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DOBERMAN INFINITY GS、厚いフロウでグループ導く“頼れる最年長” 「ALL ROUND HIP HOP」体現するD.Iのまとめ役に

リアルサウンド

20/12/8(火) 6:00

 MCのKUBO-C、GS、P-CHOの3人と、劇団EXILEのメンバーとして俳優活動も行うSWAY、ボーカルのKAZUKIで構成される、4MC+1Vocalスタイルのヒップホップグループ、DOBERMAN INFINITY。LDH所属ながらも“踊らないグループ”として唯一無二の存在感を放っている彼らが、12月2日に約1年ぶりとなるニューシングル『6 -Six-』をリリースした。表題曲「6 -Six-」とカップリング曲「SO WHAT」は、現在放送中のドラマ『6 from HiGH&LOW THE WORST』(日本テレビ系)の挿入歌に起用され、リリース前から話題を呼んでいる。そこで本連載では、DOBERMAN INFINITYのメンバーについて1人ずつフィーチャー。第2回目は、最年長メンバーのGSについて、グループの歴史と絡めながら紹介していく。

 GSは1979年6月12日生まれで奈良県出身。小学2年生から少年野球をやっていたこともあり、子どもの頃はプロ野球選手になりたかったという。ただ、当時は一般的に野球がメジャースポーツとして大々的に取り上げられることが多かったため、当たり前のようにプロ野球選手に憧れていたが、「漠然とした夢で、心からなりたかったかっていうとどうかなって感じなんですけどね」(引用:TOKYO HEADLINE)と語っている。小学3年生からの付き合いだという同い年のKUBO-Cが同様に少年野球をやり、プロ野球選手に憧れていたことからも当時の野球ブームが窺えるが、野球少年だったGSがヒップホップに出会ったのは、高校1年生の時。「仲間とスケボーで遊ぶようになって、音楽をかけながらワイワイと楽しんでたんです。その時に流れていたのがヒップホップ」(引用:アルキタ)と語っており、音楽を入口としながらも、徐々にヒップホップのルーツやカルチャー、ファッションにも興味を持つようになったようだ。なお、その頃のスケボー仲間にはKUBO-C、P-CHOも含まれている。

 そして1998年、“地元の仲間達”とWEST HEADとして地元・奈良で音楽活動をスタート。2000年には、滋賀県出身のMAB、兵庫県出身のTomogenと共にDOBERMAN INCを結成し、大阪に拠点を移して活動を始めた。各自のラップスキルの高さに加えて、当時はメンバー全員が20代前半だったこともあり、関西圏を中心に新世代を代表するアクトとして注目を集めた。2002年には、BACH LOGIC aka BLを中心とするMATCHSTICKMENプロデュースのもと、インディーズデビュー。「バイトが生活のメインで、ライブの日は休みをもらうというサイクルだった」(引用:アルキタ)というアマチュア時代を経て、2004年にはメジャーデビューを果たした。念願のメジャーデビューに喜びを感じる反面、メジャーデビューして、何百人の観客を相手にライブをしてもなおバイトを辞められない状況に、音楽で食べていくことの難しさも実感。その経験が、GSを“音楽1本で食べていく”という夢へと駆り立てた。だが、2006年にメンバーのMABが脱退。2008年にLDH所属となり、東京で活動していく中で、2013年にはTomogenが脱退。DOBERMAN INCはGS、KUBO-C、P-CHOの3人となった。

 しかし、3人の心の火が消えることはなかった。2014年6月17日に、2013年に行われた『VOCAL BATTLE AUDITION 4』のファイナリスト KAZUKIの加入と、グループ名をDOBERMAN INFINITYに改名することを発表したのだ(参照:デイリースポーツ)。さらに同年6月24日には、以前からLDHのレーベルメイトとして交流があり、劇団EXILEで俳優活動を行うSWAYの加入も発表。正式に5人で始動することとなった(参照:Ameba Blog)。

 最新シングル曲「6 -Six-」の歌詞に〈鍵っ子〉というワードを入れたように、自分のバースには必ずオリジナリティのあるワードを入れるのがこだわりだというGSのラップは、厚みのある声質とアタック強めのフロウが特徴的。“ALL ROUND HIP HOP”をテーマに掲げるDOBERMAN INFINITYにおいて、先陣を切って“ヒップホップ初心者にも聴きとりやすいラップ”を行っている存在と言えるだろう。以前はそこまで意識していなかったが、昨年リリースしたシングル『We are the one/ずっと』からは、ラップ曲とメッセージ性のある歌モノでアプローチを変えるようになったそうで、『6 -Six-』のインタビューでも「ラップ曲は人に歌ってもらうことを一切意識しないんですけど、カラオケでみんなに歌ってもらえる曲になるといいなって思う場合は、みんなが歌いたくなるようなメロディを考えるんです」(引用:DOBERMAN INFINITYが「6 -Six-」で綴った“かけがえない仲間への感謝” 「みんながいてくれるから自分らしくいられる」)と語っている。

DOBERMAN INFINITY「6 -Six-」 (Official Music Video)

 リーダーのKUBO-Cも、GSの曲作りに対する姿勢を「僕とかは固執して走りがちですけど、『こうした方が聞き取りやすい』とか『一般の人にわかりやすい』とか、そうやって全体を広い目で見られる」(引用:DOBERMAN INFINITYが語る、“5人で歩んできた5年間”の絆「誰ひとり欠けていたくない」)と称賛。その結果、ヒップホップカルチャーを知らない人でも入りやすい音楽性で、多くのファンに愛されるグループへと進化を遂げた。昨年実現した初のアリーナツアー『DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2019 5IVE ~必ず会おうこの約束の場所で~』が、それを証明している。2018年のインタビューで、夢を叶えようとしている人へのアドバイスとして「客観性を持って自分を見ること」を挙げ、「自分に足りない部分も分かるし受け入れられると思うんです。そうすればおのずと自分を100にする方法も見えてくると思います」(引用:TOKYO HEADLINE)と語っていたGSだが、自らもその方法で夢を掴んでいるようだ。

 そんなGSのキャラクターは、DOBERMAN INFINITYのまとめ役。ライブのMCでは、ふざけがちなメンバーをフォローしながら進行する立ち位置で、インタビューでも長文で丁寧に返答する姿から真面目な性格が窺える。その一方で、メンバー曰く「言っちゃいけないことを言う確率もGSさんがいちばん高い(笑)」(SWAY)、「情報解禁してないことを言う。だいたいいつも生放送で下ネタを言いがち(笑)」(KUBO-C)(引用:DOBERMAN INFINITYが語る、“5人で歩んできた5年間”の絆「誰ひとり欠けていたくない」)なのもGSだそうで、天然キャラが大渋滞しているLDHにおいても、上位に入るほどの天然キャラとして知られている。おちゃめな最年長である。

 自分やグループを客観的に捉えられる性格で、音楽面でもトーク面でもバランサーのような役割を担うGS。もちろん、日本語ラップブームの最中にデビューし、長年メジャーシーンで活動してきたラッパーとしてのプライドは変わらずにある。それでも、グループの輝く未来のため、ひいては愛するヒップホップのために覚悟を決めたGSの想いが、DOBERMAN INFINITYを夢の舞台に連れていく。

■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter:@stmdr38

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