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ジャニーズ年末企画:ライター5名が振り返る“激動”の2020年(柚月裕実、北村由起、新 亜希子編)

リアルサウンド

20/12/30(水) 6:00

 ジャニーズにとっての2020年は、アーティストにとってもファンにとっても“激動”だった。まずは新型コロナウイルスの感染拡大による影響。コロナ禍によってライブ活動がままならない状況になった音楽業界。ジャニーズアイドルたちは、「Smile Up ! Project」や無観客ライブ『Johnny’s World Happy LIVE with YOU』など配信を通して不安を抱えるファンを元気づけた。

 そしてアーティストの変動も多い年でもあった。1月にはSixTONESとSnow Manがデビューを果たし、ジャニーズJr.には新グループ・IMPACTorsが誕生。一方で中居正広をはじめキャリアを重ねたタレントたちの退所も。メディアやSNSでは、いつもジャニーズ関連のトピックが取り上げられていた。

 リアルサウンドでは、ジャニーズの活動を見守ってきたライター5名にアンケートを実施。ライター陣は、2020年のジャニーズの動向についてどう感じているのだろうか。前編となる本稿では、柚月裕実氏、北村由起氏、新 亜希子氏に話を聞いた。

柚月裕実「改めてアイドルの存在の大きさ、素晴らしさを実感」

1.今年のジャニーズを振り返り、一言で表すとどんな言葉が思い浮かぶか

 今年を振り返って真っ先に浮かんだ言葉は「エンターテインメントの力」と「繋がる」でした。まさか、まさかの連続だった2020年。そんな状況下でも、ジャニーズのアイドルは、ステイホームや手洗いの呼びかけをはじめ、時勢に合わせた方法で様々なエンターテインメントを届けてくれました。初めて「Wash Your Hands」を観たときは、どこまでもジャニーズらしいスタイル、世界観に感動しました。

 自粛期間中は、緊張や不安な気持ちを抱えていましたが、彼らが明るい笑顔を見せてくれたことでどれだけ心が救われたか……。視聴が追いつかないほどの映像コンテンツ、Twenty☆Twentyのチャリティソング「smile」など、ファンに寄り添い、一歩踏み込んだ支援に感謝すると共に、改めてアイドルの存在の大きさ、素晴らしさを実感しました。

2.飛躍を遂げたと感じるジャニーズグループ

 今年デビューを果たしたSnow ManとSixTONES、そしてSexy Zoneです。ジャニーズ初の2組同時デビューと注目を集め、1月22日のデビューを経てそれぞれの道を歩み始めました。今年は思うような活動ができなかったことでしょう。“次世代ジャニーズ”と呼ばれる彼らですが、前例のない状況でも可能な限り活動を続ける姿がたくましく、明るい未来を予感させてくれました。

 また、Sexy Zoneはメンバーの松島聡さんが復帰とマリウス葉の休養を経験しました。松島さんはラジオ番組で「これからも僕らはSexy Zoneを守っていけるように頑張っていきます」と決意を語ったように、佐藤勝利さん、中島健人さん、菊池風磨さん、松島さんから伝わってきたのは強さ。どんなときもファンを第一に、画像一つにも愛を込め、一言一句まで考え抜いて伝えてくれました。「One step at a time 一歩ずつ進もう」マリウスさんの連載タイトルのように、見せてくれた景色を大切に楽しもうと思うと同時に、これからのグループのスタイルやファンとしてのあり方について考えを巡らせるきっかけをもらいました。

3.2020年におけるSixTONESの動向について

 今年1月22日に「Imitation Rain」で鮮烈なデビューを飾ったSixTONES。2ndシングル『NAVIGATOR』の発売が“ナガビーター”ものの7月に発売。11月には『NEW ERA』と、3枚のシングルCDをリリース。11月にはライブDVD『TrackONE -IMPACT-』を発売と、大変な状況下でもハイクオリティな音楽を届けてくれました。“6つの音”という意味が込められたグループ名に相応しい音楽活動の充実ぶりでした。2021年も年始からコンサート、1月6日には待望の1stアルバム『1ST』をリリース予定と、お知らせが絶えない嬉しい悲鳴!

 また、今年4月には『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)がスタート。既存のファンはもちろん、ANNのラジオリスナーをも魅了。年始から抱腹絶倒した『しゃべくり007』(日本テレビ系)出演にはじまり、YouTube動画、ドラマ、バラエティ、そして音楽と、あらゆる角度からたくさんの幸せと笑いをもたらしてくれたSixTONES。2021年も、きっと飛躍する……それも想像だにしない展開、景色をみせてくれることでしょう。

4.一年を通しての所感

 予定していたコンサートや舞台が相次いで中止になり、ドラマ作品やCDリリースも延期と、活動が足止めされ、相当なダメージを負ったはずです。しかし、無料配信ライブをはじめ、過去作品を無料で公開するなど、大切な作品をたくさん提供してくれました。関ジャニ∞はファンと一緒に作詞をしたり、堂本光一さんは舞台作品を配信したり。新たな試みを通してエンターテインメントを届けようと、試行錯誤する姿に感動しました。

 また、『Smile Up ! Project』を通して、ファンの応援が医療機関等への支援につながる仕組み、無観客でもステージに立ち、ファンにパフォーマンスを届けてくれた彼らを誇らしく思いました。とにかく動いて、動いて……ジャニーズのアイドルに宿る、揺るがない精神、姿勢に胸を打たれました。そして、長らく在籍された方々の巣立ちも印象深い出来事でした。3月末に中居正広さん、12月末に少年隊の錦織一清さん、植草克秀さんが退所されます。亡きジャニー喜多川氏と共に、ジャニーズのショービジネスの礎を築いてきた少年隊。バラエティ界に進出して活路を見出したSMAP。SMAPのバックダンサーを務めたKinKi Kids、少年隊の舞台『PLAYZONE』を2回目から観てきた堂本光一さん。光一さんのバックダンサーだったKAT-TUN……彼らに憧れて育った世代から、新たなグループがデビュー。「僕らの時代は男が踊るなんて恥ずかしいとされる時代だった」(※1)少年隊のメンバーはこう語っていたそうです。そんな時代を経て、歴代の先輩たちが積み上げてきた活動なしに現在の形はないのだと、ジャニーズの歴史、つながりを感じました。誰か一人(一組)でも欠けていたら、現在のジャニーズのスタイルはまた別のものになっていたかもしれません。

 激動の2020年でしたが、ジャニーズのエンターテインメントの力強さを感じた一年でもありました。スペースの関係で全グループの活動を紹介できないのが無念ですが、2021年はきっと、さらにパワーアップしたステージが観られることと期待しています。2021年も全力で応援します!

※1「日経エンタテインメント!」(2021年1月号/日経BP社)堂本光一連載「エンタテイナーの条件」より

北村由起「嵐の活動休止までのカウントダウンを常に感じて過ごした1年」

1.今年のジャニーズを振り返り、一言で表すとどんな言葉が思い浮かぶか

 ズバリ「配信」です。「Smile Up ! Project」をはじめ自粛期間中に木村拓哉さんを筆頭にV6や嵐、などベテラン勢からJr.まで各グループが趣向を凝らした動画を配信し、楽しみにしていたライブや舞台が中止になって悲しんでいるファンに寄り添いました。また多くのグループの無観客ライブが配信されたことも画期的な出来事だったのではないでしょうか。これまではライブを見るには該当FCに加入するかライブディスクを購入する必要がありましたが、配信ではいずれかのジャニーズのFCに加入していれば割引料金で配信を見ることができたため、「ちょっと気になっていた担当以外のグループのライブ配信を見たことがきっかけで“推し”が増えた」という人もいたのではないでしょうか。またグッズもオンラインで購入できるようになり長蛇の列に並ぶことなくゲットできるようになったことも印象的です。

2.飛躍を遂げたと感じるジャニーズグループ

 ものまねやバラエティ番組の出演が増え、広くお茶の間の認知度がアップした河合郁人さんの活躍が際立ったA.B.C-Z。グループとしても初主演映画やシングル『頑張れ、友よ!』のリリース、個人の舞台、ドラマ出演など話題も豊富でした。一方“関西の面白いお兄ちゃん”的なイメージが強かったジャニーズWESTは「証拠」をきっかけにメンバーの歌唱力に注目が集まり“歌えるアーティスト”として大きく飛躍。“ジャニーズWEST史上最もカッコいい”と称した「LIVE TOUR 2020 W trouble」で今後のグループとしての方向性が明らかになったように感じました。そしてデビュー前とは思えない活躍のなにわ男子。最もデビューに近いグループと噂されるだけあり、配信ライブで魅せたキラキラ感と個々のスキルの高さに成長を感じました。

3.2020年のSnow Manの動向から感じたこと

 「D.D.」の鮮烈デビューから怒涛の1年間を突っ走ってきた9人。多くのファンを獲得した理由は、楽曲に加えそれを表現するのスキルの高さとメンバーの個性が上手く訴求できたからだと感じます。併せてパフォーマンスとバラエティでのギャップも大きな魅力であり武器。バラエティに対する取り組みで印象的なのは「全員参加型」の姿勢。1人がボケると誰かがすかざすがツッコむ、フォローする体制が完成しています。誰一人傍観者がいないので番組自体も非常に面白く、冠番組の配信も待ち遠しく感じます。『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』では今まで舞台が観られなかった人、映画で初めて滝沢歌舞伎に触れる人など幅広い層へ魅力をアピールすることに成功しており2021年のさらなる飛躍に期待大です。

4.一年を通しての所感

 個人的には嵐の活動休止までのカウントダウンを常に感じて過ごした1年でした。ファン へ寄り添い、様々な形で愛を届けてくれた5人。多くの嵐ファンの方と同じくいつま でも寂しい気持ちはぬぐえませんが、5人から受け取った幸せを大切に宝箱に入れ、活動 再開の日を待ちたいと思っています。また印象的だったのは自粛期間前に行われた木村拓 哉さんのソロライブ。グループと違い、大阪城ホールの客席を埋め尽くしたファンの皆さ ん全員の視線と歓声が木村さん1人に注がれている様子は圧巻の一言。大人になったジャ ニーズアイドルの可能性を感じさせてくれた素晴らしいライブでした。いちジャニーズフ ァンとして、大みそかの『This is 嵐 LIVE 2020.12.31』、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)、『ジャニーズカウントダウン』(フジテレビ系)も見逃せませんね。

新 亜希子「望んで“ジャニーズであること”を選び続けてくれるように応援したい」

1.今年のジャニーズを振り返り、一言で表すとどんな言葉が思い浮かぶか

 「可能性」でしょうか。今年は新型コロナウイルスの影響により、数々のコンサートや舞台が中止になりました。テレビ番組も通常の形での収録は行えず、楽しみにしていたドラマや映画も延期に。ひととき、エンタメは遠くに行ってしまいました。

 けれど間もなく「Smile Up ! Project」が立ち上げられ、異例の『Johnny’s Happy LIVE with YOU』が開催されました。個人が自発的に「できること」を考え、動く姿も印象的でした。webを通して毎日のように届けられる言葉に、いつも支えられました。ついには、中止・延期が決まっていたいくつかのライブも、配信という形ではありますが実現し、新たなライブの「可能性」が生まれました。

 アイドルもファンも、エンタメのあり方について考えた1年だったと思います。これまでにも、未曾有の事態が起こるたび、いつもジャニーズは私たちを支え、寄り添い、励ましてくれました。ジャニーさん亡き今も、その意志は確かに受け継がれていると感じます。エンタメは、不急かもしれないけれど不要ではない。エンタメが持つ底力と「可能性」を感じた1年でした。

2.飛躍を遂げたと感じるジャニーズグループ

 SixTONESです。グループとしても個人としても活躍し、着実に前進・成長している姿は見ていてわくわくします。あれだけのことができる人たちなのに、YouTubeで見せる素の姿がずっと変わらないところに好感が持てますし、元気をもらえますね。プロモーションも上手く、チームのSixTONESへの愛情や信頼、絶対に売り出すという気概を感じます。常に楽しみ、挑む姿勢がいいですね。これまでリリースしたシングル曲は、いずれも難曲ではありますが「カラオケで歌ってみたいな」と思わせるキャッチーさがあります。大衆を置いてきぼりにしていないのもいいな、と。「口ずさめるヒット曲」って、年々少なくなってきていますから。

 きっと世界を目指していくのだと思いますが、曖昧な“世界基準”とやらに迎合するのではなく、“ジャニーズ”という看板を誇って、ジャニーさんの夢も一緒に連れて行ってくれる方たちだと思います。「SixTONES」というジャンルを築き上げてほしいですね。

3.相次ぐジャニーズメンバーの退所に感じること

 人生は選択の繰り返しで、彼らがこれまで「アイドル」「ジャニーズ」という道を選び続けてきてくれたことは決して当たり前ではなかったんだと実感し、感謝する機会になりました。だから「今」を大切にしようと、これまで以上に思うようになりましたし、やはり私はジャニーズという文化が好きですから、現役の皆さんが主体的に、望んで「ジャニーズであること」を選び続けてくれるように応援していきたいです。

 やりたいことを見つけ、新しい夢が生まれるのは喜ばしいこと。ですから「ジャニーズに所属しながら出来ること」の範囲が広がれば嬉しいですね。ジャニーズというブランドを守りながらの挑戦はとても難しいことだと存じますが、年々変化しているのを感じますし、可能性は広がっていると思います。

 そして「退所したからさようなら」という気持ちはありません。道は別れても、ジャニーズアイドルとしてたくさんの人を幸せにした自分を誇りに思い、自分を大切にしてほしいですし、なによりファンの皆さんにとって誇れる人であり続けてほしいと願っています。

4.一年を通しての所感

 私たちと同じように不安な日々を過ごしながらも、常に「できること」を考え、行動してくれたジャニーズの皆さんのことをあらためて尊敬しましたし、感謝した1年でした。上手な言い方が見つからないですが……誰も失うことなく、年越しを迎えられそうでよかった。もう、今年はそれだけでいいと思っています。

 こんな時代ですから、ときには休んだりペース調整したりしながら、皆さんが健やかでいてくれればそれが一番です。

 ただ、25周年イヤーを迎えたV6、年末で活動休止を予定している嵐には、きっと「今年でなくては」というものがあったと思います。どうしようもないことですし、配信ライブをはじめ代替案によって形になったものもありますが、ご本人たち、ファンの方、関わる方々の気持ちを思うとやはり、ウイルスが憎いですね。

 そして、差し出がましいようですが、当初ジャニーズJr.のことが心配でした。彼らにとっての「1年」ってとてつもなく大きいものだと思うので。デビュー組なら「今年はダメでも来年、来年ダメでもいつか」という可能性や選択肢があると思うんですね、ご本人も、ファンも。

 でも、ジャニーズJr.のみんなにとってはいつでも「今」が、「今年」が勝負。大事な1年が、ステージの数々が奪われて、心が折れないだろうかと。すべて私の杞憂でした。彼らはプロでしたね。ISLAND TVを活用したり、ジャニーズJr.公式YouTubeチャンネルでグループの個性を発揮したりと、ピンチをチャンスに変え、日々、ファンに元気を届けてくれました。新たなファンを獲得する機会にも繋がったと思います。

 ステイホーム期間中、ジャニーズの皆さんがさまざまなコンテンツを活用してくれたおかげで、どのグループもファンが増えたように感じます。心なしか、もともとのファンの方の熱量も上がったような気が。いつか通常通りの日々に戻ることができたら。たくさんの幸せを与えてもらったぶん、ジャニーズの皆さんにお返しできることがあればいいな、と思います。

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