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峯田和伸(銀杏BOYZ)のどうたらこうたら

気持ち悪い恋愛が増えたと思いませんか

毎週連載

第139回

先週まで【モテる女性】【モテる男性】とかいろいろ喋ったけど、ただ現代の恋愛事情って、随分変わってきてるからね。どうたらこうたら僕が喋ったことって、もしかしたら今の恋愛には合わないかもしれない。その点は自分で判断してみてくださいね。 

前にも喋ったと思うけどさ、うちの芦沢(マネージャー)が一時ハマってたマッチングアプリ。相変わらず今も人気があるみたいで、最近僕の周りでもちょいちょい話題に上がるんだ。でもさ、マッチングアプリに対して僕自身はなんかモヤモヤするものがあってさ。

いいんだ、別に、マッチングアプリで男女が出会っても。でもさ、そこで会った人と「付き合う!」ってなった後にさ、果たして男も女もそのスマホからマッチングアプリを消すの? おそらく消さないでしょう。だって「出会って終わり」ってことならマッチングアプリの利用者は減るはずだもんね。

でも、利用者は相変わらず増えてるらしいからさ、結局付き合おうが何しようが、男女ともにマッチングアプリを使い続けるってことだよね。

もう浮気し放題。スマホアプリによって、恋愛もとんでもない時代に突入しているってことだけど、この一方で特に芸能人の「不倫」だとか「浮気」だとかは絶対に許されないでしょう。もちろん僕だって「不倫」「浮気」が良いとは思わないよ。

でもさ、たった一度魔がさしただけで、一生芸能界から追放されるくらい叩かれて消えていく人もいるじゃん。あれはちょっとかわいそうに思う。昔は「女遊びは芸の肥し」なんて言われる時代もあったけど、こういう言葉もまぁ絶対にナシだよね、今は。

僕はすべてを肯定していきたいと思ってるけどさ、片方で「浮気し放題」の状況がある一方「浮気は許さない。なんなら仕事も奪う」みたいな風潮がある、今の時代の矛盾がどうしても気持ちが悪くて仕方がないんだよ。

またマッチングアプリだけじゃなくて、恋愛スタイルも色んなものが出てきてるじゃん。「複数の恋人がいて、みんなそれを理解している」っていうポリアモニーとかさ、「セックスはせず添い寝だけするソフレ」「キスだけをするキスフレ」とか、もうワケがわかんないんだよ。おそらくヒッピー思想みたいなことだろうけど、もし芸能人がこういうことをやったら叩かれたりしないのかね。

この辺の矛盾がよくわからないしさ、ポリアモニーなんて最初は理解しあっていても、そのうち嫉妬が芽生えたりして「ブッ殺す!」とかにならないのかね。本当、難しいことになってるよね、今の恋愛は。

僕? 僕は普通の恋愛でいいですよ、もう。40代半ばだし、一生のうちあと何人と付き合ってセックスするかなんてわからないし。もしこれから先、彼女ができることがあるんだとしたら、普通に、真面目に付き合いたいと思っているけどね。

皆さんはどうですか? マッチングアプリ、ポリアモニー、ソフレ、キスフレ。新しい恋愛のカタチとしてアリですか? ナシですか?

舞台『物語なき、この世界。』に集中している時期ですが、帯付きレコード、帯付きCDは依然として増え続けています。

構成・文:松田義人(deco)

プロフィール

峯田 和伸

1977年、山形県生まれ。銀杏BOYZ・ボーカル/ギター。2003年に銀杏BOYZを結成し、作品リリース、ライブなどを行っていたが、2014年、峯田以外の3名のメンバーがバンド脱退。以降、峯田1人で銀杏BOYZを名乗り、サポートメンバーを従えバンドを続行。俳優としての活動も行い、これまでに数多くの映画、テレビドラマなどに出演している。


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