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『ハケン占い師アタル』志尊淳が持ち味いかし仕事に向き合う 杉咲花の“キャラ変”も話題に

リアルサウンド

19/2/1(金) 6:00

 パワハラ上司・上野(小澤征悦)の下で、密かに転職を狙う若手社員・品川(志尊淳)。上野から「覇気とコミュニケーションスキルが足りない」と言われているとはいえ、これまでの第1話、第2話を観てきたかぎり、悪いヤツではないだろう。彼の現状を見ていると、そうなってしまってもおかしくないのである。

【写真】品川(志尊淳)とアタル(杉咲花)の2ショット

 1月31日に放送された木曜ドラマ『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)第3話では、この品川が、自身の人格や仕事ぶりについて上野から激しく罵倒され、彼らの務める「シンシアイベンツ」を辞めると宣言してしまう。そこでアタル(杉咲花)の占いによって、なんとか彼は立ち上がるのだ。

 この第3話では、品川の人物像がよりくっきりと浮かび上がってきた。彼はまだ、入社して1年目の新人だ。大学時代に所属していた演劇サークルの仲間や、夢を掴みかけている声優志望の恋人の姿を前に、品川は自分の理不尽な現状と比べてしまっている。上野から、日々パワハラを受ける中、焦りを感じ、転職を熱望しているのも頷けるのだ。

 そこへ、彼らの所属する“Dチーム”に新たな案件が舞い込んでくる。珍しく意気込む面々であったが、彼らの部署が担当するのはサンプリング。案の定、やる気をなくした上野は、提案書の作成を品川に押し付けるのだ。重い腰を上げて挑む品川だが、冒頭に記したように上野と衝突。退職を決意し帰宅すると、同棲中の彼女が「本気で声優を目指すから」と出ていってしまう。踏んだり蹴ったりである。そして見兼ねた神田(志田未来)と目黒(間宮祥太朗)が、口止めされているはずの“アタルの占い”を品川に勧めるのだ。

 そんな品川を演じる志尊といえば、本作で目黒役を演じる間宮と並んで、いまトップをひた走る若手俳優の一人だろう。今年に入ってからの彼の活動を観ることができるのは本作だけだが、昨年は、連続テレビ小説 『半分、青い。』(NHK)でハマリ役を得て、『ドルメンX』『走れ!T校バスケット部』と、主演映画が2作も公開された。優しげで中性的な顔立ちと柔らかな声が彼の持ち味だが、それらを活かしながら、多少特徴的な人物をも等身大に演じてみせている。

 占いによってアタルが品川に放った言葉は、「この世に何が正解か分かって生きている人なんて、一人もいない」というものだった。そうして迎えたサンプリング当日、彼はまさかの女装をして登場。本人いわく「こうでもしないと、ここに来れなかった」というもので、「サクラがいた方が人が集まる」という考えもあったようだ。ここで彼は小芝居を打ち、“サクラ役”を演じるのである。これが彼に今できる、逃げない仕事への向き合い方なのだ。

 ところで、普段ニコニコしているアタルが占いモードに入るとき、とたんに高圧的な人物に“キャラ変”するのだが、封切られたばかりの映画『十二人の死にたい子どもたち』でも終始イラ立ちを募らせる、刺々しい姿の杉咲を見ることができる。昨年放送された『花のち晴れ~花男 Next Season~』(TBS系)や、映画『パーフェクトワールド 君といる奇跡』など、ひたむきで健気な女性役にピタリとハマる彼女だが、この手の間逆で高圧的な演技を見るにつけ、その振れ幅の大きさについ感嘆の声を漏らしてしまう。本作でのアタル役は、両タイプの杉咲を堪能できるのだ。

 次回の第4話では、上野がフォーカスされる。これまでの3人と違い、アタルより大きく年齢の離れた相手であるが、彼女がどのように救うのか注目である。

(折田侑駿)

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