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高良健吾「30代だからこそ演じられた役」 『アンダー・ユア・ベッド』安里麻里監督と撮影の裏側を語る

リアルサウンド

20/1/9(木) 16:00

 1月8日、代官山蔦屋書店にて『アンダー・ユア・ベッド』Blu-ray&DVD発売記念トークイベントが行れ、安里麻里監督、高良健吾が登壇した。

 『アンダー・ユア・ベッド』は、大石圭の同名原作を映画化したサスペンスドラマ。他人から存在を無視されてきた男が、愛する女性をベッドの下から監視し続ける狂気の愛を描く。『呪怨 黒い少女』や『リアル鬼ごっこ』シリーズを手がけた安里が監督を務め、高良、西川可奈子、安部賢一、三河悠冴、三宅亮輔がキャストに名を連ねた。

 本作で高良が演じた三井直人は、恐ろしく存在感がなく、30年間名前で呼ばれたことがないという異色の人物像。高良のキャスティングはかなり初期段階で決まっていたそうで、「普通は脚本ができてからキャスティングするのですが、プロデューサーと話し合いをしてこのキャラクターは高良さんがいいのではないかと打診しました」と安里監督。

 続けて、安里監督は「『ラストシーンで自分がどんな顔をするんだろう、それが台本を読んで思ったことでした。だから演じてみたいんです』と最初に高良さんは語っていたんです。普通の役者さんだと、『最後はどんな顔をすればいいんですか?』と監督に聞いてしまうと思うのですが。この言葉を聞いて、高良さんにオファーして間違いなかったと思いましたし、会ってすぐに本音でぶつかり合うことができました」と当時を振り返った。

 高良は昨年は連続ドラマ『モトカレマニア』(フジテレビ系)にも出演していたが、『アンダー・ユア・ベッド』の三井は真逆とも言っていい役柄。「実生活にも影響が出ないか心配だった」と語る安里監督に対し、高良は「役に引きずられるのは嫌なんです。逆も同じで、僕自身が演じる役に“漏れる”のも、絶対に嫌でした。だって、それは作品にはいらないことですから。でも、演じる以上は少なからず出てしまうので、それを分かった上で演技をコントロールしたいと思っていました。三井も20代の僕だったら自分自身と常に同化していないといけないと思っていたように思います。でも、それは作品に対して正しいアプローチになるとは限らない。経験を重ねて30代の今だったからこそ演じられた役だったと思います」とコメント。

 安里監督も現場ではその意識を感じていたそうで、「三井になるときと、そうではないときのスイッチを意識的に入れている感じはしました。ただ、メイキング映像で振り返ってみると、やはり今日の雰囲気とは全く違う高良さんでした(笑)。“憑依系”だけど、憑依系ではないフリをしている役者なのかと」と語った。それに対し、高良も「“憑依系”なんて自分で言ったらヤバいじゃないですか(笑)。人それぞれの役の向き合い方があると思うので、役に憑依することが悪いことではないと思いますが、いつもいつも憑依することができるわけではない。僕もいろんなアプローチを試しながら、その都度新しい発見をしています。それが役者の面白さででもある」と、自身の役作りの方法についても言及。

 トークショーの司会を務めた、代官山蔦屋書店シネマコンシェルジュの吉川明利氏が「三井の声の出し方が良かった」とコメントすると、高良は「演じるときは“役の声”を常に探しています。台詞として目立ち過ぎないようなその役になることができる声ですね」と自身の演技アプローチを明かした。(石井達也)

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