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BOYSぴあSelection 第34回 宮世琉弥

宮世琉弥 Part1「被災者の自分だから伝えられることが、きっとある」

全2回

PART1

今年、俳優として新たな出発を切った宮世琉弥くん。今、どんな気持ちでひとつひとつのお仕事に向き合っているのか。グループ卒業の決断の裏側には、俳優というお仕事に対する琉弥くんの並々ならぬ想いがありました。

BOYSぴあにだけ語ってくれた本音の言葉。俳優・宮世琉弥の挑戦がここから始まります。

── 今年1月末にグループを卒業しました。少し時間が経ちましたが(取材は2月中旬)、今の気持ちを聞かせてもらえますか?

最初は正直めちゃくちゃ不安でした。でも、いろんな人から「頑張れ」って声をかけてもらって、その言葉のおかげで今は不安が自信に変わりました。こうやって取材していただけるのも自信になるし、今はとにかく「絶対売れてやろう」っていう心境です。

── 前向きですね!

応援してくださっている方の中には、僕の卒業に対してあまりいい印象を持っていない方もいると思うし、それは自分でもわかっているつもりです。

だからこそ、まずは僕がちゃんと俳優として成功しなくちゃいけない。その背中を見て、僕の決断が正解だったのか不正解だったのか決めてほしくて。

ここから僕がいつかアカデミー賞とか獲れる日が来るかもしれない。そのためにも今はとにかくお仕事を頑張って、応援してくれている方々の為にも売れてやるぞっていう気持ちです。

── グループ卒業を発表したときも、「これから俳優として、この世界に自分の人生を懸けてやっていきます」とコメントされていました。俳優という仕事にそれだけ情熱を持つようになったきっかけは何だったんですか?

僕は宮城の出身で、震災のとき小学1年生だったんです。当時のことは今でも鮮明に覚えていて。お母さんと一緒にいたときに地震が起きて、すごく揺れて、家に帰ろうと思ったら津波が来て、車が流されて、本当にたまたま生き残ったという感じなんですけど。きっかけというか、そんなギリギリの状況を経験した自分だからこそ、東日本大震災の被災者としてたくさんのことをお芝居を通して伝えられる役者さんになりたいと思いました。それをバネに今も頑張っています。

── じゃあ、芸能界に入ったのも震災がきっかけで?

そうです。今でもよく覚えているんですけど、震災から少ししてから復興祭があって、ももいろクローバーZさんが来てくださったんですよ。みんなの前で輝いている(百田)夏菜子さんを見て、すごい感動して。震災で傷ついた人たちがももいろクローバーZさんのおかげで元気が出て、本当にすごいなと思ったんです。

その矢先に、スーパーを歩いているところをたまたまスカウトされて同じ事務所に入ることになったんですけど、そのときからずっと人に感動を与えられる人になりたいという気持ちがありました。

── そうだったんですね。

そんな中で、俳優に専念したいと思う1つのきっかけになったのは、試写で観た『Fukushima 50』という映画でした。あの震災当時、福島第一原発で作業をしていた人たちのお話で、まさか自分が経験した震災が映画になるなんて思っていなくて、観るまでは内心ちょっとドキドキしていたんですけど。観てみたら、あのときの様子が本当にリアルに再現されていて。感動したし、こういうことがあったんだよって伝えられるのはやっぱり特別なことだなって感じたんです。

僕の「宮世」という名字は去年ファンのみなさんからの公募で決めたんですけど、「宮城から世界へ」という意味が込められていて。この名字に負けないように、宮城のいいところをもっともっと伝えていきたいし、被災者のひとりとして3月11日に何があったのかをたくさんの人に伝えていけるよう、これから俳優の仕事に全力で打ち込んでいきます。

── では、ここからは俳優・宮世琉弥くんにいろいろ聞いていきますね。今、お芝居をやっていて難しさを感じる難しいのはどんなところですか?

演じる以上、その役にならなきゃいけないんですけど、まだまだどうしても「自分だったらこうするのにな……」って自分の感情が芽生えてしまうときがあって。役に入り込むのは難しいし、なかなか本物の人間になりきることってできないんだなって感じています。

── お芝居の悩みとか誰かに相談しますか?

共演者の人方とか、聞いたら教えてくれそうだなという人にはしますね。特によく相談に乗ってもらっているのが、俳優の坂東龍汰くん。坂東くんとは『パーフェクトワールド』というドラマで共演して以来、仲良くして頂いていて。お芝居がとても上手なので、こういうときどうしたらいいんだろうみたいな相談はよくします。

── 監督に言われて胸に刺さった言葉とかありますか?

ある現場で監督から「君は今、宮世琉弥じゃなくて、○○という役だから」って言われて。そのとき、そうだ、今は自分じゃないんだ、役なんだからちゃんと別の世界に行かなきゃって思い知らされて。すごく納得したし、お芝居って難しいなって感じるきっかけにもなりました。

── 逆にお芝居をやっていて楽しいときはどんなときですか?

いろんな人格になれることが僕は楽しくて。普段の自分では絶対やらないことをやれるのが俳優の面白さだと思います。

── たとえば?

う〜ん、失恋とか(笑)。僕、今までもらった役がどれも失恋してるんですよ! 報われる役が一度もなくて(笑)。あと今16歳なんですけど、20歳の役とかやらせてもらえるとすごく楽しいです。痺れるような、刺激をもらえるような。人一倍、人生を経験させてもらっている気分になりますね。

── では、「資生堂シーブリーズ」のCMの話もぜひ聞かせてください。

本当、青春っていう感じで。僕の演じた役が、好きな子がいて、でも自分からはいけない高校1年生の男の子で。両想いなんですけど、お互い好きって言えないっていう感じなんですよ。相手の女の子がアピールしてきてくれて、ちょっと「やったー!」ってなったり、そういうフレッシュな感じの役でした。

── 撮影で印象深かったことは?

僕は好きだなと思ったら自分からいきたいので、あんまり自分で気持ちを押さえ込んだりしないタイプなのかなと。だから、好きって言えなくて悩んでいる感じを出すのが大変でした。言いたいけど言えないっていうもどかしさを表情で表すのが難しくて……。

── じゃあ、そんなふうに揺れ惑っている表情が見どころですね。

そうですね。あとは、だんだんと近づいていくふたりに注目してください!

── これからどんな役に挑戦したいですか?

報われる役がやりたいです! どの作品を観ても、報われないまま終わってちょっと悲しい気持ちになるので、一度でいいからちゃんと報われて、手を繋いじゃったりしている幸せそうな自分を映像で観たいです(笑)。

あとは学園モノとか。お仕事があって、あんまり学校に行けていなかったので、学園モノのドラマに出て、リアルではできなかった青春を経験してみたいです!

── 今日の撮影の表情を見ていたら、いろんな役ができそうですね。ちょっと悪っぽい役とかSっぽい役とか。

ぜひやりたいです!

── どんな俳優になりたいというイメージはありますか?

いろんな自分を見せていきたいっていう気持ちはあります。さっき言ったみたいな青春って感じの役もやりたいし、『溺れるナイフ』で菅田将暉さんが演じたコウみたいな、ちょっとヤンチャ系の宮世琉弥も見せたいですし。

あとは、ファッションが好きなので、ファッション系の雑誌に出たり、ランウェイを歩いている宮世琉弥も見てもらいたいです。そうやっていろんな宮世琉弥を見てもらった上で、宮世琉弥を好きになってほしい。

役を演じている宮世琉弥と素の僕は別人なので、バカでマヌケな素の宮世琉弥のことももっと知ってもらえたらなと思っています。そういった準備を焦らずにやっていきます。頑張って羽ばたいていきますので、よろしくお願いします!

PART2では琉弥さんの等身大の素顔に迫ります。3月25日(水)公開。撮影シーンも観られるインタビュー動画も公開! サイン入りチェキプレゼントもあるのでお楽しみに!

撮影/高橋那月、取材・文/横川良明、ヘアメイク/raftel 小林麗子、スタイリング/帆苅

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