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『スカーレット』見違えるほど美しくなった喜美子 母・マツにとっては成人の儀に

リアルサウンド

19/11/22(金) 12:00

 新しい絵付け火鉢のデザインとして、喜美子(戸田恵梨香)のデザインが採用された前回。『スカーレット』第47話では、喜美子が新聞の取材を受けることになった。

参考:『スカーレット』第48話では、新入社員の八郎(松下洸平)が喜美子(戸田恵梨香)にいら立つ

 喜美子のデザインが採用されたことで沸き立つ絵付け係。元気いっぱいに朝の体操を始めたところ、今度は加山さん(田中章)が飛び込んでくる。どうやら、信楽初の女性絵付け師として喜美子に新聞の取材が舞い込んできたようだ。

 この吉報に百合子(福田麻由子)とマツ(富田靖子)も沸き立つ。だが、気がかりなのは東京に出かけている常治(北村一輝)。前に喜美子が、「忘年会に行きたい」と言っただけでちゃぶ台をひっくり返しそうになった常治である。3年経っても、沸点の低さは変わらない。新聞に顔なんて出したものにはどんな災いが川原家に訪れるのか。

 そんな常治を案じた百合子は一計を案じる。「お父ちゃんには言わんでええ!」と、常治には目につかないように事を運ぶように決意する。勝気で父と常に戦っていた直子(桜庭ななみ)が東京へ進学してしまった今、百合子も精神的に成長の時を迎えているようだ。

 そして、やってきた取材当日。喜美子はいつもの服で、いつもの仕事ぶりについて話そうとするも、記者が求めているものとは少し違ったらしい。丸熊陶業のマスコットガールとして喜美子を発信したいらしい敏春(本田大輔)と秀男(阪田マサノブ)。愛称をつけようとしたり、ホットケーキを食べるのが夢で頑張っているなど、捏造話まで作り上げ話しを進めていく。

 そのギャップに苦しむ喜美子。女性として、新たな開拓は果たしたが、そのことは喜美子だけの力で成し遂げられたことではない。喜美子の周りには常に喜美子の「やりたい」を応援してくれる人、支えてくれる人がいて、その人たちのおかげで今のポジションに立っている。そして、その事実を一番よく理解しているのは、喜美子自身なのだ。

 照子(大島優子)の必死の説得に渋々取材を続けることを承諾した喜美子だが、次なる試練が訪れる。マスコットガールにしては作業着だと写真写りが悪すぎるから、2時間で着替えてこいというのだ。この3年間は絵付けの勉強に熱中していて、さらにその前は大阪で女中の仕事に明け暮れていた仕事ファーストの喜美子である。家に飛んで帰り信楽の主婦仲間が集まり、喜美子大改造計画が始まった。

 あーでもないこーでもないと色々と試行錯誤している中、東京の常治から電話が入る。今度は百合子の出番だ。信作(林遣都)とともに大野雑貨店へ行き父との対決に臨む。信作や忠信(マギー)が、喜美子の声真似をしたりと手を変え品を変え、父をおちょくりまわす様はなんとも滑稽だ。川原家では、こと父の説得となると地雷を踏み抜いてしまうことが、これまで多くあったが、今回はなんとかなりそうである。

 信楽の主婦の助けもあり喜美子は見違えるような美人に変身。まるで不思議の国のアリスのような装いで、『スカーレット』の世界観とは打って変わったさまに目を見張ってしまう。成人の集いには、絵付けの仕事を優先し行かなかったという喜美子だが、自分のデザインが採用され、絵付け師としてキャリアをスタートした喜美子にとって、このおめかしが成人としての儀式となる。

 そんな見違えた喜美子を見てマツは涙を流す。長女が女性として、おめかしをして写真を撮る。母親にとってそれはかけがえのない一つの夢であり憧れなのだ。

(文=安田周平)

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