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森七菜、上白石姉妹ら“歌える女優”が活躍中 音楽がパーソナリティーのアピールに

リアルサウンド

21/2/2(火) 8:00

 「俳優×歌」という組み合わせには特別な魅力がある。かつて「MajiでKoiする5秒前」で歌手デビューをし『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)にも出場した広末涼子、日本武道館でイベントを成功させた新垣結衣、CMソングを超えて「海の声」がMV再生回数1億回を突破した桐谷健太、「まちがいさがし」が国民的ヒットソングとなった菅田将暉と性別を問わず、いつの時代にも必ず歌える役者は存在している。

 そのサイクルは新たなフェーズを迎え、特に2020年は女優が歌手としても活動するケースが多く見られたように思える。

森七菜 スマイル Music Video

 その筆頭と言えるのが、ホフディランのカバー曲「スマイル」がヒットを生んだ森七菜だ。『オロナミンC』のCMソングが話題を呼び、年末には『ミュージックステーション ウルトラSUPER LIVE 2020』(テレビ朝日系)にも出演。MVの再生回数は2000万回を超えており、影を落とす日本に“スマイル”を与えてくれた。主演を務めた『この恋あたためますか』(TBS系)や朝ドラ『エール』(NHK総合)など、女優として飛躍を遂げた2020年であったが、ほかにも『ZIP!』(日本テレビ系)のパーソナリティーや多くのバラエティ番組にも出演。そこで見せる天真爛漫で飾らない姿の森七菜が、この「スマイル」のイメージとマッチしていたのも、ヒットの理由のひとつに挙げられるだろう。

 『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)以降、今年も主演ドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)が話題を呼んでいる上白石萌音は、女優業と並行して昨年、初のオリジナルフルアルバム『note』をリリースしている。彼女といえば、2016年に自身がヒロイン役を演じた劇場アニメ『君の名は。』の主題歌「なんでもないや」が印象深い。その野田洋次郎(RADWIMPS)とのタッグはもちろんのこと、YUKIや橋本絵莉子、水野良樹(いきものがかり)といった豪華アーティストが参加した『note』は、上白石萌音の表現豊かなボーカルを最大限に引き出している。彼女が出演した『ほんとにあった怖い話 2020 特別編』(フジテレビ系)内の「あかずの間を造った話」での演技は、昨年筆者が驚かされた役のひとつであったが、上白石萌音のまだまだ底知れない魅力は歌手としても垣間見える。

adieu [ よるのあと ] (α7C Creative Journey Edition)

 妹の上白石萌歌も昨年はCMで「キリンレモンのうた」を清涼感ある歌声でお茶の間に響かせていた。また、彼女は「adieu」として歌手活動を行っており、2017年に『キリン 午後の紅茶』のCMで話題になったスピッツの「楓」を配信リリースしている。透き通るボーカルは姉妹共通。その別名義が象徴しているように、よりアーティスティックな印象をadieuからは受ける。

 CMソングつながりでいえば、池田エライザは今年1月1日よりオンエアとなっているau「三太郎シリーズ」で親指姫として「みんなってエブリワン!」を歌唱している。2017年リリースの米津玄師のアルバム『BOOTLEG』でも「fogbound(+池田エライザ )」として参加している池田は、『2020 FNS歌謡祭 夏』(フジテレビ系)や『ベストアーティスト2020』(日本テレビ系)など多くの音楽特番でカバーを披露してきた。椎名林檎の「ここでキスして」や中島みゆきの「時代」など、艶っぽい歌声がほかの女優にはない声色だ。

清原果耶 – 1st Single「今とあの頃の僕ら 」(Music Video)

 現在公開中の『花束みたいな恋をした』をはじめ、今年多くの出演映画が封切りとなり、次期朝ドラ『おかえりモネ』(NHK総合)のヒロインも決定している清原果耶は、昨年ビクターエンタテインメントからCDデビューを果たした。2019年にも映画『デイアンドナイト』で野田洋次郎プロデュースによる「気まぐれ雲」を配信リリースしている清原。昨年は『宇宙でいちばんあかるい屋根』で映画初主演を飾り、Coccoプロデュースにより主題歌「今とあの頃の僕ら」を担当している。そのサウンドディレクションは、彼女の清らかな歌声とその佇まいまでをもイメージとして膨らませる。

橋本愛 – 木綿のハンカチーフ / THE FIRST TAKE

 これまで歌手としてのイメージがなかったからこそ、その歌が大きな話題を呼ぶこともある。昨年のクリスマスに「THE FIRST TAKE」で突如公開されたのが、橋本愛が歌う「木綿のハンカチーフ」だった。「あんまりきれいに歌わなくていいかな、と力の抜けた感じでできました」とコメントしているように、優しく語りかけるような歌声からは、より歌詞のメッセージがスッと入ってくる。徐々に声がかすれ、涙声になっていくラストの展開は歌詞の世界に没入する橋本とその心情を歌声に乗せようとする表現力が混じり合った名パフォーマンスだ。

 俳優だけでなく歌手としても活動できるというのは、その人気と歌唱力、さらに表現力が合わさって成り立つものだ。歌番組への出演により、さらなる層へのアプローチができるだけでなく、例えば森七菜であれば天真爛漫というようなパブリックイメージを分かりやすく示すことができる。もちろん、その膨れ上がったイメージ像、先入観とはかけ離れた演技で、一気に心を掴むことができるのも俳優としての魅力だ。『ミュージックステーション』への出演が発表されている池田を代表に、今後も音楽・演技、両面での活躍が楽しみでならない。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
火曜ドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:上白石萌音、菜々緒、玉森裕太、間宮祥太朗、久保田紗友、亜生(ミキ)、秋山ゆずき、太田夢莉、高橋メアリージュン、なだぎ武、高橋ひとみ、倉科カナ、ユースケ・サンタマリア
脚本:田辺茂範
演出:田中健太、石井康晴、山本剛義
プロデューサー:松本明子
編成:宮崎真佐子
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS

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