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超特急 1年4カ月ぶりの有観客ライブレポート「いつかこのペンライトのように光あふれる日々を」

ぴあ

超特急「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2021 SPRING 『Hoopla!』」

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5人組ダンス&ボーカルグループ超特急の「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2021 SPRING 『Hoopla!』」が6月4日にぴあアリーナMMにて初日を迎えた。約1年4ヶ月ぶりとなるワンマンの有観客ライブ。会場には開演前から8号車(超特急のファンの呼称)のワクワクと熱気があふれていた。BGMの『Kiss Me Baby』に合わせるようにしてカラフルなペンライトが揺れる。そして定刻――発車ベルが鳴り響き、その時が訪れた。

メンバー紹介の映像が流れて期待が最高潮に達した瞬間、ド派手な特攻と共にメンバーカラーのチェックの衣装に身を包んだ5人がステージへと飛び出した。
「みんな会いたかったよー!」という声と共に始まった1曲目は『What’s up!?』。言わなくても分かる、5人のとびきり楽しそうな表情に自然と8号車の体が弾む。挑発的なユウキの表情で始まったのは『Kiss Me Baby』。カイが「クラップ!クラップ!」と煽り、早くも会場の一体感が高まっていく。

「さあドライブの時間だ。シートベルトをしっかりして振り落とされないようにな」というリョウガの美声で始まった『Drive on week』ではコール&レスポンスも。もちろん、会場では大声は控えるようになっていたが事前に超特急の「8号車の声が聞きたい」という思いから、事前に音声を録音したものを募集し、会場で流していた。ライブに来られる8号車も来られない8号車も一緒にライブを作り上げるのだという彼らの気持ちが垣間見える。
更に『超えてアバンチュール』でボルテージが上がったところで、5人から挨拶が。

カイから始まった自己紹介はそれぞれ「会いたかったよー!」という言葉も添えて。8号車とのコミュニケーションもバッチリだ。メンバーからの言葉に応えるようにペンライトをくるくると回し、1年以上ぶりだということを感じられない阿吽の呼吸。

「みなさんもっとフープラしていきましょう!」

リョウガの「みなさんもっともっとフープラしていきましょう!」という言葉に続き、しっとりとした男女のアニメーションが流れたあとはカジュアルな衣装に着替えた彼らが『Pretty Girl』を披露。マネキンに向かってバラを差し出す演出では、ユウキがリョウガのバラを奪い合うコミカルなやりとりを見せる場面も。カジュアルな衣装とバラの組み合わせも意外なほどに心をくすぐる。

『up to you』に続き、怒涛のメドレーへ。『My Buddy』、『Clap Our Hands!』、『POLICEMEN』、『No.1』、『PUMP ME UP』と超特急の魅力をギュッと詰め込んだ選曲に。
曲間の映像でも飽きさせない。はっちゃけた夏スタイルでかき氷を食べたり、暑すぎる夏を避けるように室内で釣りのおもちゃに興じる。さらには甚平スタイルで動画を撮ったり、楽し気な夏の過ごし方に思わずにっこりとしてしまう。と、くれば披露するのは『Summer love』だ。「Hoopla!」のロゴが散りばめられたピンクの衣装に、サングラス姿で暑すぎる夏を歌い上げる。サングラスを外し、キラキラと舞う紙吹雪の中歌う彼らを見ていると梅雨を飛び越えて本当に夏がやってきたような気持ちになる。更に久しぶりの披露となった『Make it hot!』と夏のナンバーで気分を盛り上げていく。

MCではリョウガ「衣装が良い」という言葉に衣装はタクヤが、そしてロゴの「Hoopla!」をカイが担当してことが明かされた。

そして話題はメンバーの髪形について。まず指摘されたのはユウキの髪色。リョウガの「まさかの俺推しか!?」という通り、ユウキは紫に。「そのくだり、EUPHORIA(2019年ツアー)でもあったよ」とリョウガにツッコミを入れつつ、「気合いを入れてきました」とのこと。カイは髪色が白になり「何年振りかは分かんないぐらい白は久々。銀とかはやっていたんだけど」とコメントした。

一番大きな変化があったのがタカシ。長かった髪をバッサリと切ってファンだけではなく、メンバーも驚かせた。リハのときに髪が短くなったタカシを見たというメンバーは、最初誰だか分からなかったのだとか。「仕事先の方に差し入れをもらったから渡しに行こうと思って行ったら……」とタクヤ。驚きの声に別の楽屋にいたメンバーまで集まる事態に。あまりのイメチェンに「スタジオ入ったときマネージャーさんにも気づかれなかった」(タカシ)と明かした。2年ぶりに髪を短くなったというタカシに、会場からは拍手が。「どんな僕も好きでいてくれてありがとうという気持ちでいっぱいなんですけど」とタカシもはにかんで見せた。

「1年ぶりに借りを返しに…」

超特急らしいやりとりを見せながらも、客席とのコミュニケーションにカイは「やっと会えた」と笑顔を見せ、それぞれが感慨深げに口を開く。 実は昨年、ぴあアリーナMMでライブをする予定だった超特急。「1年ぶりに借りを返しに来たというわけじゃないけど」とカイが言ったようにある意味、思いが強い会場となっていた。

リョウガにここまでのライブについての想いを取られたユウキは「シンプルに楽しんでほしいな、と。今回最多じゃないですか、曲数は。本当に今までたまっていたストレスとかを何かしらの曲で発散してもらえたら」と言うと、カイも「宝箱みたいに詰め込んでね」とうなずく。そしてライブは「今回はかなり二度ないようなスペシャルなんじゃないでしょうか」というユウキの言葉にふさわしい「8号車が選んだランキングコーナー」へ。
これは「8号車と創り上げるライブ」をコンセプトとして事前に募集されたテーマに沿って8号車が曲を投票するというもの。

まず発表されたのが「会えない時期に聴いた曲ベスト5」。1位となった『a kind of love』は超特急がステージで披露する形で発表された。リョウガが「これには納得」と言うと、メンバーも大きく頷く。

続いて「セクシー曲ベスト5」。第5位には『激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームわ〜るど』がランクインし、メンバーは首を傾げるシーンがあったが、リョウガ「激おこという感情はある意味セクシーかな」と胸を張った。ただ、その分、8号車がステージで観たい、という思いが強いと言えるのだろう、ということ。またいつかステージで観られることを期待しよう。そして1位となった『We Can Do It!』はセクシー曲にふさわしいステージを。表情だけではなく、それぞれが向き合い濃厚なダンスで8号車を魅了した。
しかし、超特急のふり幅の大きさは「もう一度見たい聴きたい超特急の楽曲」で存分に発揮されることとなる。

カイとリョウガによる『LIBIDO』ではイントロが流れ、2人の姿が見えると会場からはこらえきれない声が漏れる。さらにタクヤの『Cosmic岬』でも会場はざわめき、ラストはユウキとタカシがキュートな女装姿で『キャンディ・ナイト』でコーナーを締めくくった。会場からは漏れ出る声をこらえているのが分かり、8号車が待ち望んでいた曲だということがよくわかる。ユウキは「会えない時間があったからこそ生まれた企画」とコメントしたが、絆をより強めた企画だったと言えるのかもしれない。

「8号車との絆があってこそのライブ」

そしてライブは終盤へと差し掛かるが、トップスピードのまま超特急は走り続ける。スモークの中から衣装をチェンジした5人が登場し、披露したのはジャズサウンドにコミカルな歌詞を乗せた『Table Manners』を緩急のあるダンスで魅せる。「会えない時期に聴いた曲ベスト5」にもランクインしていたダンスナンバー『Fantasista』は大人っぽい雰囲気を醸し出し、大人の表情も垣間見せる。さわやかな『Asayake』のあとにはユウキのラップで始まる『Booster』。ダンサー陣のラップをしながら目まぐるしく変わるフォーメーション、アクロバティックなダンス……とここに来てさらにボルテージを上げてくれるのが超特急だ。カイの「ラストスパート!」という言葉と共に『Burn!』、『バッタマン』でテンションを振り切る。

「楽しい時間もあっという間で残りわずかとなってしまいました」とリョウガが切り出し、最後の曲を前にメンバーそれぞれから8号車に向けてメッセージが届けられた。
カイは「まずはぴあMMに来る選択をしてくださった皆さまありがとうございます」と来場への感謝を改めて述べた。「中には昨今の事情もあり今日ここに来ないという選択をした方もいらっしゃると思うんですけども、来てくださったみなさま、来られなかった皆さま、いろんな方の想いを背負って、僕ら1年4ヶ月分を思いを込めてパフォーマンスさせてもらいました。この1年4ヶ月の間に思ったことはいろいろあったんですけどとにかく今日がめちゃくちゃ楽しかったです!」と笑顔を弾けさせた。

タクヤは「『Toooooo8』(2020年ファンクラブツアー)から約1年半の時間は進んでいるんですけど、自分たちの時間は止まったまま何をすればいいんだろうって応援の糧にもなってあげたいな、と思いつつもなかなかこう面と向かって合わせられない日が続いたんですけど」とこれまでの不安な想いを垣間見せた。「でも、今日こうやってお久しぶりに会えてもちろん、コロナは大変ですけど、決してネガティブじゃないな、無駄な時間ではないって いうのが再確認できたし、超特急と8号車の絆があってこそより会えない時間があっても強くなれるんだなというのを今日のライブを通して思いました」と絆を確かめ合った。

ユウキは「やっぱり俺らの場所って会場を通して8号車のみなさんと一緒にライブをしてる今が一番の居場所だな、って改めて痛感しました。本当に今日、いろんなことを忘れるために来てくださったと思うんですけど、そんな少しのきっかけにできていたら、僕たちは嬉しい限りです」そして、大きく手を広げ、「今日はアリーナから、2階から3階からみなさんお越しくださり、ありがとうございました」と会場ごと抱きしめるようにして感謝を口にした。

タカシも「本当に大変なことがいっぱいあったと思うんですけど、その中でもこうやってライブに来てくださり、本当に嬉しいな、という気持ちでいっぱいになっています」とライブができる喜びを語った。「ライブができない中で僕もメンバーも、やっぱり8号車がおらんとあかんな、と気づかされました。いまこうやってみんなの顔を見ながらライブをできていること本当に嬉しいし、幸せな時間を送れているな、と痛感しています」と笑顔で伝えた。
最後にリョウガは「久しぶりの8号車を含めたライブということで、本当に本番直前までどうしよう、と思っていたけど、8号車のみなさんの目の前に立てた瞬間に、マスク越しでもわかる幸せな表情と言いますか、というのをすごく感じました」と語り、「『Hoopla!』は始まったばかりでございます。最後までケガなくと言いますか、悲しいお知らせとか全くなく、安全に最高を更新しながら楽しんで行きたいと思っています」とこれからのツアーへの意気込みを口にした。

「いまこんな世の中ですけど本当に暗い中でも幸せなことを感じる日々っていうのがあります」とユウキ、「みなさんの中でも心が落ち込むときとかがあると思うんですけど周りを見たら、小さな光がどんどん広がっていって、いつしかまたこのペンライトのように光あふれる日々が来ると願って、次の曲を披露したいと思います」という言葉に続いて、最後の曲となったのは『Yell』。タカシの伸びのある声に、感情豊かなダンスが乗り、そんな彼らをペンライトが彩る。8号車と再会できた喜びとこれからを歌っているようにも思える曲は、きっと会場にいたすべての人の心にエールを送り、温かな気持ちで包み込んだのではないだろうか。

トップスピードで走り抜けた本編。8号車からの手拍子に応えたアンコールでは『gr8est journey』、『走れ!!!!超特急』を披露。ステージの端から端まで駆け回り、8号車の声に応え続けた。

ライブ後には11月23日にさいたまスーパーアリーナでワンマンライブ『BULLET TRAIN 10th Anniversary Super Special Live“Dance Dance Dance”』を行うことを発表し、8号車を喜ばせた。結成10周年を前に、またきっと、宝物になるような瞬間を共有してくれるに違いない。

-SET LIST-

1. What’s up!?
2. Kiss Me Baby
3. Drive on week
4. 超えてアバンチュール
5. Pretty Girl
6.up to you
7. My Buddy
8. Clap Our Hands!
9. POLICEMAN
10. No.1
11. PUMP ME UP
12. Summer love
13. Make it hot!
14. a kind of love
15. We Can Do It!
16. LIBIDO
17. Cosmic 岬
18. キャンディ・ナイト
19. Table Manners
20. Fantasista
21. Asayake
22. Booster
23. Burn!
24. バッタマン
25. Yell

ENCORE
EN1. gr8est journey
EN2. 走れ!!!!超特急

取材・文/ふくだりょうこ

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