのときに、HIROさんから「どう?」って声かけられて今に至るんです。

■町田「劇団EXILEは全員の個性がバラバラ」

――今ここにいる4人の俳優としての魅力を教えてください。まずはSWAYさんの俳優としての魅力はどんなところにありますか?

秋山:セオリーに縛られる人っていますけど、そういうものを感じさせない自由さがある人です。映画『MANRIKI』も観たけど、すごくうまくなっていて驚きました。

青柳:え、『万引き家族』出てたんですか!

SWAY:出てませんよ! 「まんびき」じゃなくて「まんりき」です。青柳さん、俺のことを知らなすぎでしょ(笑)。でも、褒めてもらえて、今一番うれしいです。ここ最近で一番うれしいです!

青柳:枠に捉われないという意味では、たしかにSWAYには人と違うところがあります。真面目なタイプの作品のオーディションに行くと、大抵の人は、その作品のカラーに合わせて自分を演出するじゃないですか。でもSWAYは「好きな映画は何ですか」と聞かれたときに、『ワイルド・スピード』と答えたらしくて。いつでも直球なのがいいなと思います。俺がオーディションで選ぶ側だったら、逆に気になるし、そういう素直さが素敵です。

――いいエピソードですね。では次は、秋山さんのことを。

青柳:華組の結成から舞台をやってきましたが、とにかく芝居が正確ですね。言葉とか間とか、すべてにおいて正確で安心感があるので、多少、俺がとちってもいいかなって気になります。

秋山:おい!(笑)。

青柳:秋山さん頼みます! ってね。回収してくれるんだろうなと。

町田:劇団の父ですからね。

――青柳さんはどんな魅力がありますか。

SWAY:僕は北海道で『EXILE TRIBE 男旅』(UHB 北海道文化放送)という旅番組をやらせていただいてるんですけれど、青柳さんとは仕事で一緒の時間が一番多くて、プライベートでも一緒にいさせてもらうことが多いんです。だから、青柳さんの素の時間を知ってると思うんですけど、いつ芝居の準備してるんだろうなと思うくらい、そういうところを見せない人なんです。セリフを覚えてるところとか、どうしてるのか気になります。それくらい、影の努力家なんだと思います。

青柳:あの番組はね、面白いですよ。秋山さんにも出ていただいて。

秋山:アイヌ文化に触れるという、急に真面目な番組になった回に出ました。

SWAY:いつもはラフな番組なんですけれど、ときどきそういう回もあるんです。

――最後に町田さんについてお願いします。

秋山:センテンスに対して、とても素直に取り組んでいる役者だと思います。感情がまっすぐに届くので、それが心を打つんです。舞台や映像で見ることも多くて、僕は特に『美女と男子』とか、毎回見るのが楽しみでした。芝居をこねくりまわしてないところが良いと思います。

――町田さん、こねくりまわしてないんですか?

町田:実はめっちゃこねくりまわしてます(笑)。

秋山:でもそう見えないところがいいんですよ。

町田:確かに、考えて考えて、一周して「どうでもいいや」となっているかもしれません。秋山さんにそう言ってもらえてうれしいです。最初からずっと見てもらっているので。

――では最後に、『勇者のために鐘は鳴る』にかける意気込みをお願いします。

SWAY:僕らも現時点では、これから稽古に入りますし、この9人で作るものがどうなるのか楽しみにしてるところです。生で9人の絡みを観られることもなかなかないので、素直に「この9人が物語に入り込むとこうなるんだ!」という楽しみ方をしてもらえるとうれしいし、僕らも千秋楽までの間に、いろいろ気づくこともあるだろうし、物語や絆も深くなっていくと思います。僕らも素直にやりますので、楽しみにしてくれたらなと。

秋山:2020年は『LDH PERFECT YEAR 2020』でもあるし、日本全体としてもオリンピックの年でもあります。そのスタートダッシュになれると嬉しいです。観に来てくださる方が楽しくなるのが大前提ですし、楽しかったと思ってもらえるように、意識してやっていきたいです。

青柳:芝居と言えど、みんなの個が……。

町田:なんでそんなプロデューサーみたいな語り口になってるんですか!

青柳:いやちょっと、本田圭佑みたいにいこうと思ったけれど無理だった(笑)。

町田:諦めたんですね(笑)。

青柳:そう、諦めた(笑)。普通にみんなで作っていって、最後に観た方が、楽しかった、感動したと思ってもらえるように、一回一回に全力を注ぎたいなと。そのことで、次も観に行きたいと思ってもらえるようにしたいです。一年に何回もできるものではないけれど、また観たいと思ってもらいたいし、その熱が冷めないような作品にしたいなと思います。

町田:劇団EXILEは全員の個性がバラバラで、その個性の爆発力や熱を舞台でお見せできると思うので、そこをまずは楽しみにしてほしいです。そして、僕らのことを知っている方も、あんまり知らない方も、見終わる頃には、劇団のことを少しでも好きになってもらえるようにしたいです。まとまらなくてもいいので、それぞれが爆発しあって9人だからこそできる舞台を作りたいと思いますので、楽しみにしていてください。(取材・文=西森路代)

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