ついに沙羅（菜々緒）に結婚を申し込むみこと（福士蒼汰）。しかし2人の間には運命が立ちはだかり、沙羅はなかなか結婚を受け入れることができなかった。『4分間のマリーゴールド』（TBS系）第6話では、命と向き合うことと結婚に揺らぐ沙羅とみことの姿が描かれる。

【写真】弟役の横浜流星

　何気ない日常を楽しんで暮らしていた花巻家だが、沙羅の運命の日は刻一刻と迫っている。そんな中、みことは沙羅にプロポーズをした。初めこそ、喜んで受け入れる沙羅であったが、運命のことを考えるたびにプロポーズを受け入れることに戸惑い始めた。沙羅は、自分が死んだらその後にみことが残されてしまうことをどうしても無視できなかったのだ。みことは、そんな沙羅の気持ちを知り、結局自分のことばかり考えている沙羅を安心させられていないと苦悩する。その時、みことは救命の仕事に就いてから初めて助けられなかった少女のことを思い出す。お線香をあげにその少女の家に訪ねたみことは、少女の母から意外な言葉を聞いた。それは、その少女が死んでからも、一緒に過ごせた6年間のおかげで、今も生きていられるという前向きな話であった。沙羅が死んだらどうするのか、どうすれば沙羅を助けられるのかばかりにとらわれていたみことにとって、その話は苦悩から脱するきっかけになる。その後、みことは沙羅に再度プロポーズをする。沙羅はもう一度運命を見てほしいとみことに伝えるが、みことは運命を見ず「大丈夫、結婚しよう」と沙羅に言葉をかけるのであった。

　死ぬかもしれないという恐怖と戦うみことと沙羅。みことは、ある話をきっかけに不安に蝕まれている自分を断ち切る。どんな未来が待っていても、沙羅と結婚したいという”正直”な気持ちに一番に従うことにしたのだ。不安の渦中にいたみことだったが、先輩救命士や、処置した相手の母からの話を聞くたびに自分の価値観を柔軟に変え、焦りや不安から脱する方法を見つけていく。そんなみことの誠実さは、沙羅の誠実さとも似ている。

　みことは沙羅を、”よく観察している”と称していた。そしてそんな沙羅に惹かれていると頬を緩める。第6話を見ていると、みこともまた沙羅のようによく相手を観察し、先入観なく受け入れているように感じた。みことは沙羅を愛しながらも、尊敬していたのだろう。2人は互いをリスペクトしつつ、いい部分を吸収しあっている。実際に沙羅は、結婚についてこうアドバイスされている。「何か一つ尊敬できるところがあるなら結婚する価値があると思う」。友人からこう言われた沙羅はみことには尊敬できるところがたくさんあると答えていた。2人はお互いをリスペクトできているからこそ、円満で成熟した関係が築けているのだろう。

　運命のいたずらで過酷な未来を用意されてしまった2人だが、第6話の描写では2人の愛がいかに深く、まっすぐな気持ちであるかが描かれる。時にそのまっすぐさでお互いから遠ざかってしまうこともあるが、必ず歩み寄りあってきた。次週はついに沙羅の身体に異変が起こる。今の2人がどう乗り越えていくのか見守りたい。

（Nana Numoto）