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声優 下野紘、アーティスト活動に区切り 成長と挑戦を繰り返してきたこれまでを振り返る

リアルサウンド

20/8/28(金) 12:00

 アニメ『鬼滅の刃』(TOKYO MXほか)の我妻善逸、『うたの☆プリンスさまっ♪』の来栖翔など人気作品に数多く出演する他、『CDTV ライブ!ライブ!』(TBS系)のナレーションを務めるなど、幅広い活動で知られる人気声優・下野紘が、8月19日に1stアルバム『WE GO!』をリリース。同作をもってアーティスト活動を一旦休止することが、8月3日にYouTubeで配信した発売記念生放送内で発表された。ここでは、約4年におよんだ下野のアーティスト活動を振り返る。

【下野 紘】「WE GO! -On Your Mark-」MV short ver.【1stアルバム「WE GO! 」収録曲】

屈託のない笑顔と無邪気さ

 『鬼滅の刃』の我妻善逸や『進撃の巨人』(NHK総合)のコニー・スプリンガーなど、マスコット的な魅力を放つ愛されキャラクターを数多く演じてきた下野。実際の彼自身も、少年のような無邪気さと屈託のない笑顔でファンに愛されている。そんなキャラクターもあってか、近年は『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』(日本テレビ系)のコーナー「ネタ掘れワンワンの旅」にて、シベリアンハスキーのジャーマンの声を演じたほか、人気YouTuberユニットをモチーフにしたアニメ『浦島坂田船の日常』(TOKYO MXほか)での爆弾音声といったユニークな仕事も増えている。バラエティの勘も良く、盟友=小野大輔とハチャメチャな旅を繰り広げることで人気の『どこでもクエスト』(BS11)は、続編が2021年1月から放送・配信の予定だ。

 これまでも数多くのキャラクターソングを歌い、『うたの☆プリンスさまっ♪』ではST☆RISHのメンバーのひとりとして、2017年にメットライフドームでのライブも成功させている。ソロアーティストとしては、2016年にシングル『リアル -REAL-』でデビューし、これまでに4枚のシングルとミニアルバム『Color of Life』などをリリース。昨年リリースした最新シングル『Soul Flag』は、自身がオオハシ役で出演したアニメ『アフリカのサラリーマン』(TOKYO MXほか)のオープニングテーマとして好評を得た。年に1〜2作ずつコンスタントにリリースを続け、ワンマンライブも毎年開催。2016年には神奈川・パシフィコ横浜国立大ホール、2018年には東京・豊洲PITでライブを行い、それぞれ成功させている。

【期間限定 Full】下野 紘「Soul Flag」Music Video

聴く者を熱くさせるチャレンジ精神

 ソロアーティストとしての下野は、多くの楽曲で作詞や作曲に参加し、熱いロックサウンドと共に力強い世界観を表現。親しみやすい人柄とは少し異なる、凜々しい一面でファンを魅了してきた。例えば、デビュー曲となった「リアル -REAL-」は、敷かれたレールの上を行くのではなく、自分の足で道を選んでいくことを力強く歌ったナンバーだ。「ONE CHANCE」や「Running High」といった楽曲でも、ソロの音楽活動という未知なる世界にチャレンジすることへの思いをパワフルに歌い上げ、そんな不安や葛藤を乗り越えて突き進む前向きさが、多くのファンの胸を熱くさせたのだった。

【期間限定 Full】下野 紘「リアル -REAL-」Music Video

 今作『WE GO!』には、「リアル -REAL-」のボーカルを新録したバージョンも収められている。発売記念生放送の中で下野は「当時はがむしゃらに歌っていた。いろいろな歌い方を経験し、(今では)楽曲に対する思いをより深く表現できた」と、この新録バージョンに対する思いを語っている。そんな成長を強く感じられるが、下野が作詞作曲を手がけたロックバラード「アトサキ」だ。別れた相手の幸せを祈る気持ちを哀愁たっぷりに歌った曲で、自分の道を脇目も振らず突き進むような姿とは一転、下野の優しさや一途さに触れることができ、この曲を通して彼のアーティストとしての伸びしろを感じたファンも多いはずだ。それだけに、今回の活動休止は残念でならない……。

下野紘「アトサキ」

 もともとソロとしてのアーティスト活動は、声優デビュー15周年を記念して活動の幅を広げるひとつの取り組みとして始めたものだった。人気作品を多数抱える今、その本分をおろそかにしては本末転倒であることから、音楽活動の休止を決めたのだそうだ。だが、アーティスト活動という新しい世界を経験したことが、今の声優としての下野の人気に繋がったと言えるだろう。そんな彼が脇目も振らず、今度は声優だけに向き合ったとしたら、一体どんな演技を見せてくれるのか興味が沸いてくる。その経験を糧に、再び音楽と向き合ったとしたら……下野の決断にエールを贈ると共に、新たなチャレンジを楽しみに待ちたい。

■榑林 史章
「山椒は小粒でピリリと辛い」がモットー。大東文化大卒後、ミュージック・リサーチ、THE BEST☆HIT編集を経て音楽ライターに。演歌からジャズ/クラシック、ロック、J-POP、アニソン/ボカロまでオールジャンルに対応し、これまでに5,000本近くのアーティストのインタビューを担当。主な執筆媒体はCDジャーナル、MusicVoice、リアルサウンド、music UP’s、アニメディア、B.L.T. VOICE GIRLS他、広告媒体等。2013年からは7年間、日本工学院ミュージックカレッジで非常勤講師を務めた経験も

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