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富山市議の不正追う「はりぼて」は「笑えなくなるコメディ」、監督と本木克英がトーク

ナタリー

20/8/16(日) 23:00

「はりぼて」初日舞台挨拶の様子。スクリーン下段左から砂沢智史、五百旗頭幸男。舞台右手が本木克英。

「はりぼて」の初日舞台挨拶が本日8月16日に東京・ユーロスペースで行われ、監督の五百旗頭幸男と砂沢智史、ゲストの本木克英が出席した。

本作は、富山のテレビ局・チューリップテレビが地方政治の不正に挑んだ4年間を追うドキュメンタリー。2016年に富山市議会議員14人をドミノ辞職に追い込んだ政務活動費不正を巡る調査報道と、その後の議員のさらなる腐敗した姿を捉えている。

チューリップテレビで不正調査の報道に携わった五百旗頭と砂沢。五百旗頭は製作のきっかけについて「4年前に富山市議会の不正を追及するドキュメンタリー番組を製作したのですが、その後4年間、市議会は本質的には何も変わりませんでした。そんな状況を許してしまっているのは、市民であり、僕たちメディアであると思い至り、矛先を内部に向けなければならないと思い、製作しました」と述べる。

自身も富山出身である本木は「市議たちの不正に真正面から迫っただけではなく、取材の矛先を自分たちに向けて、身を晒して描き切ったというところが素晴らしい。すごみのある、強い映画になったと思います。お二人のような方がいらっしゃれば、日本のジャーナリズムもまだまだ捨てたものじゃないな、と明るい気持ちになりました」と絶賛。本作を「基本的にコメディとして作った」と語る五百旗頭は「瞬間的な笑いではなく、観ている人の心に突き刺さり、最後には笑えなくなる、そんなコメディになったかと思います」と説明した。

最後に五百旗頭は「このコロナ禍で、政治の腐敗を放置していると大変な影響があると体感した方も多いかと思いますが、このような問題は日本全国どこでも起こっていることだと思います。少しでも政治に目を向けるきっかけになれば幸いです」と言及。砂沢は「これは富山で、そして恐らく国政でも実際に起きていることです。この映画が身近な政治に目を向けるきっかけになればと願っています」と願いを込めた。また、富山・ほとり座で10月31日から上映されることも明らかに。ほとり座支配人・田辺和寛からのコメントは以下に掲載している。

田辺和寛(ほとり座支配人)コメント

我々の生活のあらゆるところに存在している「はりぼて」。政治やメディアだけのそれではない。それに気づけるのか、気づけないのか、気づかないフリなのか、変われないのか、変わろうとしないのか。自分の中にある「はりぼて」を剥がせるのか? 他人事だという感覚から抜け出し、当事者となれるのか? そんな問いにすら思える、ちょっと笑えるドキュメンタリー映画です。自分で選択できる時代だからこそ、自分の目と感覚でこの映画「はりぼて」を確かめてみてください。

(c)チューリップテレビ

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