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『ハケンの品格』から『今日から俺は!!劇場版』まで 山本舞香、媚びないクールさで大活躍

リアルサウンド

20/7/1(水) 10:00

 13年ぶりの続編となる篠原涼子主演ドラマ『ハケンの品格』(日本テレビ系)で、新人派遣社員役としてドラマに新しい風を吹き込んでいる女優・山本舞香。最近ではドラマ『死にたい夜にかぎって』(MBS/TBS)でヒロインを演じ、7月17日公開の映画『今日から俺は!!劇場版』では物語の鍵となる女番長を演じるなど、より一層作品の幅を広げ、女優としてさらなるステップアップの予感を感じさせる。

参考:

 2011年に宮沢りえや蒼井優、川口春奈などを輩出してきた、若手女優の登竜門とも言える「三井のリハウス」第14代リハウスガール選出に始まり、ファッション雑誌『ニコラ』の専属モデルを経て、ファッションモデルとしても活躍するなど、様々なシーンで引っ張りだこの山本。そのクールさと、様々な感情を表現する力強い目が山本の魅力だ。

 『Zアイランド』、ドラマ『まほろ駅前番外地』(テレビ東京系)などで今どきの女子高生役を演じて以降の山本は、本人の性格に近いストレートな感情を表に出す、熱い役が増えている印象だ。2018年に『アウト×デラックス』(フジテレビ系)に出演した際に、親交のあるマツコ・デラックス曰く「悪い子ではない、でも決していい子ではない。カマトトぶっている女の方がよっぽど性格悪い。この人は絶対作らないから自分を」と言うと、山本は「作ってまで別にやりたくないです、この仕事」と答えるほどの飾らない性格と、マツコも認める人に媚びないクールさで、ネットでも話題を呼んだ。MAQUIA ONLINEでの 『山本舞香100問100答』では、「電撃引退ってある?」の質問に「そんなことは全く考えていない! けれども、常に100%全力で取り組んでいるので、万が一、電撃引退しても後悔はないと思う」と答えるように、常に全力で役に励んでいるからこそ、山本の演技が熱く、心に響くのだろう。

 同じく『山本舞香100問100答』で、「過去最大の危機は?」の質問に、「『死にたい夜にかぎって』のアスカ役を演じていた時。ヘヴィーな役柄だったので、気合いをいれないと役に引き込まれて、抜け出せなくなりそうだったので(笑)」と答えている。彼女の言葉通り、『死にたい夜にかぎって』でのアスカ役はこれまで以上に心に刺さる演技を見せている。彼女にとって新たな代表作とも言えるのではないだろうか。

 『死にたい夜にかぎって』は、賀来賢人演じる浩史と、鬱・不安障害・不眠障害を背負うアスカがともに過ごした6年間を描く物語。アスカは表向きは明るいが、裏では前述のような病を抱えている二面性のある役柄で、これまでの山本にとっては挑戦でもあっただろう。アスカが背負う病を浩史とともに視聴者も理解したくなるような愛らしさを、山本は自然に演じていた。先行試写会で賀来は、山本の毎回全力投球の演技を絶賛。クビを絞めるシーンの後に明るいシーンを撮って、またクビを締めて泣くという、激しいテンションの上下を行き来する1日の撮影でも、それぞれ切り替えて入れ込んだ演技をしていた山本。病に苦しむときもそうでないときも、アスカにとっては真実である。そんなアスカをピュアで裏表のない人と解釈して山本が演じたことで、彼女の痛みがより視聴者にリアルに感じられるのだ。

 そんな切なくも愛らしいカップルを演じた賀来賢人と映画『今日から俺は!!劇場版』で早くも再共演。シリーズの新キャラクターで、開久高校に通う従兄弟の悟(泉澤祐希)を守るためなら何でもする、女番長・森川涼子を演じる。紫の特攻服に竹刀を構えメンチを切るヤンキー姿は、マツコが「ほぼその辺を歩いているヤンキーと構造は変わらない」と言う姉御肌な山本の性格から見ても、ここまでハマる役はないと思わせるほど似合いすぎるビジュアル。また、劇中でのコンタクトがある分からないが、清野菜名との若手2大アクション女優の共演に興奮が冷めやらない。

 さて、『ハケンの品格』では、主演の篠原涼子演じるスーパーハケンの大前春子と、派遣5年目の福岡亜紀(吉谷彩子)と共に、新卒のハケンライフ派遣社員として食品商社S&Fに派遣された千葉小夏役を演じている。3カ月の契約更新に怯える亜紀とは違い、大手企業を20社落ちてハケンをしている小夏は、社員の仕事に関わろうとやる気を見せるも、ハケンの現実を次々と知らされていく。また、やる気のない新人社員に怒りと対抗意識を燃やすなど、新入社員とハケンの扱いの違いを見せていくのにドラマにおいて重要なポジションとなっている。

 それが面白いのも、いつも強気で、いつやさぐれてもおかしくない山本の素のキャラがあってこそ。会社に打ちのめされた時の悲しい表情や、認められた時の笑顔など、視聴者の心を掴むツンデレ加減が、このドラマで活かされている。また、小夏が特攻して、春子が解決、派遣業とは何かを教えるというドラマの構図がすでに出来上がっているが、春子が本当は言いたい抑えた感情を、小夏が代弁しているようなシーンも多々あり、明るく可愛い存在としてドラマを彩るだけでなく、今後は春子のファンネルとして活躍することが期待される。第2話にして、小夏の企画が通ったたことで、早くもハケン一同の希望に。今後、小夏がハケンと正社員という構造をどうかき回すのか、注目していきたい。 (文=本 手)

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