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『中学聖日記』で異例の芸能界デビュー、新人・岡田健史の素顔 「人生で一番うれしかった」

リアルサウンド

18/10/9(火) 6:00

 2018年秋ドラマ『中学聖日記』(TBS系、10月9日22時~)で有村架純演じるヒロインの相手役に、本作で芸能界デビューを果たす岡田健史が出演する。前クールの『義母と娘のブルース』や、昨年ブームを巻き起こした『逃げるは恥だが役に立つ』など高視聴率をマークしてきた作品が並ぶ“TBS火曜10時枠”ドラマとして、新人の起用は異例の挑戦となる。大役であり難役を決めるにあたって、1年にわたり行われたオーディションを勝ち取った岡田の素顔に迫った。

【写真】『中学聖日記』第1話の岡田健史登場シーン

■「恩返しができないかなと考えていた」

ーー幼いころから野球一筋だったそうですが、なぜ演技を始めることになったのでしょうか?

岡田健史(以下、岡田):野球部を引退した後に、演劇部の顧問の先生から助っ人として大会に出てほしいと頼まれたのがきっかけです。

ーー先生は、他の子にも声をかけていたのですか?

岡田:いえ、自分だけです。演劇部の男子キャストが役にハマらないということで、顧問の先生が誰かいないかと探していた時に、校長先生が僕の名前を出してくださったみたいで。

ーー声をかけられた時には、どう思いましたか?

岡田:演劇かぁ……と(笑)。でも、高校には野球の特待生で入れていただいたのに、甲子園にも行けず、まったく結果を出すことができなくて。自分をここまで成長させてくれたのは、充実した学校生活のおかげだと思っていたので、なにか恩返しができないかなと考えていたんです。そんな時に、ちょうどそのお話があったので「やろう」と思いました。

ーー恩返しですか。それにしても初めての演技って、大変ですよね?

岡田:大変ですね(笑)。でも、同時にワクワクしました。それまで野球しかしていなかったけれど、たとえばサッカーやバスケをやってもおもしろいと思っていた時期だったんです。野球以外のことをする楽しさとか、挑戦することへのやりがいを感じていたので、ワクワクが大きかったですね。

ーーいざ本番を迎えてどんな気持ちでしたか?

岡田:緊張しました、野球の試合以上に(笑)。演技は今までやったことがなかったので、大丈夫かなぁって……。

ーーたしかにそうですよね。周囲からの反応はいかがでした?

岡田:実は、俳優になろうと決意した大きなきっかけが、県大会の時に審査員の方から名指しでお褒めの言葉をもらったことなんです。何十年も演劇に携わっている顧問の先生からも「名指しで褒められている人は、めずらしい」と言われて。自分なりに取り組んだ結果が評価してもらえたことはもちろんですが、(名指しでの賛辞は)滅多にないことだと知って、よりうれしかったですね。

■「人生で一番うれしかった」

ーー黒岩晶役はオーディションで勝ち取った役どころですが、印象的だった審査は?

岡田:演技審査には、塚原あゆ子さん(演出)も新井順子さん(プロデューサー)も金子ありささん(脚本)もいらっしゃって、すごく汗をかきました(笑)。 演劇の大会では、舞台にライトが当たっているので、お客さんの顔があまり見えなかったんです。なので、初めて人前で「自分、どうですか?」と見せる場だったこともあり、いろんなところから汗が……(笑)。審査の前、1週間ほど演技レッスンをしました。

ーーどのような指導があったのでしょうか?

岡田:まず、演技とはなんぞやっていうところからですね。何も知らないので、野球でいえば「投げ方」から。もちろん、その1週間でできるようになったとは思えないですし、晶役に選んでいただいたことには、感謝の気持ちしかないです。

ーーオーディションを受けている役者さんの中には、演技経験が豊富な方もいたと思います。

岡田:周りのことはあまり考えませんでしたね。どうしたら相手に届くかとか、どうしたら受かるかという視点で先生からも指導を受けていましたし、オーディションの本番にもその気持ちで臨みました。

ーー晶役に決まったと聞いたときは?

岡田:もう、めちゃくちゃうれしかったです。人生で一番うれしかった(笑)。それと同時にデビュー作でこんなに大きな役をいただいたことへの責任感も感じました。共演も大先輩のすごい方々ばかりで、失礼な演技はできないですし。クランクインまでに今の自分に何ができるのかを考えて、身が引き締まる思いでした。

■「すごく緊張して、汗が止まらなくなりました」

ーー原作を読んだときの印象はいかがでしたか?

岡田:少女漫画って、キャラクターの目が大きくて“女の子が好きそうな絵”というイメージがあったんです(笑)。でも、『中学聖日記』を読んだらびっくりするほど読みやすくて、絵もすごく綺麗だなと思いました。僕はギャグっぽいシーンの絵が好きですが、一方で勝負どころのシーンが美しく描かれているところも印象的で、現場でも原作の場面を想像しながら演じています。

ーー晶はピュアで、思春期特有の葛藤も抱えている中学生ですよね。具体的には、どのような役作りを?

岡田:晶はどういう人なのかなっていうのを、自分の実体験を交えつつ理解するところから始めました。僕には、晶ほどの反抗期がなかったんですよね。晶は見たものに素直に反応するけれど、捉え方がかなり屈折している。それは今までの自分の人生ではなかった感情なので、そこを演じることにやりがいを感じています。あとは食事制限で体重を10キロ落としました。自分にできることを考えた時、演技はできないので、まずは痩せることだなって(笑)。

ーークランクイン初日、初めての現場のことは覚えています?

岡田:とにかく人が多いなぁと思いました(笑)。話には聞いていたけれど、今までの人生では見たことのない光景だったので、戸惑いましたね。最初の撮影が、顔のアップからだったんですよ。なので、大きなカメラが目の前に来た時にすごく緊張して、汗が止まらなくなりました。

ーーそれはすごいですね。その後は、気持ちを落ち着かせて順調に撮影できたのでしょうか?

岡田:はい、その後は大丈夫でした。

■「役へのアプローチの仕方を丁寧に教えてくださいました」

ーー演じてみて、改めて難しいと感じていることはどこでしょう?

岡田:自分の解釈と監督の解釈が違ったり、人それぞれ感性が違うというのが難しいですね。相手の意見を否定するのではなくて、「こうしたらつじつまが合うな」と自分なりに考える作業が難しくもあり、おもしろくもあります。

ーーでは、楽しいと感じていることは?

岡田:台本を読んで「こんな風になるんだろうな」と想像して現場に行くのですが、実際は空気感も違うし、相手の表情を見ながら “受け取って、出して”というやりとりが楽しいです。なかでも聖先生とのお芝居は、晶としても岡田健史としても、すごくおもしろいです。

ーー具体的にはどんなところが?

岡田:晶と聖先生が2人きりでいるときに、先生が涙ぐむシーンがあるのですが、僕は先生が涙ぐむとは思っていなかったんです。その姿を見て、晶としてではなく、岡田健史に一瞬なってしまったり。

ーー有村さんから、演技のアドバイスなどもあるのでしょうか?

岡田:あるシーンで、演技を終えた後に監督から「ここは、本当はそうじゃなかった」というお話があったんです。先に口を挟んだら混乱するからという監督の気遣いだったのですが、自分としてはすごく悔しくて。そんな時、有村さんが、「思いが一緒でも伝え方が違ったり、伝え方が一緒でも思いが違ったりするから、ちゃんと監督と話し合うことも大事だし、自分の思いを持つことも大事だよ」と。それから「私が晶くんの立場だったら……」と、役へのアプローチの仕方を丁寧に教えてくださいました。すごく印象に残っていますし、とてもありがたかったです。

ーー忘れられない、素敵なエピソードですね。最後に、岡田さんが10代のうちにやり遂げたいこと。そして、その先の目標を教えてください。

岡田:なまりがあるので、まずは標準語と地元の言葉を使い分けられるようにしたいです(笑)。将来の目標としては、ビジュアルではなくて、感情の動き方や表現の仕方が“美しい俳優”になりたいです。外側はメイクさんやスタイリストさん、カメラマンさんもいらっしゃるので、そこはお任せして。俳優として美しく、観ている人に誰よりも感動してもらえるような役者になりたいと思っています。

(nakamura omame)

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