Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

岡田准一×原田眞人監督『燃えよ剣』映画化決定 共演に柴咲コウ、鈴木亮平、山田涼介、伊藤英明

リアルサウンド

19/2/11(月) 5:00

 司馬遼太郎の幕末小説『燃えよ剣』が、岡田准一主演で実写映画化されることが決定した。

 1962年から64年にかけて『週刊文春』で連載された本作は、1964年の刊行から現在までに単行本・文庫を合わせた累計発行部数が500万部を超える大ベストセラーを記録。激動の幕末を駆け抜けた新選組副隊長・土方歳三の生涯を描く。

 土方を岡田が演じるほか、土方と恋に落ち生涯愛し合うことになるお雪を柴咲コウ、土方の盟友である新選組局長・近藤勇を鈴木亮平、新選組・沖田総司を山田涼介、新選組初代筆頭局長・芹沢鴨を伊藤英明がそれぞれ演じる。『関ヶ原』で主演の岡田とタッグを組んだ原田眞人が監督を務める。

 撮影は、2月から4月にかけて、京都、滋賀、岡山などを中心に行われる予定だ。また、「新選組」史上名高い「池田屋事件」が起こった、旅館・池田屋をオープンセットで当時のままに完全再現、倒幕の流れを決定づけた幕末最大の事件を描く。

 映画化決定にともない、岡田、柴咲、鈴木、山田、伊藤、原田監督より、下記のコメントが寄せられた。

■コメント
●岡田准一(土方歳三役)
原田眞人監督から司馬遼太郎さんの名作、『燃えよ剣』の土方歳三という、身に余る大役をいただきました。以前に原田監督作品に出演させていただいた『関ヶ原』に続き、日本の変革のひとつです。変革の時代を演じることは、やりがいのあるタフな作業になりますが、共演者の皆さん、スタッフの皆さんとこの作品を乗り越えて行きたいと思います。土方歳三の人生を覚悟と畏敬を持って楽しんで演じたいです。原田監督が作り上げる生っぽい激動の幕末をご期待下さい。

●柴咲コウ(お雪役)
初めて演出していただく原田監督。初共演の岡田准一さん、鈴木亮平さん、山田涼介さん。世の中で語り継がれる新選組。司馬遼太郎さんの長編歴史小説のオリジナルキャラクターであるお雪を、時代に翻弄されながらも凛として生きる女性として、素直に表現できればと存じます。

●山田涼介(沖田総司役)
錚々たる共演者の皆様の中でお芝居をさせていただくことに緊張する一方、武者震いしています。僕にしかできない表現で沖田を描きたいと思っていますし、原田監督、そして先輩の岡田君と共演するのは初めてで、先輩方の背中を見て、この作品の中で多くのことを吸収して、沖田を生き抜きたいと思います。

●伊藤英明(芹沢鴨役)
芹沢鴨という強靭な男を演じさせていただくことになりました。岡田君が演じる土方に対して、全力で対峙したいと思います。一緒にお芝居ができるのが本当に楽しみです。原田監督とは初めてですが、誘っていただき大変光栄です。改めて、俳優という仕事に全力で臨みたいと思っています。

●原田眞人(監督)
チャンバラごっこではいつも新選組が仇役だった。私は桂小五郎に代表される“勤王の志士”。覆面をかぶりたくなれば鞍馬天狗にもなった。しかし、映画では桂小五郎が主役になることはほとんどどなく、鞍馬天狗映画は安易な娯楽作だった。新選組が主人公になる映画の方が圧倒的に多く、上質に思えた。幕末の知識は幼少時に祖父から伝え聞き、それがやがて時代小説を読むきっかけともなった。司馬遼太郎ワールドの入口も短編集『幕末』だった。『逃げの小五郎』を読みたくて足を踏み入れたのだ。高校生になって『燃えよ剣』と出会った。以来、新選組と土方歳三に魅せられ、『新選組血風録』のファンになり、子母沢寛の新選組トリロジーに心が震えた。そうやって情報量が増えるにつれ新選組を描く映像作品への不満が募るようになった。例えば、ダンダラ。子母沢寛が壬生の新選組のホストファミリーだった八木家ご子息から得た証言では、近藤や土方ら幹部クラスは1度もダンダラの制服を着なかったという。理由は、安っぽかったから。新選組は黒の集団であった。ダンダラは、平隊士の一部が着用し、1年も経たずに淘汰された。おそらく芹沢鴨の発想で赤穂義士を模したダンダラ制服を作ったのではないか。当然、土方は着ない。映画では、大島渚監督の『御法度』だけが、ダンダラ俗説を避けて黒の隊服にしている。新選組は維新動乱期の象徴的、宿命的な存在だ。既成の秩序やモラルが崩れ、新しい体制が模索されている混乱の時代に現れた若者たちの右往左往と魂の叫びがそこにはある。人は変革期にいかに生きるべきか。現代の世相とダブる混沌を、土方は筋を通して生きた。『燃えよ剣』は激流を生きる人間の営みをスケール感とともに描いている。武州多摩郡のバラガキ(茨垣:不良、ならず者)であった近藤勇、土方歳三、沖田総司、井上源三郎の四人の生き様死に様は、ハワード・ホークスの『リオ・ブラボー』の4人組にそっくりで、男気の連帯が心豊かに描かれている。中でも土方には“THE LAST SAMURAI”の風味が漂う。絶妙のキャストも組めた。岡田准一さんは超一流の武芸者が俳優のふりをしているような人。今回は主役の土方歳三のみならず土方が絡むすべての剣技の構築・指導も委せている。映画史上最高の土方歳三、時代劇史上最高の立ち役が生まれると、私は信じている。ヒロインのお雪は土方の思い人であると同時に、司馬先生の思い人であるようにも思う。原作にある絵の素養を映像的にも広げたインディペンデント・ウーマンとして柴咲コウさんに演じてもらう。彼女にはホークス作品のヒロインに通ずる凛とした美しさと男世界で生き抜く逞しさがある。近藤勇はデビュー以来、「私のイサミ君」と思い続けてきた鈴木亮平さんを迎えることができた。『西郷どん』で付けた27キロ分を削ぎ落として、見事な男振りである。山田涼介さんは作品を見る度に、彼の演ずる沖田総司を見たいという思いが強くなった。俊敏な剣技も、儚げな微笑みも、土方との軽やかな会話もすべてが“スクリーン上の沖田総司であるべき人”のベクトルを指している。土方、近藤、沖田がハマリ役の理想を突き進む以上、芹沢鴨の配役は“意外性”を前面に押し出したかった。本来なら公開まで名前を伏せたかったくらいだ。伊藤英明さんが引き受けてくれたのは幸運だった。私の考える鴨は、素面なら土方、沖田がふたりがかりでも倒せない武門の人。近藤に欠けた教養もある。そして何よりも原作で沖田の口を借りて言わせている「私の知る限りいちばんの善人かもしれない」という要素を大切にしたかった。伊藤さんにはそれらがある。原田組初参加の4人と岡田さん。このケミストリーは最強だ。脇を固める顔ぶれも、原田映画史上最高のバラエティに富んでいる。書きたくて書きたくてたまらないが、今は我慢しよう。司馬人類学講座を半世紀に渡って学んだ生徒として、私は、“BARAGAKI土方歳三”が“BROKEN SAMURAI”になり、“UNBROKEN SAMURAI”に至る物語を、紡ぎたいと思う。芝居はナチュラル、剣技はリアルをモットーに、世界勝負の本格的時代劇を目指したい。とはいえ『リオ・ブラボー』と『グッド・フェローズ』を心に抱いて現場に挑むことになる。

(リアルサウンド編集部)

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む