映画『日本独立』の公開日が12月18日に決定。ポスタービジュアルが公開された。

同作は、第二次世界大戦終戦直後のGHQに占領された日本を舞台に、一刻も早い日本の独立回復にこだわり戦いに挑んだ吉田茂と白洲次郎の姿を描いた作品。白洲次郎役を浅野忠信、吉田茂役を小林薫、白洲次郎の妻・正子役を宮沢りえ、国務大臣・松本烝治役を柄本明、内閣総理大臣・幣原喜重郎役を石橋蓮司、元内閣総理大臣・近衛文麿役を松重豊、戦艦大和からの生還者・吉田満役を渡辺大、その母・ツナ役を浅田美代子が演じる。監督は『プライド 運命の瞬間』などで知られる伊藤俊也。

ポスタービジュアルには、「戦争に負けてもこの国は誰にも渡さない――。」というコピーやキャストの表情が写し出されている。

浅野忠信のコメント

ダンディで魅力的な白洲次郎さんを演じることにワクワクしたのを覚えています。彼の情熱やピュアな面に想像を膨らませて役作りさせていただきました。あの当時、いち早く世界に目をむけ、語学にも⻑けていて、外国の方とも対等にやり合うところに興味を持ちました。僕自身、アメリカの血も入っていて子供の頃から外国に興味があったので、そういう部分では共通する部分があったのかもしれません。神戸での撮影はとても素敵な時間でした。監督に感謝します。白洲さんの熱い生き方から何か受け取っていただけたら嬉しいです！

宮沢りえのコメント

当時その場所が本当にそこに存在していたんだろうと思うような素敵なロケ場所で撮影をして、そこの空気感に馴染むように自然と正子さんになれたような気がします。この脚本を読んで目から鱗が落ちた、という、この感覚が観てくれた人達に伝わりますように

小林薫のコメント

当時の背景や歴史上のことなどはわからないことも多いので、ある意味監督にお任せして楽しみながらやれたらいいかなという想いで演じました。今回登場する人物のなかでも吉田茂という人は、顔つきから人物像からよく知られているので、あまりにも顔付が違ったりしてると、いくらなんでもあれは吉田じゃねえ、となっちゃうのもやりにくいなと思っていたんですよね。それで冗談ぽく「とりあえず吉田さんにしてください」というのでこういうメイクになったんですけどね（笑）。まあ、そういう言い方するとあれですけど、見た目から入ったというところはあるかもしれませんね。

伊藤俊也監督のコメント

『プライド 運命の瞬間』（98）で東京裁判を描いた際、主人公の東条を取り上げることとか、東条の罪を描かずして人間性を描いた、とか、いろいろ批判は受けたのですが、日本の戦後における二大事件の一つである、極東国際軍事裁判がどのようなものであったかを描いたつもりです。その後、どうしてももう一つ事件である日本国憲法の成立に関わる映画を作りたいと思いまして、2000年のはじめに発想し、『日本独立』の基となるシナリオを作ったのです。依頼、17～18年もの間、企画が浮上してはだメになったりの経過を繰り返し、ようやく今回映画化が実現しました。今もって日本の憲法9条をめぐる問題には、平和条項とか永久平和とか、憲法成立時に作られたある種の美名の中に包み込まれていて、多くの日本人が誤解しているということが、今の曖昧な日本、そして国の形を作っているのだという強い思いがあります。本作がようやく世に出るということは、とても意義があることだと思ってます。