Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

SuperM、様々なジャンル昇華した1stアルバム『Super One』 自在なパフォーマンスで体現する“K-POPの多国籍化”

リアルサウンド

20/10/3(土) 6:00

 デビューEPが全米アルバムチャート、Billboard 200で1位を獲得したSuperMが9月25日に待望の1stフルアルバム『Super One』をリリースした。すでに8月14日と9月1日には先行シングル「100」「Tiger Inside」を発表しており、「100」はアメリカ・ABC『グッド・モーニング・アメリカ』、2回目の出演となった『エレンの部屋(The Ellen DeGeneres Show)』では「One (Monster & Infinity)」のパフォーマンスを初公開した。日本の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)でも「100」「One (Monster & Infinity)」のパフォーマンスを披露している。

 9月25日には、各国から記者が参加したオンライン公開インタビュー会見も行われた。インタビューは韓国語で行われたが、冒頭ではマークが英語、テミンが日本語、ルーカスが中国語、テンがタイ語と、メンバーがそれぞれの母国語や勉強中の言語などでも挨拶し、多国籍メンバーから構成されグローバルに活躍するSuperMならではの場面を見せた。

 アルバムの内容については、リーダーのベクヒョンが「さまざまなジャンルの曲が入っているが、SuperMとしてのカラーが際立つ内容になっている思う。多くの方に『Super One』を通してSuperMのカラーがどんなものか確認して欲しいです」とジャンルについて説明すると、カイが「今は大変な時期ですが、一緒にひとつになって乗り越えようというメッセージがあります。希望を込めたアルバムで、僕たちのアルバムを聴いてたくさんの希望を持って欲しいと思います。それだけではなく、気楽な気持ちで小さな幸せも感じて欲しい」とアルバムに込めたメッセージについて語った。

SuperM 슈퍼엠 ‘One (Monster & Infinity)’ MV

 タイトル曲の「One (Monster & Infinity)」は、アルバム収録曲である「Monster」と「Infinity」をひとつに合わせて誕生したハイブリッドなリミックス曲。「カラーの全く異なる2つの曲を1つにするというその過程が僕たちにとってはとても楽しく、新しいことに挑戦するという達成感を感じました。SHINeeの『Sherlock』もハイブリッド・リミックスだったんですが(『Sherlock』はアルバム収録の『Clue』と『Note』の2曲を合わせて作られた曲)僕はその時に培ったノウハウを活かせたと思います。それぞれ魅力ある曲がひとつになっているので、それぞれの曲を比べながら『One』を聴いてもらえると楽しめると思います」(テミン)

 会見には、「One (Monster & Infinity)」の制作に参加し、Red VelvetやTWICEの楽曲で知られるスウェーデンの作曲ユニット、Moonshineのジョナサン・グスマークとルートヴィヒ・エヴァースも動画で登場し、楽曲制作の裏側を語った。新型コロナウイルス感染拡大の影響で今回はオンラインでソングキャンプを開催し、ソウル、ストックホルム、ロンドン、LA、テキサスの5都市を繋いで制作が行われたとのこと。

 「SuperMの楽曲制作はとてもトリッキー。なぜかというと、さまざまなグループのメンバーが集まって誕生したスーパーチームなので、各グループを代表しつつ新しいチームとしての新しい魅力を提示しなくてはいけないと考えたから」と2人が語ったように、異なる2曲のレイヤーを合わせることは簡単ではなかったが、結果的に2人にとって満足のできる結果になったという。さらに、「One (Monster & Infinity)」の元になった楽曲についてメンバーたちも次のように語っている。

「『Monster』はタイトル通り怪物を連想させるような強烈なエネルギーを感じさせる曲です。自分を怪物に例えて、SuperMだけの方法で、苦難と逆境を乗り越えていくという内容の歌詞です」(ルーカス)

「『Infinity』は『Monster』より明るい感じの曲です。僕とマークのラップでスピーディに始まり、エネルギッシュなベクヒョンとテミンのボーカルで無限に突き進んでいくサビのパートがポイントです。イントロはブラスサウンドが活かされていて、壮大な雰囲気が感じられます。SuperMのイメージによく合っていると思います」(テヨン)

 メンバーと共にMVのダイジェストを見るコーナーでは、カイの落下場面で盛り上がるメンバーに、当人のカイが「CGです(笑)」とクールに返す場面もあった。

 また、デビュー曲の「Jopping」には映画『アベンジャーズ』のテーマ曲がサンプリングされていたが、今回はそんなMARVELの『アベンジャーズ』との公式コラボレーションも発表された。

「僕たちがアメリカでデビューした時に『K-POPのアベンジャーズ』と紹介してくださったのですが、僕自身もSuperMとこのイメージがぴったりマッチしていると思います。コラボができて光栄ですし、僕もMARVELファンとして本当に光栄です」(マーク)

 「K-POPのアベンジャーズ」という呼称の他に呼ばれたいキャッチフレーズはあるか、という質問にはテンが「レジェンドと呼ばれたい」と答えた一方で、ルーカスが「パワーレンジャー(日本の戦隊ものがアメリカに輸出されて放映される時のタイトル)」と答えたり、マークが「SuperMのMって韓国語の“モシッタ(かっこいい)”のMなのでは?」と言い出し笑いが起きたりと、ユーモアも交えた会見となった。

 今回のフルアルバム『Super One』には、確かにさまざまなジャンルの楽曲が混在している。「Tiger Inside」や「100」のようないわゆるSMP(SM Music Performance)そのものといった曲や、「So Long」「Step Up」「Better Days」のような“SMといえば”のR&Bベースのボーカルを聴かせる曲、「Big Chance」のような爽やかな懐かしさを感じるコーラスが印象的な曲もある。「Line ‘Em Up」には韓国の管楽器・ピリを思わせる東洋的な笛の音色と三拍子が使われている。「100」や「Drip」のように、各メンバーが所属している母体グループの曲やソロ曲が元ネタと思われる仕掛けも含まれていたり、「Dangerous Woman」のようにアリアナ・グランデの同タイトル曲をリファレンスしたと思われる曲もある。「Together At Home」は今年4月に参加したオンラインチャリティーコンサート『One World:Together At Home』で披露した「With You」のビデオからインスピレーションを得た曲で、テヨンとマークは「お互い離れていても、僕たちはどこにいても一緒に時間を共有できる」という想いでリリックを書いたという。

SuperM 슈퍼엠 ‘호랑이 (Tiger Inside)’ MV
SuperM 슈퍼엠 ‘100′ MV

 これらの曲は一見とりとめがないようでいて、「SuperMの存在意義であるSMPを表現したい」というコンセプトでひとつに集約される。SMPとは、SM ENTERTAINMENTならではの「ダンスパフォーマンスのための楽曲であり、楽曲と一体化するためのパフォーマンス」という理念で作られた表現方法と言えるだろう。さまざまなグループから選抜されたメンバーで作られたSuperMはまさにこのSMP、つまりはSM ENTERTAINMENTそのもの、あるいはSM ENTERTAINMENTが長い年月をかけて作り上げてきた「K-POP」というジャンルそのものを体現できるショーケースたり得るものであるということなのではないか。それ故に、SuperMのタイトル曲の歌詞がどれも自信に満ち溢れた内容なのもうなずける。

 また、収録曲の歌詞は英語のものもあれば韓国語のものもあり、あるいはほとんどが英語で部分的に韓国語というような、現代のK-POPでは定型化された「韓国語の歌詞だが部分的に英語」というパターンの真逆もある。その変幻自在に言語が切り替わっていく様も、SMが率先して進めてきた「K-POPグループの多国籍化」「K-POPそのものの多国籍化」を体現しているようだ。そのようなアルバムの代表曲である「One (Monster & Infinity)」は、2曲の異なる曲を融合させて新しい曲として作り上げたという過程そのものであり、どのジャンルとも言い難い複雑な構成が不思議とまとまった完成品でもあるという点で、『Super One』の存在意義を体現しているようだ。SM ENTERTAINMENTが紡いできた歴史、そして今現在できることが詰まったポートフォリオのような1枚と言えるかもしれない。

■DJ泡沫
ただの音楽好き。リアルDJではない。2014年から韓国の音楽やカルチャー関係の記事を紹介するブログを細々とやっています。
ブログ:「サンダーエイジ」
Twitter:@djutakata

■リリース情報
SuperM 1st Full Album『Super One』
配信中 ダウンロードはこちら

<Track List>
1.One (Monster & Infinity)
2.Infinity
3.Monster
4.Wish You Were Here
5.Big Chance
6.100
7.Tiger Inside
8.Better Days
9.Together At Home
10.Drip
11.Line ‘Em Up
12.Dangerous Woman
13.Step Up
14.So Long
15.With You

■More Information
Artist Page (Universal Music)
SuperM_JP Official Twitter
SuperM Official Website
SuperM Official Instagram
SuperM Official Twitter
SuperM YouTube Channel
SuperM Official TikTok

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む