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益山3兄弟らによる「あばば・あばるかむ」のプロジェクト『saidan』始動

CINRA.NET

20/3/12(木) 18:30

あばば・あばるかむによるプロジェクト『saidan』が4月4日から始動する。

2019年に結成されたあばば・あばるかむは、劇団子供鉅人に所属する実の兄弟・益山貴司、益山寛司、益山有司と、新藤江里子によるユニット。益山兄弟の思い出やルーツをもとにした演劇、インスタレーションなどを展開する。

プロジェクト名の『saidan』は「祭壇」「裁断」のダブルミーニング。在日韓国人3世の益山兄弟は、大阪で数十年にわたって行なわれてきた韓国の伝統的な法事が終了したことで祖国との文化的な繋がりを喪失したという。

4月4日から東京・目黒のrusuで入場無料のエキシビションを開催。益山たちがアイデンティティーの喪失を回復し、未来への新しい祈りを具現化するための「新しい祭壇」というインスタレーションを展開するとのこと。初日の4月4日にはオープニングパーティーを実施。

5月26日と27日にはイギリス・ロンドンのThe Coronet Theatreで演劇を上演。益山らが自身の出生のルーツや生い立ちをたどりながら物語を紡ぐセミドキュメント作品となり、構成と演出を益山貴司、演奏を新藤江里子が担当する。

また、ベルギーではノンバーバルパフォーマンス『HONEY MOON』を上演。詳細は後日発表される。

あばば・あばるかむのコメント

「裁断された祭壇の再生と祈り」
私たち兄弟が喪失したのは物質としての祭壇だけではなく、精神的な意味での祭壇/法事をも失いました。それは家族や一族の伝統、あるいはルーツを自覚するためのものでもあったのです。私たちは裁断された祭壇を再生させ、人や家族の繋がりが希薄になりつつある現代社会へのポジティブなアンサーとなることを期待しています。
「いない存在をいるように扱う」法事の一連の作法。例えば、お膳一杯に並べたお供えの食べ物に箸を置いていき、故人に食べさせるというような行為は、非常に演劇的であり、私たち兄弟が演劇を志した原風景でもあります。
私たち兄弟は絵画や造形を学んだわけではありません。実際の祭壇も同じように、芸術を学んだ訳でもない祖母や母が作り上げました。伝統に則りながら、その時々の生活に応じて組み上げていく。私たちも、現代という時代と共振しつつ、兄弟の感性を通して、ポップで極彩色な現在の祭壇インステレーションを作り上げます。
世界は今、レミングの群れのように破滅に向かってひた走っているようにも見えます。その一方で、希望や夢も生まれ続けています。本企画が、混沌とした世界にあって、ふと、立ち止まり、過去を偲びながら、現在を生きる自分たちの未来を思うよすがとなることを目指しています。

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