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志田未来×花江夏樹が振り返る、学生時代の葛藤 『泣きたい私は猫をかぶる』との共通点とは?

リアルサウンド

20/6/18(木) 12:00

 スタジオコロリド最新作『泣きたい私は猫をかぶる』が、6月18日よりNetflixにて独占配信される。

参考:スタジオコロリド・山本幸治氏が語る、コロナ以降のアニメ制作 『泣き猫』はなぜ劇場公開から配信へ?

 本作は、『ペンギン・ハイウェイ』で第42回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞、ファンタジア国際映画祭今敏賞(ベストアニメーション賞)を受賞したスタジオコロリドの最新作。監督を務めたのは、『美少女戦士セーラームーン』シリーズ、『ケロロ軍曹』シリーズなども手がけた佐藤順一と、スタジオジブリで『千と千尋の神隠し』に携わった柴山智隆。脚本は、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』『空の青さを知る人よ』の岡田麿里が担当した。

 本作でW主演として、多感で繊細な中学2年生のムゲと日之出を演じるのが、志田未来と花江夏樹。新型コロナウイルス感染症の影響もあり配信へと舵を切ったなか、主演の2人がリモートでの取材に応じてくれた。

■初共演の志田未来と花江夏樹。お互いの印象は?
ーーお2人は初共演だと思いますが、お互いにどのような印象を持っていましたか?

花江夏樹(以下、花江):志田さんは、僕が中学生くらいの頃からドラマでご活躍されていたので、共演できてすごく嬉しいです。最初お話を聞いたとき、実感があまりわかなかったのですが、志田さんもアニメがお好きとのことで、僕が出ている作品も観てくださっていたので、とても光栄でした。

志田未来(以下、志田):もともとアニメが大好きで、花江さんの大ファンだったんです。なので、最初お会いしたときは、「本物だ!」とすごく下心丸出しだったと思うんです……。ご一緒させていただけることがものすごく光栄に思いながら、現場に行きました。

ーー実際にお会いして印象が違ったりしましたか?

花江:そこまで大きくは変わらなかったのですが、最初は会話があまり続かなかったというか(笑)、お互い探り探りでした。その後、だんだん打ち解けてきて、お芝居を通して、相手のことがわかっていくというか、作品を通じても距離が近くなったのではないかと個人的には思います。

志田:本当に緊張マックスで全然お話できなかったなと(笑)。花江さんが話しかけてくださっているのに対して、私が一言で返してしまうといったことばかりで、「何やってんだ私!」という気分でした。お芝居でもすごく引っ張っていただいて、演じやすい環境を作ってくださったので本当に感謝しています。

ーーお2人の演じられたムゲと日之出は中学2年生で、それぞれに悩みを抱えたキャラクターです。ご自身が中学生の頃どんなことに悩んでいましたか?

花江:僕が中学生の頃は、自分の予期せぬところで失敗してしまったり、まずいなと思ったことをなかなか親に伝えられなかったり、今思えば小さいことに悩んでいた気がします。他の人には恥ずかしくて伝えられないというか、自分の中に留めておく悩みはたくさんありましたね。

志田:13歳のときは『14才の母』(日本テレビ系)というドラマで主演をやらせていただいていた頃で、学業と仕事の両立とか仕事に対するプレッシャーとか、自分がこんなに大きな役を演じることができるのだろうかという葛藤みたいなのを感じていました。私は友達にもすごく支えられて学業と仕事の両立ができていたと思うのですが、自分の中ではいろいろ悩んでいた時期でしたね。

ーー志田さんはそういった経験をムゲとの共通点として感じていたのでしょうか?

志田:けっこう感じました。ムゲの場合は周りの愛情に向き合えない部分があって、相手が自分を見ているときに、自分は少し違う方を向いていることがあります。私自身も中学2年生くらいのときは、自分のことでいっぱいいっぱいで、周りが向けてくれている愛情に気づけない時期とか、親に反発してしまう時期があったので、ムゲの気持ちはすごく共感できるなと思いながら演じていました。

ーー花江さんはさまざまな作品で学生の男の子の役を演じられています。役作りの段階でどのようなアプローチをされているんでしょう?

花江:僕は基本的に、地声というか自分の出しやすい音域で演じようとしています。特に本作の日之出のようなキャラクターは、等身大でいたいので、まずは台本の文字だけの情報からできる限りのインスピレーションを得て、あまり考えすぎずに作っていますね。

■アフレコを振り返って
ーーアフレコの現場で、監督からはどのような説明を受けましたか?

志田:ムゲの声に関して、リハーサルのときに「あまり作りすぎないように自然体でいってください」と監督がおっしゃってくださったので、あまりいろいろなことを意識せず自分が感じたままに演じようと心がけていました。

花江:「絵は絵で我々が芝居をつけるので、花江さんたちはまた別の角度から日之出たちを表現してください」とおっしゃられていました。なので、割と自分がやりやすいようにやらせていただきましたし、監督が違和感を感じた部分は後日録り直したりと、かなりこだわって録っていただいたので、僕自身も納得いくものが出せたと感じています。あとはアフレコの段階から映像に色がついていたので、想像がしやすかったですね。色がついていないコンテだけの状態でアフレコをすることも多いのですが、その場合そのシーンが昼なのか夜なのかとかも考えながら演じないといけないので、その手間がなかったのはすごくやりやすかったです。

ーー志田さんはこれまでも『借りぐらしのアリエッティ』や『風立ちぬ』といった作品で声優をされていますが、本作のアフレコで新鮮に感じたところはありますか?

志田:これまでの声のお仕事の際は、アフレコのスタジオに1人で入って演じることが多かったので、今回、花江さんと一緒にアフレコできたのは、新鮮でした。掛け合いをしていると、お芝居をしながら出てくる感情があり、それを花江さんが上手く引き出してくださったので、お芝居がしやすかったです。

ーー花江さんはさまざまな作品のアフレコを経験されていると思いますが、やはり1人で演じるのと複数人でアフレコをするのとでは、お芝居も変わってくるものなのでしょうか?

花江:全然違いますね。僕は一緒に録った方がいいと思います。というのも、1人で録るときは、家で準備してきたお芝居と大して変わらないことが多いのですが、掛け合いになると、その場その場で感じるものが違うので、自分でも想像していなかったことができたりします。すごく楽しいです。

ーー本作は、当初劇場公開の予定でしたが、新型コロナウイルスの状況を鑑みてNetflixへの配信へ変更となりました。配信に対する思いをお聞かせください。

花江:劇場公開できないのは残念ではあるのですが、配信だと世界中の人に観ていただけますし、自分が観たいと思ったときに観れるのがいいですよね。巻き戻して観たいと思うシーンがたくさんあるので、そういった面では配信の方がよくもあるのかなと思うので、何度も観ていただけたらなと思います。

志田:さまざまな映画の公開が延期される中で、『泣き猫』もどうなってしまうのか不安でした。その中でNetflixでの配信が決まって、こういう決断をしてくださったスタッフさんには本当にありがたいなという気持ちでいます。やはり世界中の方々に観ていただけるのはすごく嬉しいです。こういう時期だから、エンターテインメントが人の心を軽くしてくれると思うんです。花江さんがおっしゃっていたように、自分の好きなタイミングで観れるという部分もあるので、結果として配信という形になっても良かったのかなと思っています。

ーー最後に本作の見どころを教えてください。

花江:自分の気持ちを伝えることの大切さを教えてくれる作品だと思いますので、大切な人を思い浮かべながら、もしくは一緒に観ていただけたらいいなと思います。配信なので、リモートで一緒に同時再生で観るといったこともできると思うので、そういった楽しみ方も含めて楽しんでいただければと思います。

志田:猫の太郎の姿も可愛いですし、猫の世界もすごく魅力的です。こんな世界あったらいいな、もしかしたらあるのかなと思わせてくれる作品ですし、ムゲと日之出がみんなの愛情を感じることで成長していくお話にもなっているので、2人が一歩踏み出す瞬間を是非見届けてください。

(取材・文=安田周平)

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