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森崎ウィン Aiming To Overseas

全部を出し切るつもりで 僕の『ジェイミー』は最初で最後だと思って観てほしい

月2回連載

第58回

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こんにちは。森崎ウィンです。

早いもので『ジェイミー』も折り返し地点を過ぎました。この難しい状況の中、劇場まで足を運んでくださったみなさま、本当にありがとうございます。

もうね、公演期間中は『ジェイミー』でいっぱいで、それ以外の記憶がほとんどない(笑)。この2週間、何してったっけ、俺…? 毎公演、全身全霊でやっているから、終わって家に帰ったらそのまま寝ちゃうんだよね。で、変な時間に目が覚めて、ちょっとアニメ観たりゲームをやったら、1日が終わるっていう。だから、『ジェイミー』以外で話すことが何もない(笑)。

感想もみんな本当にありがとう。Twitterもちらっと目を通したんだけど、ありがたいことにいい評判が多くて。僕たちがこの作品に込めたメッセージはちゃんとみんなに届いているのかなと、ほっと胸を撫で下ろしています。

本番はね、本当に1回1回があっという間に過ぎていきます。いつも本番直前に同級生役のみんなとハグをして、今日もテンション上げていこうって気合いを入れてから本番に臨ようにしています。

自分のドラァグクイーン姿にもだいぶ慣れました。観てくれた方はわかると思うんだけど、2幕で赤いドレスをアレンジした恰好で出てくるシーンがあって。あそこの着替えが本当に大変なんです。その前のシーンで袖にハケた瞬間、服をばーって脱いで、そこからドレスを着て、スタッフのみなさんがあれこれセッティングをしてくれて、次の登場が2階からだから、2階に上がって、ハイヒールを履いたら、もう出番という感じ。落ち着く余裕が全然ない。

そのあとがさらにエグくて(笑)。ハケた瞬間、次のシーンのために制服に戻さなくちゃいけないから、大急ぎでつけまつげをとって、アイシャドウも全部落として。場面的にもさっきまでのハッピーなテンションから一気にシリアスになるので、僕の体も心もぐちゃぐちゃです。

だから、袖で控えている段階から気持ちをつくるみたいなことはほとんどしてなくて。支度が整って、舞台に飛び出して、その場で感じたことにそのまま反応しているような感じ。でもそれでいいのかなって。

(母・マーガレット役の)安蘭けいさんとか本当すごいんですよ。毎回、僕の投げたボールをしっかりと受け止めてくださって、その上で返してくださる。自家発電で自分の感情をつくるんじゃなく、どんなときも僕に寄り添って、ゼロからつくっている感じがするんです。一緒にやっていて、それがすごく素敵だなと思うから、僕も自分の中で固めようとせず、その場その場で感じることを何より大切にしています。

ありがたいことに、安蘭さんとはすごく仲良くしていただいていて。この間も、観劇に来た安蘭さんの知り合いの演出家さんが僕のジェイミーを褒めてくださったみたいで。LINEで「演出家さんの評価だから聞きたいかなと思って」とシェアしてくれたんですよ。その文章の感じもあたたかくて。舞台の上のマーガレットも素敵だけど、素の安蘭さんも可愛らしい方です。

毎日、劇場に入ったあとも、本当なら後輩の僕から挨拶に行くべきなんだけど、やっぱり女優さんの楽屋を訪ねるのはいろいろ気を遣うじゃない? それでどうしようと思っていたら、いつも安蘭さんの方から挨拶に来てくださるんです。

2幕のマーガレットのソロナンバーとかすごくいいでしょ? お客さんの中でもあそこで泣いたという方が多くて。尊敬できる先輩とご一緒させてもらえていること、本当に日々刺激になっています。

舞台って幕が開いたら、完全に役者たちで進めていかなきゃいけないから。映像のようにカット割りがあるわけでもないし、全部、自分たち次第。そこが面白いなと思う反面、いい意味で慣れないというか、毎公演、毎公演、本番前はめちゃくちゃ緊張してる。それはやっぱりジェイミーという役のせいでもあるんだろうけど。改めてすごく難しい役をやらせてもらっているなって。もし再演のお話をいただいたとしても、悩んでしまうな(笑)。それは悪い意味じゃなくて、それだけ今回の『ジェイミー』で全部出し尽くしたいと思っているからです。

いつだって僕のジェイミーを観られるのは、これが最初で最後と思って観てほしいです。この文章をみんなが読む頃には東京公演も残りわずか。そこから大阪、愛知をまわります。とにかく今は大千秋楽の幕が無事に降りることを願って、僕の持てるすべてをぶつけていくので、こういう状況ではありますが、劇場へ来ることができるという方はぜひ! みんなと力を合わせて、最高の作品をお届けします。

森崎ウィンでした。

撮影させていただいたのは……

『cat café にゃんこと』

19匹の可愛いねこちゃんたちと触れ合えます♪
【住所】
〒169-0075
東京都新宿区高田馬場2−14−6スワンビル201
http://www.nyankoto.com/

▼高貴なお顔立ちの“シュークリーム”ちゃん。

▼ウィンくんと仲良くしてくれた“ベル”ちゃん。

★おまけ★

最近趣味のカメラでウィンくんも撮影していました♪

★編集部より★

森崎ウィンさんファンクラブのほうでは、今週はウラバナシを更新!ウィンさんが毎日どんな日々を過ごしていたのかが読めちゃいます!

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プロフィール

森崎ウィン

1990年生まれ、ミャンマー出身。小学校4年生の時に日本へ渡る。2008年よりダンスボーカルユニット・PRIZMAX(現、解散)のメインボーカルとして活躍した。俳優としても様々な映画、ドラマ、舞台に出演し、2014年には『シェリー』で映画初主演を務める。2018年、日緬共同制作映画『My Country My Home』に出演、そのスピンオフであるドラマ版『My Dream My Life』では主演を務め、現地のテレビ局mntvで冠番組「Win`s Shooow Time!」を持ち、様々な広告に出演するなどミャンマーで大ブレイク。スティーブン・スピルバーグ監督『レディ・プレイヤー1』のオーディションでメインキャストであるダイトウ/トシロウ役に抜擢され、ハリウッドデビューを果たした。近年の映画出演作に、『海獣の子供』『トゥレップ』『蜜蜂と遠雷』(19)、『キャッツ』(20)などがある。映画『蜜蜂と遠雷』で第43回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞。またメ〜テレ制作の連続ドラマ『本気のしるし』(19)にて初の連ドラ主演を果たした。2020年は世界中で再演を重ねているミュージカルの金字塔「ウエスト・サイド・ストーリー」の日本キャスト版Season2(主演:トニー役)に出演。

撮影/古川義高、取材・文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹、ヘアメイク/KEIKO、スタイリング/添田和宏、衣装協力/プルオーバーシャツ¥25,300/クルニ(シアン PR TEL:03-6662-5525)パンツ¥41,800/セラー ドアー(アントリム TEL:03-5466-1662)
ソックス¥2,970/スタンス(スタンス カスタマーサービス TEL:0800-800-2380)
その他本人私物

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