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MONOが人気作『その鉄塔に男たちはいるという』をリメイク

ぴあ

20/2/11(火) 0:00

MONO『その鉄塔に男たちはいるという+』 撮影:西山榮一(PROPELLER.)

昨年から“結成30周年記念シリーズ”と銘打ち、新作や初の試みとなるコントを披露してきたMONO。そのラストを飾る公演『その鉄塔に男たちはいるという+』が2月13日(木)から全国5都市で上演される。

タイトルに“+”がついていない『その鉄塔に男たちはいるという』は、1998年に初演。映画化もされた『約三十の嘘』(1996年)や『―初恋』(1997年)などで、一躍、注目劇団となる中、笑いを散りばめながらも“戦争”というハードな設定を取り入れ、これまでとは異なる新たな一面を発信した作品だ。

物語は、とある戦争で外国に駐留する部隊に、4人の芸人たちが慰問部隊として送り込まれる。だが、恐怖心から彼らは逃げ出してしまい、近くの森の中にある鉄塔内に隠れる。戦争が終わるのを待ちながら、やるあてのないショーの練習を繰り返す芸人たち。そこに、脱走した新人隊員がやってきて……。

「最初は“鉄塔の上”という不安定な場所で芝居をするのが面白そうだという、単純な着想からスタートしたんです」と作・演出の土田英生。だが、その当時、日本を騒がせたニュースにも意識が向く。「テポドンが発射されて、戦争すればいいじゃん、というような意見が出てきて、すごく衝撃的で恐怖心を抱きました。それで万が一、戦争になったら……という不安を“鉄塔の上”という設定で書きました」。

この戯曲で、土田はOMS戯曲賞を受賞し、2001年にプロデュース公演として再演。以降、さまざまな団体が上演してきたが、MONOでは今回が約20年ぶりのオリジナルキャストでの上演となる。30代だったメンバーが現在50代となったことから、違和感のあるセリフや設定は改訂するという。さらに、タイトルに“+”とつけ、原作で描かれた物語の40年前の話を前編として加え、2018年に加入した4人の新メンバーも出演する。

「初演時はある程度のリアリティを持ちつつもファンタジーの物語として捉えることができたんですが、今の日本の現状でそのまま上演すると、想像力のない、そのままな話になってしまうことがひっかかりまして。新たな短編をつけることで、現在ともっと地続きになるんじゃないかと」と土田。

戦争というワードが加わると、イメージが偏ってしまいがちだが、そこは土田作品。「説教くさい芝居はしたくない。基本的には愚かで間抜けな登場人物たちがバカバカしい会話を交わす、愉快な話です」。

2月13日(木)から17日(月)まで兵庫のAI・HALL(伊丹市立演劇ホール)、2月22日(土)・23日(日)に長野・サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)大スタジオ、3月1日(日)に三重・四日市市文化会館 第2ホール、3月7日(土)・8日(日)に北九州芸術劇場 小劇場、3月13日(金)から22日(日)まで東京・吉祥寺シアターにて上演。

文:伊藤由紀子

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