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ウィリアム・フォーサイス『THREE QUIET DUETS』×ピナ・バウシュ『春の祭典』 2022年来日公演決定

ぴあ

ウィリアム・フォーサイス「THREE QUIET DUETS」舞台写真 (c)Bill Cooper

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現代パフォーミングアーツ、バレエ、コンテンポラリー・ダンス界の最重要アーティストたちによる新作ダンス2作品の来日公演が、2022年に開催されることが決定した。

今なおバレエ、コンテンポラリー・ダンス界の最先端を行く舞踊家である巨匠ウィリアム・フォーサイス振付の『THREE QUIET DUETS』が2月に開催。フォーサイスは、45年以上にわたり振付家として活躍し、その作品は、バレエを21世紀のダイナミックなアートフォームへと方向転換させたことで知られている。1984年にフランクフルト・バレエ団のディレクターに就任し、わずか3年で世界トップレベルのカンパニーに成長させ、その鋭い現代的感覚と芸術性で“バレエ界のウルトラ・モダン”と称されている。92年と99年にはローレンス・オリビエ賞、02年にはニジンスキー賞を受賞。05年にはフォーサイス・カンパニーを設立し、翌06年の来日公演でも、「安定に抗う極限の技能」「舞踊界において突出している」(朝日新聞/石井達朗氏)と高く評価された。今なお舞台芸術の最先端を行く巨匠フォーサイスが、今最も信頼を置く最高のダンサーたち5名と究極の静謐なダンスを繰り広げる。近年最も評価の高い傑作群の初来日公演が、東京、京都、福岡の3都市で上演される

5月には、舞踊家ピナ・バウシュの『春の祭典』を上演。バウシュは、2009年に逝去した後の日本でも、コンテンポラリー・ダンス、バレエ、演劇など幅広い分野で、今なお大きな影響力を誇る不世出の舞踊家。数ある作品の中でも最も激しいダンスと、舞台に敷き詰められた2トン以上の土の上で踊り続けるダンサーたちの迫力のパフォーマンスで知られる代表作が『春の祭典』だ。この楽曲は、“音楽の天才”ストラヴィンスキーによる近代バレエ音楽の最高傑作と言われ、バレエ、クラシック界のみならず、広く一般に知られており、世界中のカンパニーによる上演が後を絶たず、特にピナ・バウシュ振付版(75年初演)は、パリ・オペラ座・バレエ団など世界最高峰のカンパニーによっても上演されるなど、その評価を確固たるものにしている。ダンスと演劇を融合した傑作を、今回は、アフリカ13カ国から結集した精鋭ダンサー32名が踊る、全舞台ファン必見の最重要作となる。

さらに元ピナ・バウシュ・ヴッパタール舞踊団で、同団の主要パートを歴任したマル-・アイラド、アフリカ現代舞踊の母ジャメイン・アコニーによる新たな作品『common ground[s]』も同時上演される。

【以下、作家・ヤサぐれ舞踊評論家 乗越たかおによる本公演に向けての特別寄稿】

ピナ・バウシュ & ウィリアム・フォーサイス

数あるコンテンポラリー・ダンスの振付家の中でも、巨人と呼ぶにふさわしい二人、ピナ・バウシュとウィリアム・フォーサイスの作品が上演される。


この二人は、いったい何がスゴイのだろうか?

ピナ・バウシュはタンツテアター(演劇的ダンス)という手法で、演劇とダンスの垣根を超えた振付家だ。舞台上で踊る人々の感情の機微が、観客の胸にスッと入って突き刺さる。しかもダンスなので、どのシーンも美しい。ダンスには、こんなことまでできるのか…… と世界中のダンス関係者を驚愕させたのである。とくに今回の『春の祭典』は初期の傑作で、約2トンの本物の土を舞台に敷き詰めて踊る。元はロシアの大地の神へ生け贄を捧げる作品だが、ピナは「生け贄を集団が選び出す」という現代的なテーマとして描いた。さらに今回は生前のピナが率いたヴッパタール舞踊団の指導のもと35名のアフリカ人ダンサーが踊る。画期的な挑戦で、ネットの有料配信は世界中で話題になった。

一方のフォーサイスは「バレエを脱構築させた」と言われる振付家である。バレエではセンターにあるべきとされる体軸や重心を自在に変化させ、バレエの新しい領域を切り開いていった。さらに作品も知的でソリッドな興奮に満ちている。今回の『THREE QUIET DUETS』はそんな彼の新境地ともいえる作品である。ストリートダンスのダンサーも加わり、かつタイトルの通り不思議な「静寂(QUIET)」と詩情が漂う。フォーサイス作品をよく知る人も、きっと刮目するだろう。

二人に共通するのは、様々なアートの領域横断的な刺激に満ちた作品という点である。コロナ禍で海外からの招聘公演が困難な昨今、巨匠達の新しい作品・新しい試みを観られる希有な公演だ。見逃すな!



■公演概要
PARCO presents ウィリアム・フォーサイス『THREE QUIET DUETS』 来日公演
東京公演:2022年2月4日(金)~6日(日) 会場:Bunkamuraオーチャードホール
京都公演:2022年2月9日(水) 会場:ロームシアター京都(メインホール)
福岡公演:2022年2月12日(土) 会場:北九州芸術劇場(大ホール)
振付:ウィリアム・フォーサイス
出演:Brigel Gjoka、Riley Watts、Jill Johnson、島地保武、Rauf "RubberLegZ" Yasit

PARCO presents ピナ・バウシュ 『春の祭典』 / ジャメイン・アコニー&マル―・アイラド 『common ground[s]』来日公演
日程:2022年5月 (※日程詳細は順次発表予定。)
会場:東京Bunkamuraオーチャードホール 

公式サイト:https://stage.parco.jp/program/forsythe/

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