こんにちは。森崎ウィンです。
この11月は歌の現場に呼んでいただくことが多くて、アーティスト・MORISAKI WINが少しずつ業界のみなさんに認めていただけているのかなって。そんな手応えと喜びを感じながら、ひとつひとつの現場と真摯に向き合っています。
直近でいえば、11月27日にNHK WORLD-JAPAN(2022年1月3日にNHK総合)で放送される『SONGS OF TOKYO Festival 2021』。今、世界で人気を呼んでいる日本のシティポップ特集のひとつとして、僕は松原みきさんの『真夜中のドア~Stay With Me』を歌いました。
他の方の曲をカバーするときに大切にしているのは、曲の中の印象的な部分をちゃんと残すこと。たとえば『真夜中のドア~Stay With Me』だったら、フェイクは後半からしか入ってないんですね。つまり、きっとここのフェイクに関しては聴かせたいところなんだろうなと。だから、僕もちゃんとリスペクトを払う。自分の良さは出しつつ、そこは意識して歌っていますね。
今回、歌の現場に呼んでいただいて、自分なりに成長を感じられたことがあったんですよ。当日、現場でご一緒するコーラスの方はほとんど初めましての方ばかり。そういう方たちに対して、「僕はここでブレスを入れるんで、合わせてもらえますか」とか「ここはメインをいってください。僕は上でフェイクを入れるので」とか、ちゃんと自分のイメージを伝えられるようになったのは、すごい成長だなと思います。
たぶん自分のことがわかってきたというのが大きいのかなと。楽譜を見たときに、こんなふうに歌いたいという曲の解釈をちゃんと自分で考えられるようになった。普段自分のチームでやっているときから、自分はどうしたいというのを積極的に発信するようにしていたんだけど、それを外現場でもできるようになってきた。この1年以上の間、一生懸命積み重ねてきたことがちゃんと自分の力になっているんだなって実感しました。
『SONGS OF TOKYO Festival 2021』では、山下達郎さんのバックバンドを務めるギタリストの佐橋佳幸さんとご一緒したんですけど、そうやってコーラスのみなさんとコミュニケーションをとっている僕に対して、「すごくいいアイデアだね」と褒めてくださって、可愛がってもらえたのもうれしかったなあ。
1年前、『パレード – PARADE』のプロモーションでいろんな音楽番組に出させていただいたんですけど、一発目は緊張でガクガクで。コロナ自粛で歌現場にも距離があったせいか、右も左もわからなくなったのは生まれて初めてっていうくらい頭が真っ白になった(笑)。それを思えば、この1年でだいぶミュージシャンらしくなってきたのかなと。
でも、だからと言って、慣れず、驕らず。ひとつひとつの現場で全力を尽くすことが、次につながっている。今がいちばんの成長期。そう信じて、常に自分にチャレンジを与え続けたいですね。
あとは、この土日も2本、歌の現場がありました。ひとつめが、映画『ディア・エヴァン・ハンセン』。いつか日本でこの作品がミュージカルとして上演されることになったら、絶対に僕がやりたい!と本気で思っているくらい大好きな作品が、26日から劇場公開となります。そのプロモーションとして、『You Will Be Found』という曲を歌わせてもらいました。
今回は英語で歌わせてもらったので、発音だったり言葉の持っていき方も、しっかり自分に落とし込むことを大事にして。あと、本編では大人数で歌っているナンバーなんですけど、今回はオケ音源をベースに僕とコーラスの麦野さんだけで歌わなくちゃいけなくて。その中でどう見せるかということは僕の方からもアイデアを出させてもらいました。
『You Will Be Found』は歌詞もいいし、聴いているだけで力がわいてくる。『ディア・エヴァン・ハンセン』という作品自体が本当にいい曲ばかりなんですよ。ぜひみんなにも観に行ってほしいです!
そして、日曜は『地球のミライ コンサート』がありました。ここでは、マイケル・ジャクソンの『Heal The World』と、僕の『Love in the Stars -星が巡り逢う夜に-』と、坂本九さんの『見上げてごらん夜の星を』の3曲を歌わせてもらいました。
まさかマイケルの曲を僕が歌う日が来るとは思わなかったですね。特にこの『Heal The World』はメッセージ性の高い曲だし、今まさに歌う意味のある曲。マイケルはおばあちゃんが大好きで、子どもの頃からずっと聴いていたけど。すごく難しいというのもあって、どちらかというと自分が歌うというより、聴いてテンションを上げる曲というイメージでした。人前でがっつり歌ったことってなかったから、このタイミングで今の自分が歌わせてもらえることは光栄だし、どうしよう、自分にできるのかなって、めちゃくちゃドキドキもした。
僕の中でマイケルは、人間社会をより良くしようとした人。いちアーティストでありながら、人が忘れてはいけないことや、この世界のあるべき姿をずっと歌い続けていたのがマイケルだったと思っています。『Heal The World』は本当に歌詞が良くて。今回歌わせていただくにあたって改めてじっくり聴いたんですけど、聴いているだけで涙が出てきたからね。
この曲が発表されたのは1991年。1991年は湾岸戦争が起きた年で、そんな悲しい現実に対するマイケルのメッセージが曲につまっています。聴いていると、なんで同じ人間同士、戦っているんだろうって思うんですね。マイケルは生前からずっと「とにかくLOVEなんだ」ということを繰り返し発信してきたけど、マイケルの伝えたかったことをこの歌詞を読んで改めて感じました。
人の曲をカバーするのって、すごく発見や学びがある。毎回誰かの曲を歌わせてもらうたびに、いろんなものを得られているなと思います。それを糧にして、もっとより良いエンターテイナーになっていきたい! そう改めて決意した11月でした。
では、またね。
森崎ウィンでした!
プロフィール
森崎ウィン
1990年生まれ、ミャンマー出身。小学校4年生の時に日本へ渡る。2008年よりダンスボーカルユニット・PRIZMAX(現、解散)のメインボーカルとして活躍した。俳優としても様々な映画、ドラマ、舞台に出演し、2014年には『シェリー』で映画初主演を務める。2018年、日緬共同制作映画『My Country My Home』に出演、そのスピンオフであるドラマ版『My Dream My Life』では主演を務め、現地のテレビ局mntvで冠番組「Win`s Shooow Time!」を持ち、様々な広告に出演するなどミャンマーで大ブレイク。スティーブン・スピルバーグ監督『レディ・プレイヤー1』のオーディションでメインキャストであるダイトウ/トシロウ役に抜擢され、ハリウッドデビューを果たした。近年の映画出演作に、『海獣の子供』『トゥレップ』『蜜蜂と遠雷』(19)、『キャッツ』(20)などがある。映画『蜜蜂と遠雷』で第43回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞。またメ〜テレ制作の連続ドラマ『本気のしるし』(19)にて初の連ドラ主演を果たした。2020年は世界中で再演を重ねているミュージカルの金字塔「ウエスト・サイド・ストーリー」の日本キャスト版Season2(主演:トニー役)に出演。
撮影/奥田耕平、取材・文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹、ヘアメイク/KEIKO、スタイリング/添田和宏、衣装協力/ブルゾン¥50,600/バラクータ(バラクータ カスタマーサービス TEL:0120-165-006)
長袖カットソー¥25,300/アタッチメント(シアン PR TEL:03-6662-5525)
中に着たニット¥38,500/オーハル(ジョワイユ TEL:03-4361-4464)
パンツ¥19,800/ウールリッチ(ウールリッチ カスタマーサービス TEL:0120-566-120)
ソックス¥2,090/タビオ(タビオ株式会社 TEL:0120-315-924)
シューズ¥41,800/リーガル シュー & カンパニー(リーガル シュー & カンパニー TEL: 03-5459-3135)
その他本人私物